「トラウマを刺激で誤魔化す空虚さ」パリ13区 ゆるさんの映画レビュー(感想・評価)
トラウマを刺激で誤魔化す空虚さ
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主要登場人物の全てが傷を抱えており、それをセックスや新たな環境といった刺激で埋めようとしている。
カミーユは恋愛、エミリーはセックス、ノラは復学(環境の変化)…
でもそれらは対処療法であって、彼らが望むものを与えてはくれない。
各個人間の生きづらさに関してはフワッと語られる程度なので、これかなー?と予測できる程度。
なので、誰もが抱える生きづらさ(一般的な人々)を表現しているのでしょう。
そこから彼らは他者との関係構築を始めるのですが、
自分を守ろうとするあまり攻撃的になったり、卑屈になったりで、全然うまくいかない。
自己開示をして、相手を受け止め、そうして築き合う関係性だけが心を満たしうる、的なメッセージかなと解釈しました。
テンポも良く群像劇を飽きずに楽しめます。
たしかにセックスシーンは多いけど、白黒だからか湿度が低くてカラッとしてました。
白黒だと肌の色も分からず、ポリコレを意識したキャスティングではあると思うんですが、より人と人の話であることが強調される気がしますね。
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