劇場公開日 2022年8月12日

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「ヤコブが語る「妻リジーの物語」」ストーリー・オブ・マイ・ワイフ TWDeraさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5ヤコブが語る「妻リジーの物語」

2022年8月19日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

ばら積み貨物船のベテラン船長ヤコブ(ジェイコブ/ジャック)。食後の胃痛を料理長に相談すると「そりゃ、船乗りの職業病だ。結婚しなさい」とアドバイスを受け、まさかの展開で求婚した女性リジーとまさかの意気投合。交際数分で結婚を決めてしまいます。そんなヤコブがリジーを語る「ストーリー・オブ・マイ・ワイフ」がこの映画の物語なのですが、、、
章立てに展開するこの物語は、ヤコブの目を通して見る妻リジーを「愛おしい妻」、「美しい妻」、「社交的な妻」、「天真爛漫な妻」、、と途中、途中に航海による一定期間の留守を挟みながら、妻に感じるもの、求めるもの、知らないこと、そして嫉妬や不安と、実は何も解っていない「マイ・ワイフ」に対する幻想こそがこの物語の肝であって、そしてオチとなる部分です。
船長として信頼と尊敬を受ける立場にあり、社会的な部分で「自尊心」があるからこそ、ある「疑い」について過剰に反応し、らしくない言動をとってしまうヤコブ。それもこれもリジーへの想いが彼を惑わせるわけですが、正直、同じ男性としては「解らなくもない」と同情もしちゃいます。ま、現代では真っ先に「如何なものか」と批判を受けて然るべきものですけど。。
169分と長めの映画で、さらには古典的な内容であり、作る人によっては100分以下にもなりそうな作品ですが、ヤコブ目線のリジーへの想いが滲み出るような「焦れる展開」はレア・セドゥだからこそ「画がもって」且つ「目が離せない」力があります。

TWDera