コンパートメント No.6のレビュー・感想・評価
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不思議で不自然なものを楽しめるか否か
日常(といっても時代は少し古いのかも─)の中にある特異で特別な出来事を写し取ったような印象の作品でした。なので、多少リアルな雰囲気を感じるけれども、なんか違和感を感じてしまいます。
少しでも何か共感できたり共有できるものがあれば、ぐっと引き寄せられるのでしょうけれど、自分の場合はそれが無かったので、終始ぎこちなさを覚えてしまうものでした。まぁ本当のリアルというのも結構ぎこちないものだとは思うんですがね。
正直、そんなに劇的なことが起こるわけでもない割には、最後まで飽きずに見ることができたかなという印象です。冒頭のノリで、終いまで行けるのかなと期待したのですけどねー。
列車で長旅ができる幸せ
大きな大きなリュックを担いでヨーロッパをぐるぐると長旅する若い人達を昔よく見た。でかいリュックー!と感動した私はおじさんが持つような手持ちの旅行鞄(父親に貰った)でぐるぐる旅をしていた。今でも大きなリュックで旅する若い人はまだたくさん居るんだろうか?
列車のコンパートメントでは色んな人と知り合える。おしゃべりが弾むこともあれば何も話さないこともある。この映画のようにむかついて嫌で面白くて笑っちゃうような出会いはなかったけれど、昔の貧乏旅行を思い出した。
食堂車に二人揃って行くとき、二人ともちゃんとした服を着て彼女はメイクしていた。そういうところに素敵さを感じる。何を頼んでも「ありません」や車掌の愛想の無さにすごく笑えた。でも本当は一人一人心暖かく親切。東ドイツ(DDR)もそうだった。
音楽の使い方がとても良かった。お涙頂戴でも子どもっぽくもなく、自分探しだとかもなかった。フィンランドは人口が550万人位なのになんでこんなに素敵な映画を作ることができるんだろう?デンマークもスウェーデンも英国もフランスもイタリアもドイツもスペインもギリシャも韓国も日本より人口少ない。若い人を育て支援して才能を潰さす伸ばすことができる所なんだろう、日本と異なって。
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