ONODA 一万夜を越えてのレビュー・感想・評価
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旧日本陸軍をフランスの製作陣が描く
どういう流れで製作されたのかはわからないまま、題材がとても興味深かったことと、その題材をフランスの製作陣が描いたということで興味が倍増し鑑賞。 良いかどうかはよく判断つかないが、今まで日本で製作された大戦ものとはずいぶん雰囲気が違い、ある意味でとても観やすく感じた。まったりと言うと聞こえが悪いが、良い意味で淡々と進んでいくこの安定しているが独特な創りは、長尺174分でも決して長くは感じない。このあたりの創り込みがフランス映画人のお家芸なのか。 観終えて特別印象に残ったシーンがあるわけでもないのだが、全体を通してやはり心に残るものがある。 当然映画作品としても良かったが、他の歴史と混同していた部分がすっきりと整理ついたのも個人的にはプラスになった。
この件をどう判断するか視聴者の自由だが、一言、言えることがある。 それはもう二度と戦争をおこなさいこと。また、巻き込まれないこと。
敗戦間近の1944年、陸軍の秘密戦の特殊訓練を受けていた小野田寛郎(遠藤雄弥/津田寛治)と谷口少佐(イッセー尾形)との会話がなんとも理解しがたい。特に、佐渡おけさをなん度もなん度も歌わせられたが、この意味が理解できない。日本語であるが、軍隊では叫んで命令しているので理解できていないのだと思う。どなたかわかる人がいたら教えてください。秘密線の学校での谷口少佐の命令が、小野田寛郎の人生を変えてしまったのに一番興味があった。それについてちょっと書く。 小野田寛郎は父親から捕虜になったら自決を!陛下のために命をささげる ようなことを言われたが、(今じゃ、考えられない話だが、政局がどうなるかによって、こんなことが現実になるかもね。)その後、生き残る素質があるグループ秘密戦の一人に選ばれたようだ。そこは小野田寛郎の人生を根本から変えてしまった。1)死ぬ権利はない。そこで解決策を見出さなけれならない。ーー彼は全くその通りに生きた。2)自分自身が自分の司令官であること。ー最後は一人で生きて、自分の司令官になって生き残った。3)兵隊を精鋭に絞る。ー実行にう移したね。全て、秘密戦で学んだことを上官の言うことに逆らわなかった。律儀にきいた。その結果が、1974年までルバング島に残っていたのだ。谷口少佐、上官の命令を待った。 この件をどう判断するか視聴者の自由だが、一言、言えることがある。 それはもう二度と戦争をおこなさいこと。また、巻き込まれないこと。
外国人監督の視点で捉えた「小野田さん」
Netflixで鑑賞。
小野田さんについては、横井庄一さんと並んで昔のニュースとして親から聞いたことがあった程度です。
本作の存在を知り、戦争は終わっているのに戦い続けた理由が分かるかもしれないと観ることにしました。
キャストに実力派俳優が揃えられており、リアリティーの求められる映像に説得力を齎していました。若い小野田さんを演じた遠藤雄弥の、狂気を感じさせる演技が鮮烈でしたし、中年期の津田寛治の、旅行者(仲野太賀)との出会いからの心境の変化、元上官(イッセー尾形)から任務終了命令を受領した際の憑き物が落ちたような表情が素晴らしかったです。
陸軍中野学校二俣分校時代から始まり、戦後もゲリラ活動を続けていた小野田さんについて丁寧に描いていました。洗脳の恐ろしさを感じると共に、ほぼ外界から遮断され少ない情報を陰謀論的に組み立てる姿には、現代のSNS社会を生きる我我にも通じるものを見出すことが出来、戦慄させられました。
驚いたのは、30年の間に小野田さんの働いた行為(殺人や窃盗など)を包み隠さず描写していたことです。確かにジャングルでゲリラ活動を続けるにはそうせざるを得ないよなと、観るまで思い至らなかったことを突きつけられた感じでした。
もし日本人によって本作がつくられていたとしたら、そのような部分は果たして描かれただろうかと考えました。外国人監督ならではの視点だったからこその描写な気がします。
日本人
映画「辰巳」が良かったので、主人公が演じるコチラを観た。 リアルタイムでこの事実を知っている自分、当時は横井さんと同等に見ていたのだが、全然違った。 この映画を観て、その後、彼の気持ちが良く分かった気がする。Wiki程度の知識だが、ある意味日本軍の刷り込みなのだが、それを貫いた小野田少尉は見事である。
消えた武士道
小野田さんのことをすっかり忘れていました 1972年というと今からもう50年も前になってしまうのですね 今の若い人達は知らないでしょうし信じられない事実です 映画を見ないにしてもググってもらいたい! あの時代はみんな狂ってたんだと思います その命令を忠実に守り抜くのもあの時代までの日本人でしょうね 敗戦後一番変わった(変えられた)のは日本人の生き方のように思います 武士道を重んじて忠義を尽くす事が当たり前だったのでしょうがそれは武士に限っての話だったのに戦争に突入したら国の思想が届いてしまった国民はいつのまにか武士道的な気質になってしまったのでしょうね アメリカ軍はさぞや恐怖を覚えたことでしょうね でも、戦後まんまとアメリカにしてやられました 武士道を重んじる日本人って、今NOW見回してもさっぱりいませんよね 彼女や妻の言いなりになる男子の姿しか見えないし強い男子は何ハラくらいに扱われるしまつでしょ 今日本が攻め込まれたらあっちゅう間に降参でしょうよ 自衛隊は負ける直前まで実弾使えないし政治家は欲の塊だし日本男子は(私もふくめて)軟弱だしどことやり合ったって勝てるとは思えないですからね あっ、ダラダラ愚痴ばかりで読まれてしまった方は許して下さいね 周りの方にも伝えて下さい「この人のレビューはほとんど映画の紹介はしないよ」って 小野田さん、映画を見ていると腹立たしさがほとんどでしたが彼の任務や命令に忠実なゆえの非道 とても彼を責めることも腹を立てることも筋違い 「あなたの戦争はまだ終わっていないのね」的な台詞もどうにも軽すぎる(無いけど) やはり言葉はない方が伝わりました とてもとても勉強になる映画を見たなと思います こんな日本だった頃があったのですね
恥ずかしながらじゃない方
ぼんやりと横井庄一と混じってしまうくらいよく知らない小野田さん。映画は面白かった。長いけど長い潜伏生活を描いてるんだからそらそうなるよね。ただなー士官学校時代の歌のシーンあれ重要でしょ?今どきの日本人若手俳優ではあんな歌歌ってもうわっすべりするわな。あの歌は映画の中のキーアイテムなのに見てるだけで恥ずかしい、それに耐える謎のシーンになってしまったよ。そして事実に文句言っても仕方ないのは百も承知だけど、小野田よーバカ正直もたいがいにしなさいよ。あんたのせいで何てことなく帰ってこれたはずの二人が死んでんだよ。二人の遺族にどの面下げて会えたんだよ。いつの時代も柔軟性のないヤツは困るって大テーマを読み取りました。
やっぱりダメだった
映画祭で評価された作品観て感動した事がない。 分かるよ、小野田さんがどう過ごしてきたのか、なぜフィリピンのジャングル生活をしてきたかを映画にしたいのは。 2時間39分耐えられませんでした😞
戦後の30年間、戦い続けた日本兵・小野田寛郎
フランスから逆輸入された映画です。 小野田寛郎陸軍少佐。 聞いたことはあります。 フィリピン・ルバング島に潜伏し続けていた小野田寛郎さん!! 終戦後30年近くも敗戦を信じずに生き残っていた。 すっかり忘れ去られていた日本兵にスポットを当てた映画が、 若いフランス人監督アルチュール・アラリによって撮影された。 何が面白いかと言って、 雪男・野生のパンダそして小野田寛郎に会いたい・・・ その一心で冒険家の鈴木紀夫(仲野太賀)が、自費で小野田さんを 探して発見、「帰りませんか?日本に」と話しかける。 鈴木紀夫の優しさと繊細な語りかけに、小野田寛郎は答える、 「谷口上官の命令解除がなければ、日本には帰れない」 その望み通り鈴木は谷口少佐(イッセー尾形)を説得し、伴って ルバング島を再訪して小野田に会わせる。 そのシーンは感動的でした。 小野田寛郎(津田寛治)の凛々しい立ち姿に比して、 緩みきった軽装の谷口。 薄っぺらい書面に書かれた軍隊言葉の任務解除命令書。 やはり形式なのですねー。 兄が迎えに来ようと、敗戦を知らせる投降を促す拡声器の音にも 疑心暗鬼だった小野田の心は一枚の紙切れの命令書きに反応する。 この映画は全編日本語、出演者は90%以上が日本人俳優。 アラリ監督の公正で好意的な日本観と日本愛。 とても和気あいあいで建設的だったと言う撮影現場。 日本人俳優の本気度。 173分の長尺。 小野田寛郎の若い時を遠藤雄弥、壮年期を津田寛治。 2人は80年前そして50年前にタイムスリップした日本兵でした。 そして仲野太賀とイッセー尾形は現代の日本人。 この違いを一目で分からせるって、凄いことです。 仏・独・ベルギー・伊・日の5カ国合作映画。 フランスでセザール賞の脚本賞を受賞。 ちっともタイムリーな題材を描いてる訳では無いのに 新鮮でした。 もっと評価されても良いと感じました。
太平洋戦争終結後も任務解除の命令を受けられず、フィリピン・ルバング...
太平洋戦争終結後も任務解除の命令を受けられず、フィリピン・ルバング島で孤独な日々を過ごし、約30年後の1974年に51歳で日本に帰還した小野田寛郎旧陸軍少尉の物語を映画化。 合作で製作されているが、日本人の視点から製作されていたらどんな風になっただろうか。 淡々と進んでいく。空爆などがない時点で不思議に思わないのだろうかとも思うが、当時の軍人のマインドコントロールは恐ろしいと終始感じました。
小野田です。官房長~!
元日本兵がグアム、ルバング島から相次いで発見されたのは 拙が小学生のころ。 戦争が終わって30年弱 人としてどんな時空間をさまよっていたのか。 本作ではあまりそのへんが訴えられなかった気がします。 物語は淡々と進み折角の長上映時間もうまく生かされなかったのでは。 60点 アレックスシネマ大津 20211111
特に若い人に観てほしい
太平洋戦争末期、フィリピンのルパング島に小野田少尉が派遣され、劣勢の日本軍に徹底抗戦を伝える。彼は陸軍中野学校で「君たちに死ぬ権利はない。 何があっても必ず生き延びろ」と訓練されていた。しかし過酷な状況下で次々死者行方不明者がでて、小野田を含め四人だけとなる。 純粋な日本映画と思いきや、フランス・ドイツ・ベルギー・イタリアとの合作。横井さんや小野田さんのようなケースは、海外では自分たち以上に信じられない出来事ではないかと思います。幼い頃、1972年横井さん、1974年小野田さん発見のニュースを見て驚き、こんな人があちこちにまだいるのかと思いました。今の日本の若い人だと、二人のことを知らない人も多くなってきたと思います。 途中帰国できそうなことがあったものの、疑ってそれが叶わなかったことが残念でならないです。また発見した鈴木さんの行動力に感嘆。今どうしてるのかと思ったら、最後の夢のためにヒマヤラで遭難死していたとは。
長い。 長過ぎる。 3時間近く、ひたすら眠気との戦いだった。 29...
長い。 長過ぎる。 3時間近く、ひたすら眠気との戦いだった。 29年間にわたって日本のために戦って下さった小野田氏にはもちろん敬意しかない。 しかし、映画には向いていなかったかな。
映画の意図するものを掴みきれず。。。
小野田さんや横井さんの帰国は、
戦争を忘れかけていた国民にとって衝撃だった。
連日、テレビや新聞はこれらの話で賑わい、
他にも取り残された軍人がいる、という
まるでツチノコや雪男を扱うように
捜索隊が組織されたりもしていた、そんな時代だった。
ニュースや新聞が伝える小野田少尉の印象は
精悍で眼光鋭く、野武士とはこういう人だっただろう、
という風貌だった。
主役の津田寛治は、
実物の小野田少尉がまとっていた殺気を見事に再現。
圧倒的な演技だった。
それをかき消すほどに疑問なのは、
映画に挿入されたいくつかの虚構の存在だ。
個人的に、最も引っかかったものに触れておきたい。
小塚兵士が現地警察との銃撃戦で死亡したことは
当時、日本国内で大々的に報道され
(遺体写真が掲載されたりもした)
小野田少尉が生存している証明となった。
映画では、漁民に惨殺されていた。
なぜ、そのように書き換える必要があったのか?
また、実物の谷口少佐は映画でイッセー尾形が
演じたようなだらしない感じの人物ではなかった。
もちろん、「映画」なので
デフォルメや創作は許されるのだが、
製作者の意図や狙いが見えず
大きめのモヤモヤが残ったままになった。
欺瞞工作
最後の帝国軍人、小野田さんのルバング島に着任から1974年に島を出るまでのことを映画にしています。 撮り方、音響は本当に素晴らしいです。映画館で観られるうちに観ておいた方がいいでしょう。 ただ、ダメなんです。これじゃ。 ・小野田さん、結構早いうちに敗戦を認知してましたよね。自分の頑迷さ、意固地で現地人に多大な迷惑をかけ、部下も死なせてしまいました。しかし、この映画では「向こうは武器を持っていた」「向こうから撃ってきた」とか、自己正当化に余念がなく、不必要に現地人を悪役にしちゃっているとこに納得できませんでした。武器持った軍人がゲリラやって民間人を襲っちゃってたわけですよ、ハーグ条約に反しているわけですよ。そこはしっかりやらんとダメでしょ。単純に皇軍の命令の犠牲者だったんだ、ではないのです。予備少尉とはいえ、士官なのです。話にならんのです。 島田、小塚は現地を守るために戦った警察との銃撃戦で死亡したのです。それ、誰のせいですか?
言葉にならない・・
余りに丁寧な描写に前半は見ているのが辛い程重い。しかしそのディティールの描写の凄さが最後の最後の究極的なエンディングのリアリズムへと結実する。史実に寄せた映画をあまり評価しない方だが、この作品、日本で作られたらこれほどの迫真性は持たなかったであろう。ひとりの人間の人生と戦争の関係がこれほどまでに凄味を持って描かれた映画を他に知らない。この上映時間の長さに押し潰されない映画製作の技術と執念に感服する。イッセー尾形がとにかく凄い。
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