「ホラーよりもホラー」ニトラム NITRAM JJJJJさんの映画レビュー(感想・評価)
ホラーよりもホラー
発達障害が絡むので安易に感想は述べられませんが、率直にホラー映画よりホラーを感じました。突然ハンドルを握り出す予想だにしない行動、凶暴性を抑える荒い息使い、そしてガンショップのシーンでは何度もヒヤッとさせられた。幼少期に周囲から迫害されてきたのだろうが、そういったバックボーンが描かれていないので同情できなかったし、同じ人間とは思えない怖さを感じた。最後、事件の惨劇を映さずエンドクレジットという流れはクールだし、事件に対する制作側の配慮を感じた。主人公の怪奇演出は演技もヴィジュアルも作り込まれているなと思った。
ここからは個人的な鑑賞記録ですが、当日の劇場のお客は私1人でした。映画の内容からしてそりゃそうなんですが、社会や人の闇を自発的に見ようとする人って案外少ないんだなとも思った。言い換えれば自分はそれをあえて観に行く"陰な人種"。思い返せば興味を持つ映画は陰な作品が多いことに気づく。志向を変えてみようとも思っけれど、陰の目線から見る世界もそれはそれで面白いかなと思ったし、そういったものに興味を惹かれるのであればそれが自分のアイデンティティなのかなとも思う。
主人公のように病的ではないものの自分も社会に適応することに苦労するタイプ。同じ境遇の人に手を差し伸べられる余裕はありませんが、受け入れられる視野は持っておきたいと思う。
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