「そしてホラーサスペンスミュージカルって。」アネット t2law0131さんの映画レビュー(感想・評価)
そしてホラーサスペンスミュージカルって。
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レオス・カラックスという、ある意味で観客に対して傲慢極まりない監督の最新作。かつてサブカル的に大ヒットした「ポンヌフの恋人」がロングランした渋谷のユーロで試写があるのも因縁か。場所は変わったけどね。
ともあれ、マゾヒスティックにポンヌフを褒めそやした日本のシネフィルたちは、その後もカラックス(の新作にして最高傑作という惹句)に翻弄され続けて、今日に至る。と言ってよいだろう。カラックス作品は僕たちが愛して止まない「単館系」の夢であり象徴なのだから。
しかし、今回はハリウッドのアカデミー俳優でロックミュージカル!全編が「シェルブールの雨傘」のように歌い続ける?そりゃ無理があるだろう!何なんだコレは?ドニ・ラヴァンが哲学的に右往左往するのじゃないのか?そうなれば、ぜひ目撃者にならねばいけない。その結果が大いなる失望であろうとも、140分をカラックスに捧げよう。だって、僕だってマゾヒスティックなシネフィルなのだから。
ファーストインプレッションで語るべき事のメモ。タイトルロールのマネットの描写。エンドロールのカーテンコール。シェイクスピア的な、ギリシア悲劇的な、宿命と欲望のホラーサスペンスに後半は変貌する。そしてクライマックスのデュエットはミュージカル映画史に残るインパクトがある。
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