梅切らぬバカのレビュー・感想・評価
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役者は名優、タイトル好き
桜切る馬鹿梅切らぬ馬鹿ということわざ、改めて素敵なことわざだと思いました。
物には物の道理があるようで。
実際、その人の立場にならないと分からないことというのは沢山あるなと思わされました。
ストーリー的に異質なものはないストーリーでも、このタイトルがあることで変わった見方をできるようなそんな映画でした。
地域で暮らすということ
障がいがあっても、その人自身や家族が住みたいと思うところで住み続けていける社会であってほしいと願います。
映画としては、その先を観てみたいと思いました。
ちょっと中途半端な感じがしたかな。
50歳になる自閉症の息子とその母親。隣人、地域、年齢、抱える問題達...
50歳になる自閉症の息子とその母親。隣人、地域、年齢、抱える問題達を穏やかにチョットコミカルに表す。
一見、難しい問題提起の様でいて本質は親子愛、地域愛。
時間が77分と短いだけに、もうチョット色んな展開があっても良かったのかなと。
ただ中身は面白くも考えさせられる映画でした。
とても面白かったですよ♪
ほっこり
自閉症の息子を抱えて、年老いた母と二人。
社会の偏見と無理解の中でほっこりと、ユーモラスに生きていく親子の物語。
加賀まり子の雰囲気が良い。他の映画やドラマの加賀まり子はプライド高く、気が強く。嫌みな女性のイメージがしていたが。(あくまで主観ですが)
中年の自閉症の息子を抱えて、日々格闘しながら周囲や地域社会に理解を得るため、頑張っている母親役の加賀まり子は、凛としていながら謙虚で素敵だ。
今までの印象がガラリと変わり、温かみのある懐の広い女性に見える。
自閉症役の塚地さんも、いつもながら自然体で良く研究された演技であった。
この親子が地域の人々に偏見と、差別にさらされながらもやがて理解と協力を得ていくという内容で。普通に良い映画でした。
二人の演技が素敵だったのと、障害者とその家族を持つ方々に対する。謝った見方が胸に、刺さりました。
忠さんが愛おしい
どこのお母さんも息子って大好きなんだよなぁと思いながら観ました。
子どもの気持ちのまま大人の体になったら、まわりは戸惑ってしまうのもわかるし、映画の中でも地域の人たちがけっこう冷たくて大変なこともいっぱいあるだろうなということも想像がつきます。でも塚地さんが演じる忠さんはなんだか可愛くて、お母さんが抱きしめたくなるのもわかります。忠さんと、お母さんと、となりの小学生の男の子と、その家族とのいろいろな場面に心が動いて涙ぽろぽろでした。
人は誰しも梅切らぬバカな面がある
自分自身の日常にはない人々の生活を
切り取った良作でした。
描かれてるものは、事実に基づいてるの
だと思います。その面では考えさせられる
ことばかりでした。
「感動ポルノ」と呼ばれる某テレビ局
の番組をもてはやすのではなく、我々はこの作品で描かれる、世間の目の優しさと厳しさが存在する現実をもっと知らなくては、理解しなくてはならないのだろうなと思います。
決して大上段に構えるわけでもなく、
お説教じみた話でもなく、ある事情がある
家族の生活を簡潔に描いた作品。
けど、演者さん達の実力があるからでしょうが、雄弁にかたりかけてきます。問いかけてきます。
(あの事件の件はちょっと無理がありますが)
登場人物それぞれの立場になってかんがえると、頭がごちゃごちゃになってしまうほど、それぞれの正義は決してわがまま正義ではないと思うからです。
きっと、議論を重ねながら少しずつ進んでいくのでしょうね。
梅切らぬバカとは「対象に適切な処置をしないことを戒めることわざ」だそうです。
本編は障がいを持つ人、家族を通して描いていましたが、どんな場合でも当てはまること。僕は家族含め周囲の方々に適切な対応ができてるのかな?なんて考えちゃいました。
根気よく相対し続ける。
めちゃくちゃ大変だけど、それしかないのでしょうね。
親がいなくなったら
ウチの子は20歳で、この映画の子と凄く似ています。
予告編を見てこれは絶対見なければと、山梨で公開されるのを心待ちにしておりました。
私より先輩の親を見て、何かヒントを頂けないかというちょっと普通の鑑賞とは違う視点です。
もちろん答えがあるとは思っていません。
しかし近所の方の理解のなさは未だこんな状態なのかと
頭を抱えました。多少大袈裟だと思いますが、まだまだ弱者が生きづらい社会だなと痛感せざるえません。
グループホームの一例が少し垣間見れたのが良かったです。しかしあんな自治会長、まだ居るのかな。
心に残りました。
福地さんや加賀まり子さんなど俳優さんたちの演技に引き込まれました。自閉症というワードはよく聞きますが詳しくは知らなかったので、少しですが理解でき良かったとおもいました。いい映画でした。
ディティールがあり、友達のいない小学生、ポニー、乗馬場等、地域の要...
ディティールがあり、友達のいない小学生、ポニー、乗馬場等、地域の要素がいろいろ入っていて、うまくできている。リアリティもある。グループホームで仲間に責められてしまうこの特性とか。廃品回収の音声の組み合わせ。実はあるあるだし。加賀まりこの占い師はサイコーだった。
自閉症を持つ老母の話
まず、加賀さん素晴らしい。塚地さんお上手です。
その他の障害者役の皆さんちょっと残念です。内容は障害者の家庭ではいつか訪れる可能性の高い話。一般家庭では理解できないかもしれませんね。ただ障害者の家庭が持つ事情など理解頂く上では良いストーリーではないでしょうか。
思いを込めてそぎ落とされている
ご都合主義にならないように、過度にドラマチックにならないように、抑制をきかせたストーリー展開で、しみじみいい映画だった。書いたものや、ひょっとしたら撮ったものを、たくさんそぎ落としてこの形になっているんだろうなと想像できて、その丁寧な作り込みに感動する。なんでもない映画も好きだけど、どうしても伝えたいことがある映画もやっぱりいい。
みんなで晩ご飯を食べるシーンすごくよかった。そこを山の頂にするために、廃品回収車のアナウンスが聞こえるあのシーンは、泣かない演出になったんだろうな。NHKの番組で、加賀さんが涙を流したテイクはNGになったと紹介されていた。
その番組で加賀まりこさんがこの映画の宣伝をしていらして「(自閉症を患う人に)手を差し伸べなくてもいいから、微笑んで」と涙を浮かべながらおっしゃっていた。
障害を抱えた人が、周囲の無理解のために、単なる障害の影響以上に生きづらくなっているということ。私たちが知るべきたくさんのことの一つだなと思う。
火曜日にこの映画を観に行って、雨が降って寒い日だったけど、映画が終わって建物を出たら、完全にではないけどほぼ降りやんで、空も格段に明るくなっていて、何か特別な体験をしたような気持ちになった。映画館で観られてよかった。
主演二人の素晴らしさ
正直、設定と物語にいまいち現実味がないかな~、という点が残念でした。職場への通り道にあんなに都合よく乗馬場があるものだろうか、とか、貧しい生活を強調したいのであろうが、一方では緑に囲まれたセンスのいいお庭のある都内の昭和の古民家(ああいう家が好きな人は金出してでも住みたい超魅力的な物件に思える)に、母子二人、しかも母親は占い師、とか、障碍者施設の前で障碍者本人達の目の前で拡声器でヘイトしてる、わかりやすい悪党役の市民団体だとか。現実味のないファンタジーも入ってる正直安っぽい設定に白けた部分もありましたが、それを凌駕するのはやはり主役親子の役者さん達の素晴らしさでしょうか。矍鑠として、凛とした、どこか少年のシルエットさえも思わせる加賀まりこさんと、自閉症を持ちつつも優しい純粋な心を持つ中年の息子をしっかり演じた塚地さん、この二人の並んだ姿はまさにお粗末なファンタジー設定をも吹っ飛ばす現実的な親子の存在感がありました。苦しみを抱えつつも、二人で人生を添い遂げよう、と親子が決意して抱き合うシーンは涙無しには見れませんでした。お二人の役者人生に幸あれ!
タイトルの意味を知ると、より胸熱。
上映時間も約80分と短め。だけど、母親の熱い愛や隣人との距離を狭めていく所。
それでいて、障がい者が暮らす「グループホーム」への理解のなさを批判し。
見た人それぞれに、お気に入りだったり記憶に残るシーン。あったんじゃないかな。
塚地さんはインタビューで。
「僕はお笑いの人間だから、障がいのことを茶化してる風に見えないだろうか」。
その心配はありません。自閉症のために、気持ちをうまくつかえられないもどかしさ。
忠さん大丈夫、わかってるよ。そう背中を撫でてあげたくなりました。
加賀さんの「肝っ玉母さん、でもちょっとだいぶん老いてる」のが、最高!。
そしてインタビューでは「忠さんを好きになってほしい」って。
好きになる=相手を理解し、自分のことも知ってもらって始まる関係なんだろうな。
今日は日曜日だったからかな。
ミニシアター8割以上お客さんがいて、時々クスリと笑う場面も(もちホロリも)。
ちょっと嬉しかったなあ。
加賀まりこの晩年の代表作になるのではないか。知的障害の息子と彼を50歳近くまで女でひとつで育て上げた母親との波風は起きても愛しい日々。
①答えを出しにくい問題に綺麗事な安易な終わらせ方をするのではない描き方に好感が持てる。②題名は何の事?と思っていたら、開幕早々に加賀まりこの口から説明があって成る程と。良い花や大きい実を成らせる為に余計な枝を剪定するのは当たり前であっても、人間に置き換えた場合マイノリティーであるからと言ってマジョリティーの為に切り捨てていいの、という作品の底にあるテーマと繋がっている。③50年近く障害のある息子を育ててきた苦労(それは大変だっただろう)を見せない明るさ・強さ、それでも決して片意地張っている訳ではない自然さ、は加賀まりこのからっとした存在感あってこそだと思う。④塚地は芝居していると感じる部分は所々あるものの、障害があっても周りで起こっている事、周りの人の言動に無関心な訳ではなく、その時々の状況で涌き上がる(障害のため言葉という形には出来ないけれども)感情を顔の表情だけで理解させる演技力には感心した。
加賀まりこはすごい
この映画を見て、やはり加賀まりこはすごい女優さんだと思った。加賀まりこの演技を見るだけで充分価値がある。
話は日常にありそうなことだったけど、昨今年齢を重ねて、いろんなことを考える年になって、こういう映画をみたいと思った。
こころを大きく揺るがす映画ではなかったが、じわじわといろいろと考えさせるいい映画でした。
なかでも、「お互い様でしょ」って言う言葉と舞台挨拶で話をしていた「手を差し伸べてくれとは言わないけど、そばで微笑んで欲しい」という言葉に感動した。
僕もそういう人間になりたい。
加賀まりこにはまだまだもっとたくさん映画に出て欲しい。
解決か?先送りか?
加賀まりこと塚っちゃんを見るだけでも価値がある映画です。
「おたがいさまだろ?」
そんな気持ちがコミュニティに浸透すれば、生きやすい世の中になるんだろうけど、そこまで到達するにはまだまだなんだろうけど。
それでも少しずつ、お隣さんからでも共有できればいいのかな。
ただ、この親子、少しずつ幸せになっているのか?それとも、少しずつ不幸せになっているのか?そんなことを考えてしまった。
少し解決したのか?それとも先送りしたのか?
ちょっと深いかも。
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