劇場公開日 2021年7月10日

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「入管の問題性がよく分かる」東京クルド Boncompagno da Tacaocaさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0入管の問題性がよく分かる

2021年8月17日
iPhoneアプリから投稿

いつ収容されるか分からない仮放免の状態で小中高を日本で卒業し完璧な日本語を話す二人のクルド人の若者を追ったドキュメンタリーで、入管の問題もよく理解できる。就労は認められず、高卒後に社会の表舞台に出ていけないなかで、二人はそれぞれの道を模索する。2か月ごとの入管での延長申請や、不安定な状態の中での家族との生活に関わる諸々、日本でのトルコ人とクルド人の間の衝突やクルドの祭なども見られるのも貴重。
入管の対応がきついが、たぶん現場の担当者レベルでどうなるものでもなく、入管にこのような対応を取らせる制度や政策そのものに問題があるのだろう。いずれにしても、小中高までこの国で学んで日本で人間形成をした人を帰す、あるいは帰すかもしれない状態でずっとペンディングにしておくのは、どう考えても人道に反することだと思った。

Boncompagno da Tacaoca