劇場公開日 2022年4月1日

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「レオスならミュージカルもこうなるという真摯な映画」アネット ONIさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0レオスならミュージカルもこうなるという真摯な映画

2022年4月1日
iPhoneアプリから投稿

すげー楽しいということはない。なぜならレオスカラックスの映画だから。ミュージカル、豪華キャスト、愛、でなんとなくエンタメな匂いが出てるかもしれないけどフォーマットはそれなだけでレオスカラックスなのでした。生真面目な映画学校生がチャレンジしたような「ララランド」とかとは器が違うナチュラルボーン「壊れた愛の男」っぷり。アネットってくらいだからどんな娘かと思ったらそうきたか(笑)というグロテスクさ。全編何が起こるんだろうという不安感はずーっと続く。
本来的にはずっと歌がながれてるし、ストーリーは芸能ニュース風な差し込みむであるのでわかりやすいものなのに何故か淀みなくない、というか淀んでいるので映画監督の持つ体臭というのは凄いものだと思う。

ミュージカルのストーリーは比較的メロドラマなものが多いので簡単な共感を得やすいものだけど、まったく安易な映画に収まっておらず溢れちゃっていて、とっつきにくく、でも詩的であるという。好きか嫌いかでいったらもちろん好き。

しかしマリオンコティヤールの股の向こうに歌う古舘寛治さんを観る時代が来るとは思わなかった。そしてその隣にはアダムドライバーだもんな。

ONI