「「人間性の現出」」コンパートメント No.6 かなさんの映画レビュー(感想・評価)
「人間性の現出」
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フィンランド人留学生のラウラが信頼し愛している女性にあっさりと裏切られる。1人で寝台列車の6号コンパートメントに乗り込む。そこでロシア人労働者リョーハと同室になる。彼は下品で粗雑な第1印象であり、ラウラは一瞬で彼を嫌いになる。
しかし旅を続けていくうちに、優しい男に騙され大切な物を盗まれとき彼は優しい言葉をかける。ラウラは、素朴で心優しい彼に魅かれていき彼を抱きしめる。
リョーハは、ラウラを抱きしめたがやがて手を放していく。それは男の優しさであり現実だったからだ。そしてリョーハは消える。
長旅を終えムルマンスクに着いた。目的のペトログリフを見に行こうとしたところ誰もが雪で行けないという。そこでラウラはリョーハを頼る。リョーハはすぐにラウラのもとに駆けつける。
なんとかペトグリフを見て、ラウラとリョーハの愛が解き放たれる。光と影が風景に溶け込み二人の思いの強さをカメラに刻み付ける。
リョーハと別れ、車に残ったラウラにリョーハからのメモ書きが。そこに書かれたのを見てまぶしい陽光のなかラウラの微笑みが印象深く胸に残る。ステキな恋をしたという表情だ。100分ほどの時間で、ほぼ動きがない、いわゆる小粒な映画なのにこんなにも感動を与えてくれる。映画はまさにマジックだ。
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