「何だかよく分からないまま終わった……君はイニシエーションを受けられるか?」MEMORIA メモリア 七尾さんの映画レビュー(感想・評価)
何だかよく分からないまま終わった……君はイニシエーションを受けられるか?
よく分からん……なんだったん……
とりあえず思い返しながらまとめるとあらすじはこう。ネタバレ。
ジェシカ(演:ティルダ・スウィントン)は頭の中に破裂音が鳴るようになる。
それ以降、不思議な現象に見舞われる。
本人の話してないことを聞く、存在しないサウンドエンジニアのエルナンに会うなど……
憔悴したジェシカは知り合った考古学者に誘われ、街を離れて古骨の発掘現場に赴く。
発掘現場近くの村で、破裂音の多く聞こえる川を見つけ、そこで自称「全てを忘れない男」エルナンに会う。
エルナンのサイコメトリー(のような何か)と相互作用が起こった結果、ジェシカは世界の音を聞いていたことを悟る。
その後のジェシカは杳として知れない。エルナンはあの破裂音を聞く。
みたいな感じ。
以下は自分の解釈や感想など。
どうも破裂音というのは聞き取りやすい大きなイベント、みたいに思える。
UFOはその特殊な1つで、ガイガーカウンターとか「放射線が…」って説明から核爆発とか、ラストの噴火とか、世界のどこかの・いつかのイベントを破裂音として聞いている。
犬の話は姉さんの夢を聞き取ったもので、内容が取り留めないのもそれで、エルナン(川)に夢は見ないのか聞いたのもその関連かな。
エルナン(音)を含む何人かは力が見せるアバターといえばいいのか、エルナンからイニシエーションを受けさせるためのガイドっぽい。
深夜や昼間病院の駐車場で車がパカパカしたのに人が来ないのも、多分能力の暴走で車の音を聞いていたんじゃないだろうか。
全てを忘れないエルナン(川)はラテンアメリカだしフネスか!と思ったけど寝てて笑った。
エルナンに会うのに向こう岸に渡ったのもやっぱ彼岸関連なんじゃねーかな。曇ってるのにあそこだけ燦々なのもおかしい。
映像が自然な光の当たり方してるのに美しくて良き。
2時間座ってティルダ・スウィントンは贅沢な時間の使い方した感ある。
熱出てるときに出社して朦朧としてるときの体感に似ている。
眠気を誘うようにできているというよりは、現実味をカットされるような映像なんだろう。マジックだなー。
音楽が殆ど無くて環境音ばかりだから、身じろぎで音を立てることもできないのが窮屈で面白かった。
自分の立てた音が映画に紛れ込んでしまいそう。
そういう意味で映画と自分の音的な境界線がない、特殊な映画だった。
これ良い映画って言っていいのか分からん……
分からんけど、非現実に没入できるのは凄い映画だ。
でも総じてレイトショーで1000円で見ると「えらいもん見た……」ぐらいの価値かなと。2回目見たいけど定額でまでという感じな……
でももっかい見たいなー。面白かったなー。