「虚しい証明」英雄の証明 Jun Tanakaさんの映画レビュー(感想・評価)
虚しい証明
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最初に感じていた、イラン社会との違和感は次第に消えて、世間にありがちな、SNSの無責任さが露呈していく。そして、何よりも、空回りしていくラヒムと心無い投稿に振り回されてしまう人々の愚かさに苛立ちを覚えてしまう。彼らは、目の前にいるラヒムよりも、誰が投稿したかもハッキリしないネットの書き込みの方を盲目的に信じてしまう。イラン社会もさることながら、SNS社会の不条理さは、深い虚しさを感じないではいられない。SNSは、人に便利さを供する代わりに、何かを喪失させてしまうのだろうか。ファルハディ監督作品は、苛立ちを覚えることも多いが、それを楽しむのもコツ。
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