TITANE チタンのレビュー・感想・評価
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痛い痛い痛い
とにかく痛点が刺激されるから、鑑賞するのにもカロリーを消費する。アレクシアが相手に与える暴力的な苦痛も見ていて辛いんだけど、アレクシアが自分に与える痛みのシーンは、お尻の穴がキュッとしまってしまう。
前半は、エログロなんだけど、テンポも良くバックに流れる曲も退廃ムードを加速させるドライブ感がある。破滅に向かって一直線と思わせたところで、モードチェンジ。
ヴィンセントとの親子ごっこが始まってからは、ちょっと退屈な時間が流れる。退屈なんだけど、物語の終着点が気になるので眠気はこない。
ステロイドを使ってまで老いに逆らうヴァンサンは、男性性に囚われた人間だが、その彼が
母性に目覚めてしまう。死と再生の物語ということになるんだろうけど、ナンセンスの積み重ねで、それを語られても何も感じない。ただ、記憶には絶対残る作品。
今年一番の衝撃的な作品
狂気の向こう側にわずかに見える希望の光。自責でない狂気を背負わされた人々にも救いがあるのではないかという、ささやかな希望を抱きます。毎日絶望的な情報にさらされていて、皆さんも滅入っているのではないでしょうか。
フランケンシュタインのような映画
ストーリーはどこかで見たことのある内容をツギハギにして練られている。フェティッシュな映像にサディスティックな演出が施されていて、視覚による傷みが伴う場面が多い。確かに見たことがあるようなのだが、やはり見たことのない斬新な内容はパルムドールを獲るだけのことはある。アカデミー賞の綺麗事だらけのオスカー作品よりも、やはりカンヌのアクの強いパルムドールの方が興味深い。主演女優は全くの新人の方らしいのだが、演出の素晴らしさも相俟って中々のパフォーマンスを上手くこなしていた。今後も期待出来る女優だ。この手のキッチュな映画を私は愛している。
何を見たのか未だによく分からない
>頭蓋骨にチタンプレートを埋め込まれたアレクシア。それ以来、彼女は車に対して異常なほどの執着心を抱き、危険な衝動に駆られるようになってしまう。
…っていうけど、車への執着シーンは言うほどないし、もうひとつの衝動はチタン関係あるのやらないのやら。
話のスジをまともに追うと(一応スジは通ってるとはいえ)おかしなとこだらけで頭痛がしてきますが、そんなんどうでもいいくらいにありとあらゆる濃いインパクトが炸裂してて、結局頭痛がしてきます。なんなんだ本当にこれ。
面白かったかと聞かれれば、いやぁ微妙…って感じですが、なんか「凄かった」のは間違いないです。
ドMのかたはどうぞ。
ものすごい存在感
序盤からすごい攻めてくる作品。
エログロや鉄の侵食等にどうしても最初は「鉄男」を感じてしまいました。石川忠のような音楽もそう思わせるのでしょう。後見る前は「クラッシュ」?なイメージもありましたね。
ピリピリとした空気の中で、自身の作品「RAW」とさりげなく関連性を持たせているのがにくいです。
まず前半は随所で痛みを感じるので、観ていて結構力みました。
主演のアガト・ルセルが正に体当たりの演技で、ほとんどセリフはないのにものすごい存在感なんです。これで映画初出演は驚異。
ヴァンサン・ランドンも秘めた熱量が滲み出ており、この二人の狂気の絡み合いが作品の見どころでしょう。
人間性を放棄し死へ進んでいた彼女は、嘘で築かれた歪な生活を経て心を知り温もりを取り戻し、そして最後は愛が生まれる。
これは今年見た中でも、ずば抜けて印象を残す作品でした。
かなり評価が割れる作風なので、是非とも自身で体感してみてください。
かなりの熱量です。
配信では味わえない
『RAW 少女のめざめ』、日本公開前から評判は聞いていました。しかし、結局私が観たのは配信(自宅テレビ)だったせいか、正直な感想あまりハマれませんでした。ところが同監督、「2作目はパルムドールを獲った」と。そこで「今度こそは」と劇場鑑賞です。
まず一言でいうなら「イカれてます」ね。この後も数回言いますが、このワードは褒めてます。そもそも公式ページにありますが、「頭蓋骨に埋め込まれたチタンプレートが引き起こす[突然変異]。」って設定、なんじゃそりゃ、です。
序盤、主人公の「イカれた彼女」の言動に「このペースでこれが108分続いたらどうしよう、、、」と心配になるほど。観ていて身体がこわばります。そして「あと何人いるの」の天丼についつい吹き出してしまう。極まると笑えるものです。
中盤以降、「イカれた彼女」ですら当惑する「イカれた彼」の登場で様相が変わります。そして、この二人が徐々に歩調を合わせると、観ていて何だか落ち着いたように錯覚します。でも、劇中の第三者たちを通して「いやいや落ち着いたらますます変だから」と思い起こされます。まるで、観ているこっちが中毒起こしているようです。
終盤、もう隠しきれない[突然変異]がどうなるのか、そしてこの二人の運命は。。。108分、私はいったい何を観せられたのか。もうクラクラです。でも多分、これも配信で観てたらここまでハマれなかっただろうと思います。
カンヌ、さすがにお目が高い。
人類の進化。少女は神の子を宿す。
「RAW 少女のめざめ」のジュリア・デュクルノー監督の長編第2作。2021年のカンヌ映画祭でパルムドール。前作もけっこう狂っていたが、本作はもう人類の進化に手を付け始めた。可能ならば、RAWを先に観ておくことをお薦めする。しかし、カンヌってのは、こういう監督好きだよなあ。
ガイアの夜這い
映画タイトルの『TITANE』は古の神々“タイタン”を表現しているのだという。主人公のアレクシアは原初神ガイアで、その父であり夫ともなる?消防士ヴァンサン(ヴァンサン・ランドン)は天空神ウラヌスのメタファーであると、ジュリア・デュクルノー自らがインタビューで語っている。
濱口竜介の『ドライブ・マイ・カー』やレオス・カラックスの『アネット』と争ってみごとカンヌ映画祭パルムドールに輝いた作品。幼い頃の交通事故が原因で頭にチタンを埋め込まれたアレクシアが、人間よりもクルマに欲情するという変態性癖ばかりが注目されているが、本作品の趣旨は別のところにあるような気がする。
この新人女優さん、服を着てる時間の方が短いんじゃないのと感じるくらい、映画開始から終わりまでほぼ脱ぎっぱなし♥️なのだが不思議とエロくはないのである。肝心のカーセックス?シーンも、どこがどうなっているかようわからんよう?観念的に撮られていて、この辺りは女流作家ならではの美意識とでもいうべきなのだろう。
自らファンと認めるクローネンバークへのオマージュだろうか、それとも6歳の頃に見て衝撃を受けたという『悪魔のいけにえ』がジュリアに影響を与えているのだろうか、車とまぐわったアレクシアにおとずれるある身体の変化などは、非常にグロテスクに描かれている。もしかしたら作風としてはギレルモ・デル・トロにより近いのかもしれない。
血のつながりのないヴァンサンの息子になりすますため鼻を潰し、胸と○の膨らみをガムテープでグルグルまき、おまけに身体中傷だらけ、穴という穴?からガソリンのような黒い液体を噴出するアレクシアことガイアは、環境破壊しつくされた地球のメタファーなのではないだろうか。そんなアレクシアを息子と信じこむ妄想オジサン=ヴァンサンの職業が消防士という設定も何やら意味深なのである。
異性愛や同性愛、連続殺人と家庭崩壊、マチズモVSフェミニズム等々、今まで普通の映画がテーマにしてきた社会現象やイズム的要素にすべてコメディ演出を施し笑い飛ばしながら、この若き女流監督は問題山積のEUを産んだ始祖オリンポスの神々が戦いを挑んだと伝えられる原初神=タイタンズに精神的支柱を求めているのである。
頻発する自然災害にコロナ禍、そして昨今の世界紛争....このカオス渦巻く地球で生き残るためにはもはや原初神タイタンズにすがる以外に術はないのではないか。若い人たちがそう思ったとしても致し方無い気がするのである。ラスト、ヴァンサンが抱き締める“鬼っ子”が、現在EUと敵対中の“あの方”の分身であるかどうかはまた別の話なのであるが。
人格崩壊したアレクシアの妄想か?
一言で言ってムチャクチャ気持ちの悪い映画。
ストーリーも謎。初めは頭部にだけチタンを埋め込まれたと見せておいて、何故か身体にも埋め込まれていた。そして車とセックス? 血が黒いオイル? つまり、アレクシアに施されたのはサイボーグ化手術だった・・・??
自分が感じる生理的嫌悪感に忠実に評価すれば、★。
あえてこんな映画を作ろうとする人はほとんどいない、というオリジナリティと、パルムドール受賞作という名誉に敬意を表すならば、★★★★★。
タイトルなし
序盤の試しの門さえ越えれば、あとは加速度的にストーリーにのめり込んでく。
ただやってることは何一つ理解できない。理解できないことの連続なのにストーリーはスッと入ってくる、それもまたわけわからない。
取り敢えず、今まで観てきた衝撃作は全く衝撃作じゃあなかったんだなあというレベルの衝撃を受けてエンドロールずっとニヤニヤしてしまった。
初めての方はソウでも観て助走をつけておくといいかもわからん。
最初から最後まで痛そう
カンヌで最高賞のパルムドールを獲ったという事で見に行きましたが、ホラーではないのですが、サスペンスでもなさそうでよく分からなかった。とにかく痛そうな映画で人には勧めたくないですね。
車とバッコンバッコン 恋する遊園地をパクった?
アレクシア/エイドリアンはチタン製の頭蓋骨入れる前からヤバい子供だった。
前半のスピード感のある展開に比べて、後半は急激な失速⤵️
ビンセントおじさんが主役のストーリーに変わるからでもありますが・・・
自動車に対する異常性的嗜好。
遊園地の電動遊具に対するノエミ・メルランの映画「恋する遊園地」にインスパイアされた(パクった)のでしょうか?
機械油のような黒い粘ばっこい液体がいろんなところから溢れ出すところが類似点。車とバッコンバッコンして、妊娠するってところは行き過ぎだよ。膨れたお腹の皮のすぐ下にステンレス製の板?子宮もチタン?生まれて来るのはバンブルビーかと思ったら、わりと普通じゃん。
アレクシア役の女優さんの身体を張った体当たり演技というより自暴自棄的なキレっぷりがすごかった。最狂。マッドマックス。
かんざしのような凶器に布製のガムテープみたいなサラシ。
たびたび流れる Poor Wayfairing Stranger. 内容と合ってる???
チタンは体内で拒否反応起きないんだよね。
さて鳴り物入りの今年のカンヌ・パルムドールはどんな感じでしょうか。
私は割とするっと世界に入れた。
幻想と現実を連続したリアリティと時系列上に並べた話で、この様に感じたり見えているのは主人公の2人と映画見てる我々だけだ。消防士やダンサー仲間には変な2人と殺人事件にしか見えてないはず、、、。
上手いなぁと思ったのは追い詰め方だ。もう2人ともお互いを信じるしかないし、見てる僕らも道がないんだもん。そしてこの超現実的な世界を段々不自然だと思わなくなる自分がいた。そして孤立した2人はお互い引き合うに決まってる、、吊り橋効果?疑似恋愛かな?消防署長の過去はあまり説明ないけどお互いを求め合うのは必然だった。そんな歪んだ世界観で話はフィニッシュするわけだから、真っ直ぐ着地出来るわけもなく、、しかし妙な満足感と言うか、幸福感を味わえました。
これまた女性の監督ならでわ描写やまもりです。監督のインタビューでクローネンバーグに影響受けたと言っていた、、、確かに絵が濃厚で質感似てるかも。
先が楽しみな女性監督がまた1人。
脅威の創造力
サイコ、サスペンス、ホラー、ドラマ、コメディ、スプラッター、エロティック、アクション、ファンタジー等々あらゆる要素が詰め込まれた作品で、創造に追いつけず呆れて笑ってしまうくらい、すさまじい内容の作品でした。
酷い描写や演出、内容すら拒絶したくなる所が、正直、結構あって、とてもいい映画なんて言えたものではありませんが、酷いからといってすぐに放り投げてしまうわけにはいかない仕掛けというか企みが随所に見られて、結局はこのどぎつい内容の狂気じみた作品を終始凝視していたように思います。
変わった映画を見たいというなら、見てもいいかなとは思いますが、観賞するかどうかは慎重に。でも、はまればかなり面白いと思います。
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