「どんでん返し」コンパートメント No.6 映画イノッチさんの映画レビュー(感想・評価)
どんでん返し
むか〜し、むかしに乗った寝台列車が記憶の彼方から蘇ってきた
あの頃は貧乏だったのに幸せだったなぁ……
ロシアにもあの日本の寝台列車に似た列車があると知り親しみを感じた
ただ、酔っぱらいのリョーハが絡むあたりまでは、チョイスを間違えたと思ってたが、映画が進むに連れ、じわりじわりと曇りだった空が晴れてくるのを感じた
ラストシーン
「ハイスタ・ヴィットゥ」が、実は愛してるではなく(くたばれ)だと知った時の、なんとも爽やかな微笑みが主人公のラウラの笑顔よりも早く自分の中で生まれていた
ロシア人って可愛い!!
プラットフォームで雪と戯れてすねる?彼もキュンです
ソックリの似顔絵をもらった時の心情が青い目を通して表れたシーンもキュンです
ラウラのために夢を叶えようと奔走する姿もキュンです
ムルマンスクに向かう車の後部座席でお互いが寄り添って寝てるシーンもキュンです
最果ての地で猛吹雪の中、大人の男女が子供のように遊ぶシーンもキュンです
見ず知らずのラウラ達にお酒をくれたロシア人は、日本の田舎にいる親切な村人達とオーバーラップしてGood
メディア等によって作られ刷り込まれたイメージとはかけ離れたロシア人がそこにいた
きっとウクライナ侵攻でロシアだけが悪者にされているのも刷り込みなのだろう
エンドロールが流れ始めた時には、日本晴れならぬロシア晴れ?のスッキリした雲一つない青空が心に広がっていた
人生における出会いの「妙」が、自分の中で暖かく熟成していくのを感じた
後で、カンヌ国際映画祭でグランプリを取ったと知って、ビックリ&納得
そして監督のこの映画に込めた想いを知れば知るほど、感慨深くなっていく
あぁ、いい映画に出合えてよかった
これも「妙」