劇場公開日 2023年1月6日

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「話は馬なり」ドリーム・ホース ジョンスペさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0話は馬なり

2023年1月13日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

予定調和な展開という感想を見てスルーのつもりが、高評価につられ劇場へ足を運んだところ…やはり予定調和以外のなにものでもなく、Based on true storyと言われても自分には刺さらなかった。

悪人が出て来ずいい人ばかりで嫌な気分にならない。みんなで飲んで歌って楽しそう。引き締まった馬の姿が美しい(特に仔馬ちゃん)。ウェールズ愛に溢れてる。トニ・コレットが怖くない。そんな好ましい点はあったにせよ、話はドリームアライアンスの成り行きまかせ、まさに馬なり。人間ドラマがろくにない。レースシーンは(英国式?なの?)ゲートに入ってスタート!の緊張感がなく、短いカットで繋いでくるので、ドリームがぐいぐい追い上げる感じがいまいち。JRAの競馬中継の方がスピード感や迫力あるんじゃなかろうか。終盤は、ハワード妻が夫の子供の時のエピソードを知っただけで急に競馬に理解を示したり、いつの間にか勤務先スーパーや村じゅうが盛り上がってたり、Based on true storyの勝利に向けてアゲていきましょう!な感すらあった。

人生に胸の高鳴りをってうまいフレーズだけど、どん底からの一発大逆転なわけではなく、のどかな村の住民の退屈しのぎにお付き合いした気分。やはり物語には意外性やひねりが必要で自分の価値観を揺さぶるものがないと感動にはつながらないと思った。ひねくれすぎかもしれないけど。

なお、実在のモデルも交えて役者たちが歌唱するエンドロールと、最後まで歯抜け夫とトニ・コレットがキスをしなかったのは意外性があった。

ジョンスペ