劇場公開日 2023年2月10日

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コンパートメント No.6のレビュー・感想・評価

全78件中、21~40件目を表示

4.0不凍港ムルマンスクは露軍最重要軍事拠点

2023年11月19日
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フィンランド人監督ユホ・クオスマネンのインタビュー記事を読むと、本作は単純なレイルロード・ラブコメではなさそうなのである。おそらく、ロシアがウクライナに侵攻し、対露感情が一気に悪化する以前のフィンランドを寓話的に描いた作品なのだろう。第二次大戦時はナチスドイツに味方したフィンランドにとってロシアは因縁の相手国。「また奴らが攻めてくる」そんなフィンランドが過去の歴史において背負うことになったトラウマが、ここもと国内で勢いを増してきたことに対し、監督クオスマネンは大変な危惧を抱いているという。

ムルマンスク行きの列車に乗ったフィンランドからの留学生ラウラは、そこでロシア人肉体労働者リョーハと同室に。恋人のイリーナが2人で行くはずだった旅行をキャンセルしてしまったのだ。無礼千万なリョーハの振る舞が嫌で嫌でたまらなかったラウラだが、ふとしたきっかけでリョーハの優しさに触れ次第に考えを改めていくラウラだった.....「人間同士の触れ合いは、いつも部分的にすぎない」このマリリン・モンローの言葉は、イリーナとの肉体関係の暗喩とも、リョーハ=ロシアとラウラ=フィンランドの関係を暗示しているともいえなくない。

狭いコンパートメントを仕切るミニテーブルは、ロシアとフィンランドが過去何度も一戦を交えてきた国境のメタファーなのだろうか。知らない間にロシア人家族が客室に居座っているとラウラの機嫌が悪くなり、手癖の悪いフィンランド人ギタリストをラウラが客室に連れてくるとリョーハがへそを曲げてふて寝をする。2人の目的地が“ムルマンスク”という点がまた意味深なのである。えっ?ペトログリフを見たかっただけじゃないの?北部地方唯一の不凍港であるムルマンスクは、かつてはソ連軍とフィンランド軍の激戦地でもあり、現在はロシア軍の最重要軍事拠点でもあるのだ。かつて大韓航空機が撃墜された場所もここムルマンスクの地なのである。

イリーナが旅行をキャンセル、ホテルの従業員やタクシードライバーが案内を拒んだ真の理由は、軍事秘密漏洩を防ぐための当局の指示だったと思われる。ムルマンスクで起きた政治家暗殺事件などもリョーハが読み上げる新聞記事として、監督クオスマネンは映画に反映させたらしいのである。古代人が海岸の岩肌に描いたとされるペトログリフを見たがっている理由を聞かれたラウラがこう答えるのである。「過去を知れば現在を理解できるから」と。つまり、ソ連(ロシア)とフィンランドの過去の経緯を知らないと、本作に隠された政治意図も、フィンランドがNATOに加盟したがった理由も理解できませんよ、と言っているのだ。

しかし監督はこうも考えるのである。国籍やジェンダー、職業、体型?など社会的背景の全てが正反対のリョーハとラウラがまるで兄妹のようにお互いを思いやったように、敵対しているロシア人とフィンランド人であってもお互いを理解し合えるのではないか、と。「人はみんな孤独さ」とか「全てが遠く感じるわ」とか人は諦め顔で嘆くけれど、いつしかラウラの中で“ハイスタ・ヴィットゥ(くたばれ)”という言葉の意味が“I love you”に変容したように、両国関係が将来的に改善することを祈りながら。

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かなり悪いオヤジ

4.0ラストシーンの笑顔が良かった 70点

2023年11月10日
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鑑賞方法:DVD/BD

基準点 20点満点

1.派手な絵だったか? 18点
(俳優の顔、絵)
2.ドラマ性はあるか?12点
(主人公の成長、過去、悲しみなど)
3.アトラクションの連続だったか?6点
(見ててドキドキしたか?)
4.芸術性はあったか?14点
(ドラマとは違う)
5.その他 20点
(期待度は?)

寝台列車での話なので絵はずっと地味ですが、主人公と男性が絵を観に行くシーンはとても寒そうでガチでその現場に行っているので顔が真っ赤になっていて、俳優は体張るなぁと思った。

ドラマ性はあります。最初の冒頭で彼女と主人公は一緒に旅行するつもりが彼女が仕事の都合で行けず、そこから物語が進む。もう少し主人公の生い立ち、男性のあの態度、いろいろ深く知りたいなぁと思った。

場面はやっと後半になり列車から街中、絵を見に行くシーンになりますがずっとあの雰囲気。いやあれがまたいいのか。ドラマと違うのはちゃんとその場で行って撮影していること。これは1番デカい。編集やCGでもやれるがやはり現場に行くことがより面白い映画になるかもしれない。

期待は予想通り。ヒューマンドラマでした。この年代の背景を知ればより映画が楽しめると思う。1990年代の話で、当時はタイタニック🚢、売春、ビデオカメラが流行っていたそうです。なので主人公と男性の会話で出る理由です。

ラストシーンの男性から手紙を貰い、手紙をみた主人公の笑顔が忘れられない。とても良かった。

人生って上手くいかないし思い通りにならないけど、良い人間関係がいれば良いよねっていうメッセージなのかな?

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あっぷる

3.0国境線

2023年7月6日
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悲しい

幸せ

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いぱねま

3.0迷作だった。。

2023年6月30日
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不思議な映画だった。

ハマる人とそうでない人に別れそう。

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JYARI

4.5寝台列車

2023年6月30日
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まこやん

4.0変わりゆく景色。

2023年6月1日
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電車の旅とは知ってたけれど90年代の話かっ、と気づくは後でこの一期一会のやり取りはじわじわ来て思いがけない経験となっている。その時に心に写し取った空気や言葉(ラストな)は面白く外は寒くもあたたかかった。

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chargedpillow

3.0ロシア🇷🇺に、向かう列車は、暗い

2023年5月6日
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ハラハラも、ドキドキも、湧いてこない。
暗く、重い、映画です

何も、事件も、起きなければと、思いながら、
見続ける

コンパートメント(閉ざされた空間のようだ)
無条件で、押し込められた感が半端ない

列車は、真冬のロシア🇷🇺の最北の街を目指す
それだけで、つらくなる

ハートフルな、話なんだけど
やっぱし、ホッコリはしなかった。

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SkyLock

3.5素敵なロードムービー

2023年5月1日
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北欧の白夜のようなカラーの映画なので、途中、何度が睡魔に襲われる。心がほんわかするエンディング

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hanataro2

5.0懐かしい風景そして時代!

2023年4月14日
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幸せ

ロシアの長距離列車の旅、幾度もしました。ムルマンスクまでは行ったことはありませんが、雰囲気も匂いも、ロシアの普通の人たちの温かさもそのまま伝わる映画でした。

予告見なくても、90年代初頭だってわかる仕掛けがあちこちに。

多分、今も変わらず運行され、飾らない素朴な人たちが暮らしているはずです。またロシアに行きたくなりました。この路線もいつか乗ってみたいです。

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ねこもふもふ

4.0だんだん楽しくなってくる

2023年4月5日
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初対面が最悪のリョーハ。粗野で無教養で酔っぱらい。こんなのと狭い客室で顔付き合わせた旅なんて!
それが、根は正直で悪気がないと分かってくる。と、顔がちゃんと映るんです。えっ、意外にハンサム?

あー、これ、カラシニコフの主役だった俳優さん。あちらはナイーブで真面目な役だったのに。

彼の背景は匂わせるだけで語られない。立ち寄るお婆さんはどういう関係なのか?彼が「友達ごっこ」とキレるのはなぜなのか。

でも、そんなことはどうでもいい。生まれた友情に、初めはずっとしかめ面だったラウラがいい笑顔でラスト。

それにしても、カセットのウォークマン、やや大きいビデオカメラ、携帯のない時代、ボロい建物、ガタガタしたドア等、いつの時代?80年代かな?と思ってたら、ラスト近くで「タイタニック見た?」って、90年代後半なの?と驚いた。

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ユウコ

3.5愛の告白がクソッタレ

2023年4月4日
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bloodtrail

2.0結局、寝てしまった

2023年3月31日
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Route193

3.5吹雪のち晴れ。

2023年3月27日
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幸せ

若い頃にバックパッカーだった私としては懐かしい感じ。真冬のロシアは経験ないですが、旧東ヨーロッパを旅したことを思い出しました。映画と同じように、狭いコンパートメントで色々な人たちと出会い、別れる。言葉も通じないのに食べ物やお酒をくれたり、住所を交換したり。今はすっかり便利な世の中になってしまいましたが、あんな不便な旅をまたしてみたいなぁ。そしてロシアにも。早く戦争が終わりますように!

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ハチ

2.0う〜ん、って感じです

2023年3月26日
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カンヌ国際映画祭でグランプリ受賞とのことでしたが、よくわかりませんでした。日経電子版の映画評で五つ星だったので、期待してましたが、見事に逆になりました。

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こうたんまる

3.0期待していたほどの内容ではなかった・・

2023年3月21日
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主人公の女子学生が寝台列車の同室となったロシア人青年への印象が徐々に変わっていく。粗野で最悪な態度の青年と、過ごす時間が長くなる中でだんだん距離が近くなる。
最後は女性の旅の目的がぼやけて青年との交流が旅の成果となる。
自分としては、男性の行動と女性の心の移り変わりはそれほどわかりやすくはなかった。
期待値が高かったためか全体的に冗長と感じた。女性が旅の目的としていたペトログリフも、見落としかもしれないが画面に映っていたのかどうかわからなかった。
異国の寝台車の車内や風景は見応えがあった。

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やしの実

4.0携帯電話はなく、テープによるビデオカメラ、ウォークマンなどが利用さ...

2023年3月21日
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りゃんひさ

3.0北へと向かう列車に乗り海岸の岩に掘られた昔の絵を見に行く女性。乗り合わせた男との道行を描いたロードムービーです。

2023年3月20日
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もりのいぶき

4.5恋人のドタキャンのせい一人でペトログリフ(岩面彫刻)を見に旅に出るロードムービーだが、汚れと暖房で曇った車窓から見える低層の灯りのように、作品全体がほんのりと懐かしい。

2023年3月20日
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jollyjoker

3.5いちばん映画らしい映画ですかね

2023年3月19日
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まったく同じようなコンパートメントの列車に乗ってロシア語に囲まれてウズベキスタンを旅したことがあるので没入感が半端なかった。時代はひと昔前の話ですね。
最近では見知らぬ男女がいっしょのコンパートメントに、なんてあるのかな。ともかく旧時代は映画的出会いに溢れてる。それだけでなく、タバコ、ビデオカメラ、カセットテープ、公衆電話、人をくっつけて離すガジェットが激減した現代のつまらなさ、、というか過去への郷愁に溢れている。
映画館が同時進行の旅行体験みたくなるのもやっぱりいい。遠のく町の灯りの侘しさみたいなものがぐっとくる。ただ出会って別れる、だいたい2時間の映画でいちばんいい設定ですね。

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ONI

5.0くたばれ!

Mさん
2023年3月19日
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というのは、フィンランド語で「ハイスタ・ヴィットゥ」(Haista vittu)と言うそうです。

そういえば、寝台列車ってあんな感じでしたね。

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M