わたしは最悪。のレビュー・感想・評価
全159件中、21~40件目を表示
何も選択しないという選択
「女性はこう生きねばならない」というくびきから解放されたものの、決断をすることの責任感は増した現代女性。
愛されること・結婚すること・子どもを産むこと。
自分に確固たる「核」がない故に、パートナーと暮らすことで「自分の人生を生きている感覚がしない」または「人生のわき役のような気分になる」という物足りなさを抱いているユリヤ。
自分に重なる部分もあり、直視できない痛みがあった。やりたいことがありすぎて、何も成し遂げていない焦燥感…。
主人公は傍から見れば、複数の男性から愛されて未来を望まれて、幸せになれる可能性に満ちている。誰ともパートナーシップを築けなかった人からみたならば、なんてもったいない、羨ましいと思われる立場であることは間違いない。
でも、愛を受け入れたら最後、自分は「パートナーの恋人」以上の肩書は持てないし、子どもを産んだら最後、子育て中心の人生になってしまう。承認欲求はあるが自己肯定感は低め。
だから「どんな選択肢も選びたくない」。ユリヤを通して、監督はそんな複雑な現代女性の揺らぎを鋭く突いていると思う。
生理がきたのか流産したのかわからないが、最後のシャワーシーンのユリヤのほっとしたような顔が印象的。
でも元恋人の死に際からも目を背ける姿は、まさに最悪だと思った。
率直に言ってめんどくさいひとです
奔放な女性の遍歴。
古い引例だが結婚しない女みたいな映画だった。
が、経年分表現は尖っていた。
女性もジルクレイバーグほど柔和じゃなかった。
その時、自分を輝かせてくれる男がすきになる女性。直感で別れたり、さらりときついことを言ったりする。いわゆる地雷系。
彼女自身その自覚があり、ひとしきり気分で生きると“ぶりもどし”(後悔)がやってくる。顧みて思うのが「わたしは最悪」──という話。邦題には句点がついていた。
本作は(ドライブマイカーが出品された年の)カンヌで絶賛され、結果的にとらなかったが有力候補とされた。審査委員長がスパイクリーでなかったらとっていたかもしれない。
Imdb7.8、RottenTomatoes96%と86%。
批評家も一般もすこぶるいい。
ヨアキムトリアーは挑戦的でタフなのをつくる作家だったのが、ノーラエフロンみたいなロマンチックコメディになっている意外性とRenate Reinsveの熱演が高評価へつながった。
個人的には筋にも特別なものは感じられず、ユリア(Renate Reinsve)のキャラクターもよくある奔放さで、会話もクリシェだったと思う。
“奔放”とは子供が古い玩具にあきて新しい玩具に行くのとおなじことで、そんな感覚的なことに理屈はない。奔放な女がいかに「男ができた」を糊塗するかが描かれる──わけである。
ジルクレイバーグやマーシャメイソンが演じた昔の“女性映画”は男に振り回される話だったが、今は女性が振り回す話になっている。
ユリアの“奔放”は特別なものではなくあるていど誰にでもある打算又は優柔不断が表徴されたものだったが、とはいえ面倒な女だなあと感じる度合いが映画からの感興を上回ってしまいそうなのは辛かった。わら
だがオスロの景色はよかったし居住空間や調度に北欧らしい瀟洒があった。日本とは違い街はどっちを向いてもきれいで草木の気配があった。
また感情表現には工夫があり一定のアート値もあった。
どこまでものびるファルセットをだすMorgan Jamesの曲でCall My NameというのがあってそのPVで自分以外動いていない街がでてくる。そこからもってきたようなハイライトシーンだと思った。
最悪でもない‼️
この作品のポイントは主人公の女性に共感できるかどうかにあると思います。なかなか自分のしたいことが見つからず、コロコロと進路を変え、仕事を変え、彼氏よりも他の男性が魅力的に見えてしまう・・・かと思えば新しい彼氏と喧嘩、昔の彼氏が病気になって心配し、一方で妊娠していることを彼氏に言えないでいる、年齢も30を超えてしまっている・・・ラスト、一人になってカメラマンの仕事に打ち込む彼女の瞳は、しっかりと前を向いているように見える・・・この映画のヒロインのような人は世の中にいっぱいいると思います‼️女性だけではなく、男性にも多いと思います‼️そんな不安定でどうしようもないヒロインの成長を、演じるレナーテ・レインスベが魅力的に好演してくれてます‼️ヨアキム・トリアー監督の演出も全体を13の章に分けたり、彼の元へ走るヒロインの周りで他の登場人物たちが静止していたり、音楽の使い方も秀逸で、新たな女性映画の秀作と言えるのではないでしょうか
本当に最悪。
ここまで自由に、自分の思いだけで生きて、大事な「もの」を捨てながら生きていける。
こんなに自分勝手ができることに共感を持った映画かもしれませんが、同じ人類としてああいう行為は悲しくなってくる。
だから、タイトルを忠実に表現できている映画とも言えますね。
そんな最悪でもないよ。
わりと頑張ってたと思うよ。
the worst person in the worldって英題がかっこよくって見にいったようなもん。
素晴らしい
ノルウェー、オスロの街に暮らす普通の女子の恋愛映なんですが、冒頭から素晴らしい。主人公ユリヤ役のレナーテ・レインスヴェが素晴らしい、シーンによっていろんな女子を演じてるんですが、いつもチャーミングです。ノルウェーの街並みや郊外や沿岸の景色も素晴らしいですね!
本当に最悪。
若いアイヴィンはともかく、歳がいっていて、そろそろ身を固めたかったアクセルにとっては、迷惑千万この上なかったんじゃあないでしょうか。
ユリヤ自身は、自分自身が迷っているんだからどうでもいいとしても…。
「アラサー女子の自分探しかなんか知らんけど、やるなら、よそに行ってやってくれ。」と言いたくなったのは、果たして評論子だけでしょうか。
怪作快作テルマからスリラー要素を抜いて成功。
無数に多様な自立自律した生き方から一つの具体を撮って普遍を語れた。
生に伴う痛みへの共感。
恋と仕事で人と関わる事は必要でいて苦痛という当たり前。
怪作快作のテルマからスリラー要素を抜いて成功した監督、次作に期待。
劇場で見ねばだった。支持。
異性の主人公を描くと…
意識高い系現代女子による12(+2)の恋愛&自分探しのセカイ
好んで観るジャンルでは無いが、ここ最近の恋愛映画の中ではとても面白かった!
残念…と言う程では無いが、男性監督による作品なので、主人公がホンネで語り合う相手が全て男性なので、男目線での
"こういう女居るよね感"
を若干感じてしまった。
ハリウッド映画なら、母や友人等同性同士で語り合う女子会的なシーンを入れて主人公にさらなる深味を与えるのではないかなーと。
北欧という土地柄も有るのかもしれないですが、まあ"同性の友人が居なさそうな性格の主人公"だったから良いんですけど…
赤裸々な女性の姿、ユリヤ
男性の前でも、舞台上でも
人生は選択の連続!
毎日、頭を悩ませるものと思いました。
不意にしたことが吉と出るか、出ないか
後々になって分かることもあると共感できました。子供を授かったこともユリヤにとって繁栄となるように気持ちに寄り添いたいと思いました。
第一章と綴られた構成も観終わったあと
1冊の小説を読み終えた印象を受けました。
音楽と映像も美しかったです。
生きるなんて分からないことだらけ
みんな自分なんて分からず生きている。
正解を求めているのか、いないのか。
もしかしたら、そんな不確かさをこそ求めているのか。
その割には「死にたい」なんてしょっちゅう考えるんだ。
10年後とかには大惨事が自分たちを待ってるかもしれないっていうのに、
今日なんかを精一杯生きている。
わたし最悪。なるほど。共感する
個人評価:4.0
ゴーイングマイウェー。それは少なからず周りを不幸にして今の自分がある。30代や40代で、今の自分を振り返り、誰にも見せない自叙伝を綴ると、いかに自分を保ち先に進む為に、周りを不幸にしていたかと気付かされる。
元カレの台詞で、過去の思い出に想いを馳せるか、未来だけを見るか。どちらも今ここに生きていないと禅の教えを感じさせる。
本作の主人公は、ある特殊なキャラクターを描いているのではなく、誰しも歩んできた人生論を描いていると感じた。
わたしは最悪。なるほど。共感する
私が最悪
昨年のアカデミー賞で『ドライブ・マイ・カー』と国際長編映画賞を競ったノルウェー映画。
主演のレナーテ・レインスヴェがカンヌ国際映画祭で女優賞を受賞、その他多くの映画賞や映画祭で絶賛。共感も必至と評判も上々で期待していたのだけれど…、
う~ん…、自分には合わなかったかな。
描かれている事は普遍的。全世界や個人個人にも通じる。
30歳を迎えたヒロイン。人生の目的が定められずにいる。
自分の人生はこれだ!…とスパッと決められる人なんてそうそう居ない筈。仕事を転々としたり、思い悩んだり、一応今の仕事や人生を歩んでいるけど、これじゃないと感じたり…。
誰にだってある。私もそうでした。それに、時折今も思っている。
ならばこのヒロインには共感必至…とはならず。何処にでもいる平凡なヒロインに見えて、なかなかクセあって、その考えや身の振り方に共感出来るか否か。
実は割りと才能に溢れているヒロイン。並大抵の事はそれなりに出来る。
故にあれもしたい、これもしたい…。当初は医学の道に進もうとするも、心理学に興味持ったり、かと思えば写真家になりたいと大学を辞めて本屋で働く。
かなりのあっちにふらふら、こっちにふらふら。
人生設計もそうなのだから、恋愛に関しても。
年上のコミック作家と付き合う。描いている作品は時々物議を呼ぶ風刺的なコメディが多いが、性格は穏やかで優しい。おそらく、仕事も含め一緒になったら安泰。実際、彼は結婚を意識している。
だけど…。今一歩、踏ん切りや決心がつかない。
そんな時とあるパーティーで、年下の魅力的な青年と出会う。
お互い急速に惹かれ合う。
年上の安定した男性か、年下の魅力的な青年か。
彼女が選んだのは…、後者。
人の色恋に良い悪いは無いし、本人が選んだ事だけど、この時ばかりはしっかりとした理性より、女性としての本能や欲が出た気がする。
絡みは激しい。こっちも求めたり、あっちも求めたり。
それで幸せを見出だしたのならいいんだけど、喧嘩もするし、何処か元カレとは違うズルズルとした関係な感じだし、いつもながらの考え。
これでいいの…?
このヒロインの言動で、本作に共感出来るか否かのポイント。
揺れに揺れ動く心情は誰の身にも置き換えられつつ、つまりそれは優柔不断。見てて結構イライラもする。
恋に仕事に人生に、迷いに迷っているが、実は結構自己チューな気もしない訳も…。
“わたしは最悪”なんて自虐的なタイトルだが、行き当たりばったりのゴーイング・マイウェイ。
そもそもこのヒロイン像に共感を求めていないかもしれない。
共感というより、突き刺さるか、否か。
突き刺さる人には突き刺さるだろう。特に女性で、同年代、似たような経験があれば。
普遍的な人生右往左往物語として作り、誰にも思い当たる設定や要素を込めているも、なかなかどうして突き刺さらない。響かない。あくまで個人的見解として。
性別や国、これまで歩んできた人生などから来るのもあるかもしれないし、単にヒロイン像や話の展開が好みじゃなかったのかもしれない。
作品的には優れていると思う。
巧みな章仕立て。
描写はリアル。
レナーテ・レインスヴェは魅力的。好演。
“陽”なロマコメの雰囲気から、“陰”をも感じさせる切なさ、悲しさ。
ヒロインの喜怒哀楽、苦悩、成長、進む道…。
秀作ドラマ。
人は時に悲観的になる。“最悪”と思う事もしばしば。
しかしそこから、自分の“最高”を見つけ出す。
あまり好みの作品じゃなかったかもしれないが、作品自体は最悪じゃない。
まだまだ人生経験が乏しい私が最悪。
ある意味、自分の無能っぷりを思い知らされる衝撃作だったのかも…??
自分の中にある妄想と重なる
館内は女性だらけかと思いきや
男性ばかりに挟まれての鑑賞で意外でした
自分ならつっかえたまま何もしないままモヤモヤしてしまうけど主人公は気持ちに正直、悩みながらも変化していくところが気持ちいい
こんな人生も送ってみたいと思った
北欧版『大豆田とわ子』と書いていたレビューには共感できない
『大豆田〜』と似ているのは台詞とモノローグの形式のみであって、中身全然違うと思うんですが…
ユリヤとほぼ同世代独身女性ですが、全然共感できなかったので。
子孫を残すことに私自身が全く興味がないからかもしれない…ドラッグの幻想によってその強迫観念を示したり、彼女の奔放な男性遍歴を見させられたりしても、説得力に欠けているので、殆どが「このシーン要る…?」と感じてしまった。
ただ、人生の脇役のままである・傍観者のままである、という焦燥感だけは理解できた。
18世紀の女性は35歳が平均寿命で、愛のない結婚をしてたくさん子供を産んでいた女性も多かったと聞くと、30歳にさしかかっても人生が迷子であること、子を持たないことへの彼女のこだわりやリミット感みたいなのはあるのかもと思った。
皮肉なのは、最後の彼氏、サーミ人の血が入ってた彼女とヨリ戻して、結局子どもが産まれていたことかな。子を持つことこそ「持続可能な生き方」から盛大に矛盾してると思うのですが。
まあ、人の考えは変わるし、生きるとは変わることと思うと、そんなもんかなと思った。ユリヤこそ変わりまくって生きているわけだし。
被害妄想
静かに見れる作品。
そこそこのスペックはあるが、物事の楽しみがよくわからない若い女性が主人公。
平和だからこそ目標が無い、現代にありがちな人間姿を描いている。
それはある意味当人にとっては最悪なのである。
良い点
・アートか否か
悪い点
とくになし
その他点
・無駄に目標を持ったりするのはいかに?
全159件中、21~40件目を表示