「タイトルなし(ネタバレ)」MEMORIA メモリア マサシさんの映画レビュー(感想・評価)
タイトルなし(ネタバレ)
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この演出家がタイ人であるゆえに、異邦人としてのアイデンティティを音で表したと思う。
ただ、それだけ。
海外に行くと周りが他国の言葉であふれかえる。最初は一生懸命に聞き取ろうとするが、なれてくるとただの雑音。都会の喧騒の中で楽しそうに語り合う人々の会話が、僕にとってはただの雑音になることがある。僕の場合、それが自己の喪失感ではなく、寧ろ
、異国に於けるアイデンティティと感じる事がある。勿論、こちらからは必要以上喋らない。
さて、映画は、タルコフスキーを気取ったり、アッバス・キアロスタミの音を利用したり、挙げ句の果てにテオ・アンゲロプロスの長回しで締めくくる。
アドレナリンがでまくる事はないが、10分も記憶が続かない。突然鳴る音で覚醒するが、慣れれば、覚醒するまでに映画は終わっている。
やっと見終わった。四時間かかった。それで挙げ句の果ての果てに「そりゃないだろ」と呆れてしまう。
不条理ではなく、シュールレアリズム?何かのメタファーなんだろうが、この女性がコロンビアにいるアイデンティティそのものが見えてこない。
「僕の四時間返せ!」って言いたくなる。
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