「不思議な世界観のミュージカル」アネット といぼ:レビューが長い人さんの映画レビュー(感想・評価)
不思議な世界観のミュージカル
【このレビューは書きかけです】
全く内容を知らない状態で鑑賞しました。
結論ですが、今まで見たことがない不思議な世界観のミュージカル映画でしたね。スタジオでの収録から外に飛び出ていく冒頭のミュージカルシーンで一気に世界観に引き込まれました。一人のコメディスターの栄枯盛衰。非常に面白かったと思います。細かな演出が光っていて、思わず息を呑むようなシーンも多くありました。
ただ、素晴らしいと思った反面、正直私には刺さらないと思ったのも事実ですね。絶賛しているレビュアーさんが多いのも納得できるけど不満点も結構ある感じ。冒頭のミュージカルシーンがピークだったような気もします。
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人気スタンダップコメディアンであるヘンリー(アダム・ドライバー)と、一流オペラ歌手であるアン(マリオン・コティヤール)。人気絶頂の二人はやがて結婚し、アネットという可愛い女の子が生まれる。子供の誕生後、ますます人気を高めていくアンとは対照的に、女性関係のスキャンダルなどでどんどん落ち目になっていくヘンリー。二人の間には次第に確執が生じるようになってしまう。
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最初に感じていた人形がアネットを演じている違和感。それがストーリーが進むにしたがって薄れて行き、最後にアネットが人間の姿で登場した時に再度強烈な違和感として現れる。この演出は実に見事でした。
ストーリーも分かりやすかったように感じます。youtubeで映画解説をされている守鍬刈雄さんが「ミュージカル映画は音楽に時間を割いているので物語描写が少なく、故にストーリーが単純なことが多い」とおっしゃっていましたが、本作もそんな感じですね。一人のコメディスターの栄枯盛衰を描いた映画です。
全体的に見れば非常に面白い作品だったように感じますが、残念ながら私は今作はあまりハマりませんでした。
理由は色々あるんですが、他のミュージカル映画と比べて明らかにミュージカルシーンが長く、ストーリーが全然進まないことが一番の原因であるように感じます。とにかく話が前に進まなくて、同じようなヘンリーの気が滅入るような独白を延々と聞かされているような感じ。ところどころ挟み込まれるミュージカルシーンも、曲や歌が私の好みにはハマらなかったためそこまで楽しめませんでした。映画冒頭の音楽スタジオから外に出て繰り広げられるミュージカルシーンはめちゃくちゃ良くて期待が高まったんですが、そこをピークにどんどんミュージカルが魅力的に見えなくなっている気がします。