劇場公開日 2022年4月1日

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アネットのレビュー・感想・評価

全128件中、101~120件目を表示

3.0悲劇を悲劇として徹底できなかった

2022年4月7日
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鑑賞方法:映画館

 ヒロインのアンを演じたマリオン・コティヤールの歌が素晴らしい。この人がエディット・ピアフを演じた映画は残念ながら劇場での鑑賞を逃してしまった。ヘッドフォンを介しての配信の歌は聞く気になれなかったので、結局この人の歌を聞いたのは本作品が初めてだ。これほど上手だとは思いもよらなかった。
 ヘンリー役のアダム・ドライバーの歌はコティヤールに比べればかなりの差があるが、ミュージカル映画の歌としてはそれほど悪くなかった。悪態をつくのを売りにしたスタンダップコメディアンの演技もそれなりの迫力があってよかったと思う。

 本作品は We love each other so much の歌が繰り返される恋のはじまりから、娘のアネットの誕生、アンとヘンリーのそれぞれの仕事の明暗、格差と嫉妬、不安と怒り、そして恐怖に行き着く。ふたりの情緒の変化が、悲劇へと突き進む位置エネルギーとなるのだ。物語はアンが心配した最悪の展開で進んでしまう。
 ヘンリーの性格が齎した性格悲劇であり、アンがヘンリーの本質を見抜くことが出来なかったことが悲劇の原因である。ヘンリーは破滅に突き進んでいく性格で、その根底には不寛容と被害者意識がある。相手がアンでなくても、悲劇に進んだに違いない。

 悲劇には劇的に悲しいラストシーンが必要だが、本作品はそれがやや弱い。中途半端なままで映画が終わるから、観客はカタルシスを覚えることができない。ヘンリーが娘を絞め殺したところを看守に射殺されるくらいがちょうどよかった。

 悲劇を悲劇として徹底できなかったところが、本作品の完成度を落としていると思う。制作陣が、凄惨なラストシーンにするのを恐れたのかもしれない。ネット社会にありがちな、思い切りの悪さである。あとひと息だったから、凄く残念だ。

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耶馬英彦

4.5世界観に惚れる

2022年4月7日
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鑑賞方法:映画館

前作のホーリーモーターズから9年、待望の新作はミュージカル。監督は映画監督を志す前はミュージシャンになりたかったのもあり、ミュージカル映画はいつか撮ろうと思っていたとのこと。脚本も独特でいいのだが全体の世界観が好みなのでそれだけでも満足できている。今回ミュージカルだったり、赤ちゃんに人形を使っていたり、しかも俳優はミュージカル俳優ではない人に実際に現場で歌ったものを収録しているとのこと。そういった非現実的な要素や作り込みすぎない要素があっても、チープにならないしむしろリアリティがある。さらに一定の緊張感が漂い続けていて何より画やアクションがかっこいい。いかにもフランス人らしい美意識のように感じるが、北野武がフランスで評価をされているように、日本人が持つ美意識、侘び寂びのようなものもどこかに感じる。とにかく好き。

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bluecinema

3.0斬新な

2022年4月7日
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鑑賞方法:映画館
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ごっとん

2.5古舘寛治と水原希子にはニヤリ😎

2022年4月6日
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鑑賞方法:映画館

単純

長く感じました。
アダム・ドライバーの顔以上に。
スパークスの音楽も刺さらなかったです。ロックオペラ???
出だしのスタジオシーンはすごく期待値あがったんですが。
でも古舘寛治と水原希子にはニヤリ😎

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カールⅢ世

5.0話はベタだったけど、曲とパペットが─

2022年4月5日
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鑑賞方法:映画館

笑える

知的

難しい

かなり斬新で、正直、笑えました。とはいえ、そう思うまでには、少し時間を要して、最初かなりの取っつきにくさ・・・。アネット登場でその様相はがらりと変わった気がします。なんじゃこのヘンテコなミュージカルチックな作品は─なんて思っていたんですが、ミュージカルを利用しつつもその違和感を大いに利用したり、それでいてかなり大真面目な壮大なミュージカル映画で、違和感きわまりないアネットさえも絵の中に見事に融合して、すっかり美しい映像に魅了されてしまった感じです。楽曲も素晴らしかったように思います。
でもやはり、アネットの存在そのものでかなり魅了され、うならされます。あれを拒絶するというなら、この作品は見ない方がいいと思ったり─。

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SH

4.5笑いと紙一重の狂気

2022年4月4日
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鑑賞方法:映画館

怖い

興奮

知的

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sankou

2.5悪くはないが良くもない。カラックスは致命的にミュージカルが合わない...

2022年4月4日
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鑑賞方法:映画館

悪くはないが良くもない。カラックスは致命的にミュージカルが合わないのではないか。彼にしか撮れないキラーカットが少ないのは歌に拍子を合わせないといけないから。まーやはり世界最高級「汚れた血」とどうしても比較してしまう・・・。

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kazuyuki

5.0とても気に入りました。

2022年4月4日
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鑑賞方法:映画館

楽しい

知的

幸せ

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ユート

3.0回転灯籠

2022年4月4日
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悲しい

怖い

スタンダップコメディアンのヘンリーとオペラ歌手のアン、そして娘のアネットの話。

有名コメディアンのヘンリーと有名ソプラニストのアンの熱愛から始まり、ヘンリーを軸に展開していくストーリー。

子供も産まれ幸せの絶頂かと思いきや、ヘンリーのスキャンダルが切っ掛けで変わっていく環境や、そこから壊れていく関係とみえてくる本性、そして娘アネットの才能と。

ほぼ歌いっぱなしのミュージカルで、内容の割に尺が長く1.5倍ぐらいにのびている感覚。

ダークな御伽話というだけあってなかなかな黒さやズレた感覚はあるけれど、ヘンリーの家族への愛情は本物なのか…そしてなかなかキレのあるラストと面白かった。

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Bacchus

4.0ベルリオーズのような

2022年4月3日
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柴崎友香先生おすすめレオス•カラックス監督の悪夢のようなミュージカル映画

ベルリオーズの幻想交響曲を絵にしたような…理由なき憧れと狂気が間欠的に噴き出しやがて調性が狂ったような美しくもヘンテコなメロディとともに終幕を迎える

主人公の男…どっかで見たことあるなーと思ったらジャームッシュ監督のパターソンの人やった笑

日本人の俳優さんもチラチラ出ててちょっとうれしい

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ゾンビ2

5.0人類史上最凶のミュージカル

2022年4月3日
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アネット!人類史上最凶のミュージカルはもしかしてミュージカル史上最高到達点をマークしたかもしれない

翌日、凄く余韻が残っていて
またその翌日には「ポンヌフの恋人」をネットTVで探し出して20年ぶりくらいに観たら、もの凄く良かった、昔観た時よりも!
カラックス恐るべしです

必ず映画館で!エンドロールを余韻に浸りながら最後までご覧くださいませ

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あさちゃん

3.5「ウエスト・サイド・ストーリー」よりやや上手!

2022年4月3日
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アダム・ドライバー、かっこいいのに嫌な男だなあ。『ハウス・オブ・グッチ』でも嫌な男やってたなあ。家父長制の権化みたいな役を今後やっていくのか…。でも、素晴らしいキャリアの重ね方だと思う。

絶対だめですけど、今作をファスト映画で5分にまとめるなら、申し訳ないけどオープニングの5分をそのまま使ってほしい。とにかく何かが起こる予感に満ち溢れるオープニングシークエンス。音楽も良い。『ラ・ラ・ランド』くらい良かった。

ところどころの繋ぎが意味が分からないんだけど、だからこそ物語の牽引力がすごい。唐突にいろいろと起こっていく。なぜアネットに人気が出てるのかもよくわからない。そもそも人形なのもよく分からない。ラストシーンで人形を超える結末があって…とはいえ、出産シーンの独特の気持ち悪さといいもうね。癖がすごいんじゃ…。

とはいえ、スタンドアップコメディーの内容が日本人だからか面白くなかったのが致命的。ジョーカーの方がその点では笑えたかな。あえてかもしれないけど。

波のシーンも自宅の水を使ったシーンも印象的だった。

「愛が、たぎる。」良いキャッチコピーですね。

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わたろー

2.5レオス・カラックス監督のミュージカル

2022年4月3日
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鑑賞方法:映画館

角川シネマ有楽町にて鑑賞。

レオス・カラックス監督にしては「ミニシアター感」が消えて、「大ハリウッド的な雰囲気」を感じるロサンゼルスを舞台にしたミュージカル大作。
フランス語はカラックス監督がスタッフと話す程度で殆ど皆無。全編にわたって英語のミュージカルとなっている。

カラックス監督作品は全て観ているが、やはりジュリエット・ビノシュと作り上げた初期作品を超える映画は難しいか……。

物語は、カラックス監督作にしては分かり易く、ピン芸人(アダム・ドライバー)が人気オペラ女性歌手(マリオン・コティヤール)と恋に落ちて、赤ん坊が生まれる。この赤ん坊がアネット。
そして、いろんな出来事が起こるが、物語はカラックス監督作とは思えないほど「スッ…」と入ってくる。

だが、これが面白いかと言うのは、話が別。
個人的には合わなかった。
何が面白くなかったのかは、日本公開されたばかりなので詳細記載するのは割愛するが、あの『汚れた血』で「ジュリエット・ビノシュが両手をひろげて走るシーンを見て感動したようなところ」が本作には皆無。

アネットが、人形から人間になるのは表現上のどういう意図があったのかは不明。

エンドロール後に、大勢のキャストによって「この映画を面白いと思ったら、知人や他人にも勧めてね…」みたいな歌が歌われたが、個人的には「悪くはないがオススメは出来ない」気がした。

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たいちぃ

4.5贖罪

2022年4月3日
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すごく面白かった。グランドシネマサンシャインのBESTIAで鑑賞。音も良くスクリーンも大きく色彩も美しくて最高。ミニシアターでみるのとは印象が変わりそう。

オープニングから痺れる。
アダムドライバーの身体性が素晴らしい。

今まで傷つけてきた女性への恐れと贖罪かな。Me tooやキャンセルカルチャーを経て、昔を振り返ると後悔することもあるよね。自らの暴力性、嫉妬、恐れ。ラストのデュエットのアダムドライバーはカラックスに似せてるよね?

終映後の舞台挨拶でカラックスがドニラヴァンとアダムドライバーは少し猿に似ていて好きだと言っていて通訳が気を遣って訳していた。

カラックスは気難しいイメージだったけど、少しシャイではあるもののだいぶ丸くなってそうだった。撮りたいと思う人はなかなか見つからないらしい。マリオンコーティヤールはピンと来なかったけど実際会ってみたらよかったと言ってて、タイプじゃなさそうだもんねと思った。カラックスでも資金集めに8年かかるのか。カラックスがお〜いお茶飲んでいた。

子どもがマリオネットで驚いた。生まれたときから。なんとなく受け入れられるような流れや生身の子どもとの入れ替わりの演出も面白いなあと。

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hyvaayota26

4.0歌劇の中で織り成す、レオス・カラックス的カオス!

2022年4月2日
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この映画は、映像や音楽、ストーリーを追う映画ではない。レオス・カラックスを追う映画だ。
そして、冒頭から、観る者の評価をすべて拒絶する。
スパークスの音楽、アダム・ドライバー、マリオン・コティヤール、すべての才能がぶつかり合う。
決して、調和しない。すべてが衝突し、ぶつかり合う。
先の予想もつかない。すべてはカオスであり、混沌の中にある。
アネットという存在は何なのか?知る必要はない。
この映画は理解する必要があるのか?その必要もない。椅子に座って、息を止めて、最後まで見ればいいのだ。それだけでいいのだ。
この映画は、レオス・カラックスを観る映画だ。
深呼吸をして、さあ、始まりだ!

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caduceus

5.0息すらも止めて、ご覧ください

2022年4月2日
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m m

5.0稀代のアンチ・ヒーローによるアンチ・ミュージカル!

2022年4月2日
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かなり刺激強めのロックな仕上がり。初デートには向きません。

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ken68

3.5スパークスの楽曲を通過して今描かれるレオス・カラックス自身の半生に重なるもの

2022年4月2日
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さぁ、映画が始まる。悔恨の念に囚われながら、ネタにするしかない孤独な生涯をそれでも生きる。オペラの象徴する死に魅せられたスタンダップコメディアンにとって、子供の誕生というライフイベントが象徴する生はあまりにリアルすぎて…誰も愛せない深淵。
原案・音楽スパークス × 監督レオス・カラックス(『ホーリー・モーターズ』) × 主演アダム・ドライバー = これは只者じゃないという期待に違わぬユニーク/クセモノな作品だった。抜きん出た才能たちによる化学反応が楽しくも、少し眠くもなった個性の塊。でも語弊を恐れずに言ってしまえば、本作も結局のところレオス・カラックス監督の作品でしかないのだ!そしてスパークスもそれを見込んで、他の誰でもないカラックス監督にこの企画を持ち込んだに違いない。
美しく大胆、そして曖昧。表現者アーティスト同士の夫婦は、格差やメディアに煽られ叩かれたりと何かと大変。子供ができてからは搾取するステージパパ毒親?そして、映画という本来皆に夢や希望を与えることができるはずのもので明るみになる暴力や強要にも触れる。他にもマリオン・コティヤール、サイモン・ヘルバーグと音楽的素地のある魅力的なキャスト。日本からは古舘寛治と水原希子が参戦。
映画は終わる。続けて音楽大好きエドガー・ライト監督による『スパークス・ブラザーズ』の日本公開も控えていて、やっとここ日本でも日の目の当たりそうなスパークス元年にようこそ。

P.S. レオス・カラックス監督登壇による舞台挨拶に行ってきた。今回の映画館サイドは完璧にやらかしていていたが、『汚れた血』『ポンヌフの恋人』と大好きな作品を生み出してくれた監督を生で見られてよかった。
♪So May We Start

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とぽとぽ

2.5実験的ミュージカルとファンタジー

2022年4月2日
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単純

興奮

簡単にあらすじを説明できる物語が単純明快で、断続的に切り替わる場面が忙しなく、スケールのデカい演出描写に驚きながらもレオス・カラックスの腕が鈍ったか、スパークスの音楽にハマれたらコレ幸い。

前作でも監督本人が序盤に登場する『ホーリー・モーターズ』にミュージカル場面があった記憶が薄らと、9年?振りになるレオス・カラックスの新作は何故にミュージカルであったのか、アダム・ドライバーとライアン・ゴズリングの歌声は同等に"ロック・オペラ"と銘打ったロックンロール色は希薄で、娘はピノキオの如く木製人形の違和感から生身になり、存在自体の違和感と理解困難でもある複雑性はレオス・カラックスらしい??

本作を集大成の位置づけにはせず、これを機に間隔を空けずに映画を撮ってくれたら、待望の新作になる本作では満足出来なかった。

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万年 東一

2.0140分の狂気

2022年4月1日
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『アネット』上映後、舞台挨拶に立ったレオス・カラックスは 、こう述べた。

『こんなにたくさんの拍手を貰ったけど、この中に 気に入って貰えなくて、一人ぼっちになっている人も居るだろうな、、と思っている』

そう、、140分の粘着質な狂気の中で、二度も微睡み、水谷希子の見せ場を見逃したのは私です。

裸の王様 だと視るのは 私だけだろうか?

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イコン
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