劇場公開日 2022年4月23日

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「確かに理解が異様に困難なのだけど、どう評価するかは個人差が出そう。」インフル病みのペトロフ家 yukispicaさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5確かに理解が異様に困難なのだけど、どう評価するかは個人差が出そう。

2022年5月7日
PCから投稿

今年133本目(合計407本目/今月(2022年5月度)10本目)。

前から見たかったのですが、大阪市ではなぜか遅れての放映。シネリーブルさんへ移動。

さて、こちらの作品ですが、他の方も書かれている通り「何が何だかさっぱり不明」という点は確実に言えます。少なくとも1回目の鑑賞で7割でも理解しようと思うと、ロシア語がどうとかというより、「現代(旧ソ連~)ソ連/ロシア史」に精通していないともう無理ではないか…というところです。ここで、セリフの大半が共産主義を想定できるような単語であればまだ「そういう映画なのだから、そこを予習すればいいのね」ということになるのですが、それら単語はあまり出てこず(全くでないわけではないが…)、突然「詩(ポエム)の長さがどうとか」という話を始めるかと思えば、ホテルに備え付け(?)の電話がどうこうという話、さらに何度か繰り返されるお誕生日祝いの話など、あっちこっちに話が飛びまくって(おそらく、旧ソ連・ロシア含めて、年代も何度か飛んでる?)、とにかく理解はしづらいです。

ただ、元のタイトルとここの紹介にもある通り、インフルでうなされている主人公が過去の歴史を思い出して意識が混濁化している中だったという事情、また、旧ソ連の崩壊時には国民全体が混乱していたというのも事実(日本も戦後間もない時代は混乱期を経験している)で、ロシアといえばさらに共産主義という独特な考え方を前提にする文化があるので(その代表例がアネクドートなど)、結局、「旧ソ連・ロシアの文化をどれだけ理解しているか」という「知識量勝負」になってくると思います。

一方、かなり珍妙な字幕や謎の描写も結構あり、正直「???」な状況です。まぁ字幕が変なのは、元の映画がそうであるから(映画に対して字幕がつくのであり、字幕「だけ」変ということはないし、それは字幕担当者が好き勝手やっていることになる)にほかならず、どういうところかなぁ…という気がします。

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(減点0.5/理解困難) この映画、妙に長いのですが(150分ほど)、その中でもいくつかのパートに分けることができます。その中でも比較的最初のほうには、「*」でマスクされる字幕が出るという珍妙な字幕(例:「テスト」が「テ*ト」になる等)が出てきます。その対象の大半は性的表現ですが、この映画はR15であり、見に来る方はそれを前提にしているはずだし、古い時代の日本ならともかく、今現在の日本でごく単純な性的表現まで「*」で隠されているというのは結構珍しいです。

一方、かなり謎というか「解明不可能」と思われるのがラスト5分あたりの部分で、主人公たちがテレビを見ているシーン。テレビ内でインタビュー(?)を受けている方の発言が、まったく関係のないところで「ピー」音が入り(字幕も「*」になり、複数入るので「***が***して、***になった」みたいな字幕になる)、その「ピー」音も結構出る割に、趣旨的に何を伏せたいのかまったくわからなかったりします(そもそも、単語単位でマスクされているうえに、全体としてストーリーがわかりづらいので、もともと何の単語かという点すらはっきりしない)。

 ※ この謎の「ピー」音の表現自体も「妄想の一部」と考えることもできるし、本当に「ロシア(旧ソ連)では今(2021~2022)でも言ってはいけない事項」なのかも不明だったりします。

こうした点が相重なって、全体として「もともとわかりづらいのに、そこにとどめを刺しにきている」という点があり(最初のごく軽い性的表現に1文字だけ「*」が入るのに、大人の営みシーンは普通に出るしそこは「*」もなければピー音もモザイクもない等も謎…)、おそらく「裏で要求されている事項が、旧ソ連・ロシアの歴史文化」といったことなのだろうとは思うのですが(全く違っていて、完全に全部妄想で、全部をつなげても誰も何もわからない、単に単語を並べただけ、という可能性も、一応ありうる)、とにかく「???」な状況はどうにも否定できないように思えます(この点に関していえば「評価不能に近い」ともいえる)。
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yukispica