「軽い語り口で社会的包摂について考えさせられる」梅切らぬバカ LSさんの映画レビュー(感想・評価)
軽い語り口で社会的包摂について考えさせられる
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自閉症を持つ50歳を迎える息子とその母との暮らしを軸に、引っ越してきた隣人一家、支援者たち、地域の人々の関わりが描かれる。
フィクションだと思うが、障害を持つ人々への眼差しや地域社会で起こる問題は現実をなぞっており、それについてはフラットな目線で語られていると感じる。劇中でも解決しない問題が多いが、隣人との相互理解や、乗馬クラブの人が次第に自分の考え方に疑問を持つようにもとれる描写には希望も見える。一方、(主題ゆえのPC的思考かもしれないが)母親が売れっ子占い師で年老いても経済的に自立しているという設定には若干の都合のよさを感じた。
軽い語り口だが、社会的包摂についての重い問題を考えさせられた。個人の努力で周りの一人ひとりの理解を得ていくしかないのだろうか?
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