「凍てつく世界を舞台に、よくある話の体裁を借りながら、分断を融和に変えたいと願う北の国の映画人の想いを感じる。それと、映画は世界共通の言葉で有ることをそれとなく挿入していることも…」コンパートメント No.6 もーさんさんの映画レビュー(感想・評価)
凍てつく世界を舞台に、よくある話の体裁を借りながら、分断を融和に変えたいと願う北の国の映画人の想いを感じる。それと、映画は世界共通の言葉で有ることをそれとなく挿入していることも…
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①粗筋は古典的とも云える一つ部屋に乗り合わせた二人が初めは反目しながら最後は心が通い会う(好きになる)というお話ながら、その二人が片方がフィンランド人、片方がロシア人というのがミソ。
②映画のなかで少なくとも二回、「歴史(過去)を知ることは現在を理解することになる」という台詞が繰り返される。
隣国であるこの両国の長い歴史を知らなくては本当にこの映画を理解出来ないのかも知れない。
しかし、現在のヨーロッパに限らず世界を覆っている分断の動きをを融和の流れに、新たな冷戦の雪融けを願う映画人の想いが込められたこの映画が、(決して抜きん出た傑作とは思わない)カンヌ国際映画祭のグランプリに選ばれた一つの理由ではないかと思う。
③見たかった岩絵の場所にたどり着いた後、ラウラが連れていってくれたリョーハと荒涼とした銀世界の中でふざけあううちに、打ち捨てられた船の甲板に座った時に、突然リョーハがラウラに「タイタニック観た?」と訊ね、「観たわ。私たちも死ぬのかしら?」「ローズは生き残ったよ」「ローズも晩年には亡くなったわ」という会話を交わしたのを観て、
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