「私が感じた「違和感」の正体は、、、」ドリーム・ホース kumiko21さんの映画レビュー(感想・評価)
私が感じた「違和感」の正体は、、、
圧巻は3回のレースシーン。結果は予想されながらも手に汗握った。本物の馬の走りっぷりにはCGもアニメもかなわないのでは? どれくらいの時間と苦労を通じて完成された映像なんだろう、と。
レビューも知人の評判も上々だったので期待して見た。ところが途中から居心地の悪さを感じた。その訳は「この話、誰の主観で見ていいの?」と、わからなくなってしまったのだ。
多少のギクシャクした人間関係を抱えながらも真の悪役はいないコミュニティ。ハートフルな展開は良しとしよう。でも、馬はどうなの?せっかくのんびり余生を送っていたのに、人間の夢とやらのために急に妊娠させられて、文字通り命がけで出産して、そもそも仔馬の生命誕生は優生思想に裏打ちされた設計。「見返りを求めないお楽しみ」で始めたはずの寄り合い的同盟だったのに、結局は人間はどんどん欲深くなっていき、行き着くところに「金の問題」。
何度も何度も馬主と心の交信をしているかのような無垢な馬の瞳がアップになっていたけど、「それってあなたの主観ですよね」と、人間の方に突っ込みたくなった。私はひねくれているのでしょうか(笑)
まあ実際にあった話なので、映画化せずにはいられない条件が揃い、役者も制作者たちも真っ当に取り組んで完成させましたということに敬意を表したい。
けれども、競馬場での安楽死の可能性含め、「競馬」って、例えば「闘牛」・「サーカス」みたいにアニマルウエルフェア的視点から「オワコン」になる可能性ってないのだろうか。そんなことを考えさてくれる意味でも、やっぱりいい映画だったのかな。
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