「ガンダム作品最高興行収入おめでとう!」機動戦士ガンダムSEED FREEDOM 元ソルジャーAさんの映画レビュー(感想・評価)
ガンダム作品最高興行収入おめでとう!
大好きなガンダム作品が世間に認知され嬉しい限りです。
小学生のころの夏休み?にZガンダムの再放送に触れてから三十余年、ガンダム作品に親しみと懐かしさをもって接してきました。
機動武闘伝で離れ、ユニコーンで再度興味を持ち、オリジンで復活。
SEEDはリアタイでは見ておらず、リバイブ版HGCEのストフリを買ってからレンタルで見た作品でした。
最初はキャラクターの尖った顎と大きなキラキラした瞳が馴染めず、我慢して物語をトレースする鑑賞スタイルでした。
しかし物語を構成する背景、設定がしっかりしており、関わるキャラクターたちの個性もストーリーの重要な場面に反映されていてとても良い作品でした。
当然SEED DESTINYも鑑賞済みでこの映画に臨みました。
前置きはこの辺にして本作のレビューです。
1.作画やMSデザイン
キャラクターの作画については前文の通り相変わらずの苦手なタイプ。
まあ同じ作品なので大きく変更はできませんよね。
当時は先進的な絵を採用したガンダムだなぁと思いましたが今となっては古臭いなと。
時代の変化、技術の進歩は表現方法、作画技術で発揮されていたのでそこは良かったです。
またモビルスーツの作画、動的表現は過去作の中でも満点です。素晴らしい!
つやっつやの装甲、ぬるぬる動く肢体、スラスターの推進表現、ビーム兵器の出力表現、、、見ていて爽快感あります。
FREEDOM関連のプラモが品薄になるの分かります。
2.設定や背景、各勢力相関図
最初の放送はもう20年以上前ですので、本編前にしっかり復習してから鑑賞しました。
各勢力の現状、関係性は特に違和感なく鑑賞できましたが、ファウンデーションの背景が???が多くすっきりしませんでした。
女王を守るブラックナイトスコード、かっこいい!
但し、時間の制約は理解しますが女王を守る精鋭部隊としての彼らの行動指針や信念など、もう少し深堀してほしかった。
↑この点についてはその他メディアでスピンオフを創作するサンライズの手法は理解しているので、今後のファウンデーション、ナイトスコードの展開?に期待します。
3.主人公?勢力コンパスについて
平和監視の名目で三勢力が作った金と権力の象徴。
現場で働く理想の高いパイロットと、祭上げられただけのかわいい総帥。
キラが危惧する終戦が見えない事態は、この平和監視組織がある限りずっと続くのでしょう。
表に出てくるキャラクターたちの思いや行動とは裏腹に、三国官僚、機構幹部による意図を改めてスピンオフで拝読、拝見してみたいと思いました。
総評
だらだらと思ったことや妄想を書いてきましたが総評です。
昨年公開が決定してからSEED、DESTINYとおさらいして臨みました。
残念ながら映画館では見られませんでしたが、サブスクで公開日0:00を楽しみに当日鑑賞しました。
批判を恐れずはっきり言うと『気持ち悪いアニメ映画』です。
*気持ち悪いとはグロい、目が回るなどの意味ではなくポピュリズム的、迎合的という意味で捉えていただくと有り難いです。
・ファウンデーションの背景が見えないことで勧善懲悪になってしまった。
・ファースト世代への媚びが見え透いた旧モビルスーツのおかしな登場シーン。
↑これに関してはSEED時代からなので仕方なし。但し水中戦特化のMSを空に飛ばすのはいかがなものか。ハリボテにした意味も。
・心に傷を負いそれでも戦争に身を置く人物の洒落にならない冗談。
・過去作の重要キャラの下品な茶化し。
・女性キャラの露骨なボディーライン演出。
・無駄な操縦オペレーション。
・連呼しすぎて薄っぺらくなった愛。
・雑な敵勢力の描写。
書いていたらきりがないですが私が感じたことの一部を並べました。
世間、レビューではかなり肯定的な意見が多く、こちらのレビューでも高評価をしておられる諸兄も多数おられます。
私が所属するとあるチャットにおいても肯定的な意見しかなく、ここに記載(吐き出した)ことを発信しようものなら袋叩きにされるでしょう。
『興行成績が良い』映画は『良い映画』。その通りだと思います。
私もこの映画に係る仕事をしていたら胸を張って『良い映画です!』と周囲に発信することでしょう。
しかし何かが足りない、何か余計なものが多い、そんなちぐはぐな感情が映画を見てから脳内から拭えずモヤモヤしてます。
勿論今回の作品が完結編ではないので、勝手にモヤモヤしている私が悪いのですが。
前後のストーリーを理解せずFREEDOM単発で見れば各シーンとも絵はきれい、迫力もある、メカニックデザイン最高!の良い映画だったのかなと。
あのシーンのあのキャラってなに?くらいで見た後に軽く検索して『ふーん』って理解する、これくらいの軽い気持ちで見ればよかったと後悔しています。
良かった点は前半レビューで書いた通り。
あとはアグネスの発言や行動は良い意味でガキ感、ビッ〇感が出ていて良かったです。
人に嫌われないように気を使いながら生活、仕事していかなければならない現代において、アグネスのような自意識過剰、自己中心的、自己破滅的行動は名作『男はつらいよ』を彷彿とさせ、見ていて気持ちよかったです笑
二時間キッチリ『映画版・アグネスはつらいよ』でも楽しめそうなキャラクターでした。
何年後かわかりませんが次回作、スピンオフ作、期待してます。