「佳い映画です」梅切らぬバカ Captain Willardさんの映画レビュー(感想・評価)
佳い映画です
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老境の母と50歳になる息子は二人暮らし。母は占いで生計を立てていて、息子には知的障がいがあり、福祉作業所で仕事をしている。母は作業所からの勧めもあり、息子をグループホームの生活へ移す。
映画はこの親子と、隣家へ越して来た三人家族、ホームと作業所の人たち、地域の人たちとの関わり(良いこと、良くないこと)を綴っていく。
加賀まりこは好演、塚地武雅が名演していて、他の役者(特に三人家族の森口瑤子、渡辺いっけい、斎藤汰鷹)も揃って上手い。
登場人物を「嫌な人だけど、本当は善い人」という、観客を安心させるような設定で済ませない話なのも好感した。
ともすると陰湿な出来事にしかならない挿話を、明るくカラッとした笑いで強弱をつけていて、リズム良く進めた演出、脚本には感心するしかない。
特にラストシーンは正に爽やかで、オープニングにも登場する(タイトルにもある)梅の木が、丸で異なった意味を持つように見えた。
今年封切りの映画で、最良の作品の一本と思う。
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