「もめごと三昧」3つの鍵 Bacchusさんの映画レビュー(感想・評価)
もめごと三昧
ローマのとあるアパートメントで暮らす4つの家族の3つの話を描いたオムニバス。
貴基本的にご近所さんということで顔見知りぐらいの関係性はあるけれど、別々の3つの事情で巻き起こるドラマを行ったり来たりしながらみせていく。
始まって約10分であらすじに記されている設定の概ねが出尽くす怒濤の序盤。
「一人の女性が亡くなる」は通りすがりの歩行者思いっきり跳ね飛ばしてるし、ひとつの事故を切っ掛けにと言っているけれど、事故が切っ掛けになっているのは1家族だけで突っ込まれた家すらそれとは関係ないドラマだし。
そんな中で巻き起こっていくイタリアでは認知症は認知されていないのか?なあたおた旦那と家族、人を殺してしまったことを反省しもしないし自活できてもいないのにな勘違いガキンチョと家族、夫が単身赴任の中で出産して育児を始めて不安で仕方ないロンリーママをみせていき、ちょっとやり過ぎ感はあるけれど見入ってしまう。
そして5年後、そしてそして10年後…。
日本人的感覚からしたら10年経ってやっと?だったり、そのタイミング?だったり、まだそんなこと?だったりなズレを感じまくるところはあったけれど、話自体は面白かった。
シーンやセリフに合わせたかの様に劇場の灯りが2回ほど点灯したんだけれど、演出ではないですよね?
裁判官の息子は親の教育に問題がありそうです。推測ですが、両親共に裁判官で頭脳明晰な子だと期待したのに、違っていた。原作ではその経緯を書いているはずです。
娘への性的迫害を異常に疑う父親は、過去に自分もそんなに体験をしているのかと思いました。イタリアですから、神父からかもしれない。
彼を慕う若い女性は、小さい頃から彼に憧れている。母子家庭かもしれない。父親を求めていたかもしれない。
雲隠れしてしまう母親は、親のように精神病が発病してしまうのかとの不安を心の内に抱えています。芥川龍之介もそうでした。鉄道自殺をするのかと思いました。
原作の小説では、しっかりと記述されていると思います。まぁ、原作の通りじゃなくても説得力があれば、私は認める方です。