劇場公開日 2021年10月8日

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「なかなかの力作」ONODA 一万夜を越えて pekeさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0なかなかの力作

2021年10月24日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

予想以上によかった。
知っている役者が数人しか出演していないし、それほど話題にものぼっていない作品なので「どうかな?」という感じで観にいったけれど、結果、3時間という長さを感じさせない、なかなかの力作でした(僕が大東亜戦争や旧日本軍のことに、とくに関心があるせいかもしれませんが)。

「戦争の悲惨さ」などという言葉を聞いてもどうもピンと来ないけれど、この作品に描かれているような戦争のディテールに接すると、ぐっと戦争というものを身近に感じる。リアリティーを感じる。このような、戦争のディテールを知ること、想像することこそが戦争体験のない我々には必要だと僕は思うのです。

イッセイ尾形、やっぱりうまいですね。作品にアクセントがついて、厚みがでるような気がします。
それから、仲野太賀。彼は、これからの日本映画界を背負って立つ存在でしょう。

ただ、原作・監督ともに日本人でないことが、なんか残念だった。
このテーマは、日本人の手で映画にしてほしかった。

それにしても、それにしても……なんとも、やるせないなぁ。

日本の平和は、このような出来事の上に成り立っているということを、戦後の平和を享受している我々は忘れてはならないと思います。

peke