ドリーム・ホースのレビュー・感想・評価
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何か新しいことを始めたくなる
美術館に展示している絵に添えられている解説を読んでいると、40歳代から絵を描き始めたという画家が意外といて驚く。なんなら50歳代からという人もいるくらい。何かを始めるのに遅すぎるということはないってこと。
ウェールズの田舎町で生活するジャンが競走馬のオーナーになろうと思い立つところから始まる本作。それこそこれから?と周囲に驚かれるのも無理はない。
話としては予想通りの展開だし、発生するトラブルも驚くようなものではない。でも、胸を熱くする映画だった。人生には心の高揚って大事だよなと改めて思ってしまう。ドリームアライアンスが育つにつれオーナーたちの表情にハリが出て生き生きしてくるのがとても印象的だ。実際のジャンたちが登場して歌うエンドローンもいい。人生を謳歌している感じ。
ウェールズが舞台ということもあり、町中でラグビーボールのパス回しをしていたりする。かかる(みんなで詠う)曲もウェールズっぽい。当然マニックスがかかっていて微笑ましかった。
人生後半にさしかかる世代が観るとより心に響く映画だと思う。自分も何か始めたくなった(始めないけど)。
タイトルのとおり、夢を持つことの大切さを思い出させてくれる
馬主組合の結成を呼び掛ける際、共同馬主の経験者が「儲けるためではなく、胸の高鳴りのために出資して」と釘を刺すが、これは、映画のテーマを象徴する台詞に違いない。
実際、単調で無気力な生活を送っていた村人たちが、自分達の競走馬の活躍を通して、生きる希望と活力を取り戻していく様子は、見ているだけで楽しくなる。
これなら、たとえレースで勝てなかったとしても、それはそれで、十分に感動的な話になったのではないかとも思うが、そこは実話なので、わざわざドラマチックな事実を変える必要もなかったか・・・
ただ、馬主として、せっかくあれだけ個性的な面々を揃えたのであれば、主人公夫婦や馬主経験者の会計士以外にも、もっと各人のエピソードを描いてもよかったのではないか?
それから、調教師だけでなく、レースで重要な役割を担っていたと思われる騎手にも、スポットライトを当てて欲しかった。そうすれば、迫力のあるレース・シーンが、より盛り上がったのではないだろうか?
余計なシーンを削ぎ落としたシンプルな作りを楽しめる反面、描き込み不足による物足りなさも感じてしまった。
基本的に高評価だけど、日本との違いには要注意(本文参照)。
今年4本目(合計657本目/今月(2023年1月度)4本目)。
さて、こちらの映画です。
結構前から予告がされていたし、ここの特集や予告編が丁寧だし、それを大きく脱線させるような内容はないし、競馬に関しても知らない方でも大丈夫なように配慮されています(いわゆる賭け式がどうだの何だのという、競馬の「ギャンブル」的な要素は基本的に描写はされない)。
実際問題、実話に基づくとしても動物を実際にこの映画で出すと問題になるので、その部分は何らかの配慮があるようです(「動物は傷つけていません」が出ます。おそらくその部分はすべてCG?)。競馬という特殊なジャンルを扱いつつも、何かと問題視されやすいギャンブル依存症を想定するような描写ほか発展する論点はほぼなく、馬が好きというより動物一般が好きという方にもおすすめです。
採点上特に気になる点はないので、フルスコアにしています。
なお、日本との異同に関しては下記に書いておきます。
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(減点なし/参考/いわゆる「一口馬主」について)
映画の中では、あくまでも希望者を募ってお金を出し合って馬を購入し…という趣旨のものなので、日本の民法でいえば「組合」が該当します(日本民法667条)。そして、映画内でも「多数決で決めましょう」といっているように、「民法上の組合」はこれになります。
一方、日本国内でいわゆる「一口馬主」として一部で知られているのは、民法上の組合ではなく、商法の「匿名組合」です(商法535条)。似たようなものですが、
(民法上の組合)
・ 基本的に当事者の多数決で決める(もちろん、投票を放棄することは可能)
(商法上の匿名組合)
・ お金を出して儲けが出たら口数に応じて払い戻しがされるだけ。業務に口出しすることは基本的にできない(商法536条)
★ 商法上の「匿名組合」が「匿名」なのは、こうした一口株主などは、それを扱っている会社などに個人が申し込むだけで、「他に申し込んでいる人が誰か」を知りえないし、基本的に「申し込み先の会社と個々人の(申込人の)清算などで、多数決で決めることがない」(換言すれば、他の方が何口出しただのを知る方法がない)というところに出ます。
…という違いがあります。日本の競馬法(地方競馬も同じ)で「匿名組合」方式しかJRAが認めていないのは、競馬という「公共性の強いもの」に対しては、一般法である民法よりも、商法(実際には一口馬主には、金融法なども適用されます)のほうが(運営の在り方として)適切、という実際上の問題があります。
では、民法上の「組合」はどこに出てくるのか…というと、さて、山梨県在住や山梨県出身の方はいらっしゃるでしょうか…。山梨県特有の文化として「無尽」があります(定期的にお金を出し合って、そのたまったお金で定期的に飲み会に行ったり、時々の「くじ」で何か家電などがプレゼントされるもの)。これは山梨県と、ちょっと趣旨が違いますが、沖縄県特有の文化です。民法上の範囲でいう「組合」に近いのが、これです。
(ほか、職場などでみんなで出し合って宝くじのジャンボを買うだの何だのも、厳密にいえばこれになります)
Come on!Dream
馬で町興しみたいな感じでしょうか 馬主ってとても夢があるけど、お金も手間もかかるし、ついでに世話と心配も、実際は大変なんだなと。にも関わらずお馬さんが順調にレースで勝ち進むと、年配のやや疲れた方々がいつの間にかシャキーンとなり、生活にハリが出て楽しそうだった トニー・コレットの顔芸はさすが 特に酒場のお爺さん、スーパーのお婆さんが楽しかった 馬には詳しくありませんが、農園育ちの馬ウェールズの誇りと言ってたので、きっとすごい快挙だったのでしょう 最後の復帰のレースは一緒に応援、感動してしまった 馬の走りがラスト追い上げ型で爽快、面白かった
安心の面白さ
ほぼ期待通りの展開で安心できます。訛りがチャーミングな個性的キャラ、ドキドキするストーリーは、「ブラス!」や「フルモンティ」みたいで、「田舎のフツーの人々が何かを成し遂げる」系の笑って泣ける英国映画が好きな人にはオススメです。
お正月に家族で観るのにピッタリ!
なお、実話だなんて驚き。
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