「北へと向かう列車に乗り海岸の岩に掘られた昔の絵を見に行く女性。乗り合わせた男との道行を描いたロードムービーです。」コンパートメント No.6 もりのいぶきさんの映画レビュー(感想・評価)
北へと向かう列車に乗り海岸の岩に掘られた昔の絵を見に行く女性。乗り合わせた男との道行を描いたロードムービーです。
列車の旅・北国・出会い。…うん。
何かが起こりそうな予感。そんな雰囲気を
感じたような気がしたので鑑賞することに。
ですが…
正直なところ、
良く分からない内に終わってしまった感じです(…泣)。
最後まで理解できなかったのが
「行動の動機付け」 …う~ん
一緒に旅するハズだった恋人(?)に振られた女性。
自分一人でも行く と乗った寝台列車の部屋には
危なそうな雰囲気の漂う若い男。
タバコぷかぷか。酒をぐびぐび。
つまみが口からポロポロと落ちようがお構いなし。
(これと同室?)
速攻で車掌室に向かう主人公。「他の個室にして!」
しかし、他は全て埋まっていると言われ
仕方なく部屋に戻る。
男はロシア人らしい。エストニア人を嘲り
ロシアに無いものはない …と豪語するこの男
この列車の行き先の港で働いているようだ。
女性がフィンランド人と知り、話しかけてくる。
挨拶の言葉を聞かれたり、
「これを何という?」と尋ねてきたり。
何をしに行くのかを問われ、女性が答える。
「ペトログリフを見に行く」 と。
列車の行き先は「ムルマンスク」。
そこの海岸の岩に先史時代の「絵」が掘られていることで
有名らしい。ペトログリフとは、その画のことだ。
ただ、そこはロシアの中でも北に位置する極寒の地。
思い立ったら見に行ける そんな場所ではなさそうだ。
列車内や停車する駅の構内での場面が続く。
切符の無い旅の男を個室に入れてあげたところ
途中の駅でその男は立ち去っていくのだが
その男にビデオカメラを盗まれてしまっていた(らしい)
モスクワでの想い出が記録された大事なカメラを
盗まれて落ち込んでしまう彼女なのだが
ロシア人はそんな彼女を殊更に慰めるでもない…(んー)
いよいよムルマンスクに到着。
さあペトログリフへ …の流れかと思えば
「この季節(冬?)は通行止めだ」 …えっ?
行く手段が無いと言う …えっ?
となっているところに再びロシア男登場。
「車を手配した。一緒に行くぞ」 …えっ?
「連中は仕事をしない奴らだ」 …(そういう問題なのか?)
というわけで、 行けることになり …えぇぇ
目指すはブリザード吹き荒ぶ凍てつく海岸。
さあ、そこで見たものは…
とまあ、こんな感じなのですが、
何といいますか。達成感とか満足感とか。
そういったものが余り感じられない作品
との印象のまま終わりました。 ふぇぇ
ドラマと捉えるのではなく、
列車を舞台にしたロードムービーだった
…そう考えればいいのでしょうか。 はて
ロシア北端の海は寒そうでした。
◇あれこれ
作品の背景等も良く分からないまま鑑賞し
すっきりしないまま終わってしまったのが悔しくて
この作品のコトを少しだけ調べてみました。
■ペテログリフとは?
岩石や洞窟内部に掘られた文字や絵の彫刻こと。
ロシアに限らず、アメリカのユタ州やハワイなど
世界の各地にあるみたいです。海岸限定ではなさそう。
日本にもあるらしいです。
■ムルマンスクって?
フィンランドの北部と国境を接するロシアの州。
アイスランドよりも高い緯度にあります。寒いハズ。
港町です。接する海は北極海…ではなかった。
北極海はさらに一段北です。 凍えます。ぶるぶる。
■モスクワからムルマンスク
鉄道で1日半がかり。1,488㎞あるとのこと。
日本国内の場合、青森市から山口市まで
車での走行距離(日本海ルート)が 1,476㎞。
本州の端から端までの距離。
うーん。遠いです…。
座りっぱなしだと尻が痛くなりそう…。
◇最後に(…というか 願い)
2021年の制作で2023年の公開の作品。
制作が4か国の合作。
フィンランド・ロシア・エストニア・ドイツ。
…うーん。
政治と芸術は分けて考えれば良いのでしょうけど…。
「T34」を心から楽しめる時代に戻りますように。
☆映画の感想は人さまざまかとは思いますが、このように感じた映画ファンもいるということで。
こんにちは
確かにちょっと危険な雰囲気しましたね😅
というか、中盤まではそんな感じしかせずでしたね。
私はラストにはほんのりした温かさを感じる作品になっていました。
今晩は。
「T34」は、面白かったですよね。私なんか、完全版まで観てしまい、パンフも全部買ってしまい、主人公のイブシュキンの名が今でも直ぐに出てきます。
私は、映画は事前に余り情報を入れずに観ますが(フライヤーは流石に読みます。)これはアーティスティックかな?と思った作品は脳内を変換し観賞します。
で、今作も面白かったです。一見メンドイロシア人お兄さんが、意外にとても良い奴だと分かった時点で、私にとっては今作は当たりでした。
映画って、色んな観方が出来る所が面白いですよね。では。