コンパートメント No.6のレビュー・感想・評価
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ハイスタ・ヴィッ〇ウ‼
恋人とともにロシア北部にあるペトログリフ(岩面彫刻)を観に行く約束をしていたがドタキャンされ・・・寝台列車で同室となった粗野な男との道中を描いた作品。
まず、恋人にドタキャンされ一人旅になるのは分かるけど、何故見知らぬ他人と同室になるの・・・?ロシア寝台列車のシステムがよくわからなかったけど、部屋を予約という形ではなく、列車の等級(?)だけ事前に選んで、あとはその車内で空いている部屋に勝手に入る、という形式なのかな?
これって結構危険な気がしますけどね…ワタクシだったら、例えメチャクチャ良い人だったとしても見知らぬ人と同室とか絶対ムリですわ…。
早速話が脱線しましたが、やっかいな男性と一緒になってしまい幸先の不安なラウラの旅が始まっていく。。。
本作は、フィンランド出身監督の長編2作目だそうですね。1作目のオリマキもそうでしたが、これといった急展開等々なくとも、不思議と画面に引き込むような描き方が素敵です。
リョーハは一体何者なのか…!?不器用で孤独な青年というのは間違いないんだろうけど。その発言からも、あまり他人を信用できず…だからこそ、孤独な老婆や事有り気なラウラには親近感を覚え、不器用な優しさを見せるのだろうか。
ラウラもラウラで、中盤以降はともかく序盤から割と風変わりなリョーハの相手はしてあげているし…やはり海外の人は比較的人見知りとかないのかな?それゆえに辛い問題も起こったりしましたが。。
登場人物達、特にリョーハの背景を詳しく知りたかったし、何事ももっと直接的に投げかけて欲しいと思う場面は数あれど、それぞれの心情を推し量りながら観るのが正解の作品でしょうか。岩面彫刻とかも結局どうだったんだろう。。
それでも、ラストの展開は超秀逸。こう持って行きますかぁ~。ここだけでも☆+0.5ですね。
両者とも燻る暮らしの中で、不器用なりに人を想う優しさに溢れた良作だった。
寝台列車って良いですよねぇ~。子供の頃一度北斗星に乗ったのが最初で最後ですが、良き思い出です。北斗星なき今、寝台列車って出雲サンライズくらいだとか(?)いつか是非乗りたいですね。
そしてどうでも良いが、劇中、フィンランド語で「バイバイ」は「ヘイヘイ」と言うと字幕には書いてましたが…どう聞いても「バ○」にしか聞こえなかったのですが…。
一癖二癖ある、恋愛映画
ペトログリフ
【車窓を眺めながら走る寝台列車にスマホは似合わない!】
とにかく寒すぎて…
80年代から90年代の『地球の歩き方』ロシア編があれば見てみたい。
ムルマンスクとペトログリフ(顔面彫刻😆とわざと間違えて自分ツッコミしたくなりますが、正しくは岩面彫刻です)、載ってるかな?
行った❗️見た❗️投稿した❗️
という方、いらっしゃいませんか?
あの頃、写真家藤原新也さんの『インド放浪』という本が一部の若者を突き動かして、文字通りインド放浪旅を敢行した友達がいました。インダス川に浮かぶ死体を日常の風景として普通に見てきた、とか言ってたような…⁈
現地情報について何も知らないので、この頃と比べてロシアの寝台列車の衛生環境がどれだけ向上したのかもまったく無知ですが、今の日本の暮らしに慣れてしまった私などには絶対無理です、こんな旅は❗️
使い捨てカイロだって、あのような環境の場所で捨てるのは憚られるし、雪はいくらでもあるけれど、飲み水や温水シャワーも期待できないし…すっかり軟弱に堕してます😫
ラストでホッコリしても、こんなひとり旅をしてみたい、なんて思う人は果たしているのだろうか。
この映画は、良い作品であるとか心に響く、などと感じる前に、あまりに寒そうで凍えてしまう体感的な印象のほうが強烈なので、〝寒さに震えた〟という感想しか残ってないというのが正直なところです🥶
「そこ」から追放された人間のしあわせとは。
2021年。ユホ・クオスマネン監督。フィンランドからモスクワに留学している女子学生は大学教授の同性パートナーと暮らしている。一緒に最北端の考古学的な岩絵を見に行くはずだったが、教授の都合が悪くなり、一人で行くことに。ところが、寝台列車の同室になったのは粗野でマナーのかけらもないロシア人の若い男。酒を飲んで絡んでくることに辟易していたが、どうやら自身は教授に体よく追い払われたことに気づき始めると、男の優しさと向き合うようになって、、、という話。
同性志向から異性志向へと性志向を変えていく家父長的な物語と受け取られかねない危険を冒してまで描いているのは、教授とその仲間たちがつくっている高尚で鼻につく知的共同体への憧れ。冒頭の主人公と教授のベッドでの振る舞いを見れば、そもそも主人公が同性志向だったのかどうかさえ怪しいが、知的共同体への憧れは見まがいようがない。「そこ」から見放されたと気づいたときにはじめて、主人公はロシア人の男と本当に向き合うからだ。途中で同行することになるフィンランドの旅人が英語をしゃべってギターを奏でる文化的な男であり、その男に騙されることもまた、男二人と女一人の三角関係的図式(これまた家父長的な女の交換図式)を描きつつ、その本質は文化的なものからの追放だ。「そこ」から追放された若い主人公の絶望と希望の話。
旅行前の室内からカットすると列車の客室内シーンとなり、すでにロシア人の男は座っていて出会いのシーンがないとか、列車が一晩止まる時に男が知り合いの家に誘ってそこで一晩過ごすのだが、結局その高齢女性の素性は明かされなかったりとか、手順を追って丁寧に話を作り上げていくわけではない。そもそも男の素性が謎だったり、いつ主人公に思いを寄せ始めたのか、それはなぜなのかもわからない。(中盤まではてっきり自殺願望がある男だと思っていたのだが)。なんとも不親切だというほかないが、それでも伝わるものがある。それがすごい。
寝台列車の旅 in ロシア
不思議で不自然なものを楽しめるか否か
列車で長旅ができる幸せ
大きな大きなリュックを担いでヨーロッパをぐるぐると長旅する若い人達を昔よく見た。でかいリュックー!と感動した私はおじさんが持つような手持ちの旅行鞄(父親に貰った)でぐるぐる旅をしていた。今でも大きなリュックで旅する若い人はまだたくさん居るんだろうか?
列車のコンパートメントでは色んな人と知り合える。おしゃべりが弾むこともあれば何も話さないこともある。この映画のようにむかついて嫌で面白くて笑っちゃうような出会いはなかったけれど、昔の貧乏旅行を思い出した。
食堂車に二人揃って行くとき、二人ともちゃんとした服を着て彼女はメイクしていた。そういうところに素敵さを感じる。何を頼んでも「ありません」や車掌の愛想の無さにすごく笑えた。でも本当は一人一人心暖かく親切。東ドイツ(DDR)もそうだった。
音楽の使い方がとても良かった。お涙頂戴でも子どもっぽくもなく、自分探しだとかもなかった。フィンランドは人口が550万人位なのになんでこんなに素敵な映画を作ることができるんだろう?デンマークもスウェーデンも英国もフランスもイタリアもドイツもスペインもギリシャも韓国も日本より人口少ない。若い人を育て支援して才能を潰さす伸ばすことができる所なんだろう、日本と異なって。
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