場所はいつも旅先だったのレビュー・感想・評価
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知らない土地みたいな作品
知らない国の町にいる知らない人の人生の一部をありのまま映した作品。旅人(インタビュアー?)の方針はあえてその人物に深く関わらず、表面的なことしか映さない。だから観る人は旅人でもあり通行人でもあるような感覚になる。ドキュメンタリーという程でもない。
映画なのかテレビなのか個人制作動画かなんかなのか、分からない。でも、それでいい。作った人、撮った人が誰かも知らないし、映っている人物に知ってる人は一人もいなかった。正に知らない土地の旅だ。
この作品は、土曜日の午前と午後の間に起きて、ぼやっとする頭で湯を沸かして、少し長い朝食を食べるような時に見る様な作品だと思う。食後に思い立ってコーヒーを沸かす、少し冷まして飲み終わるくらいに見終わる作品だ。
台南の担仔麺は美味しい
私の個人的な意見で『旅を語る』なら、旅先は常に一人でいたいと感じる。
無愛想でいたいと言う訳では無いが『郷に入っては郷に従え』が私は苦手。
まぁ、旅慣れていないからなのだろうが。また、英語は全く話せないので、こちらから会話を挑みたいとも想えない。一期一会の方が良いと感じる。勿論、旅先で女性と知り合いたいとも思わない。
海外に限らず、夜の酒場へ行って酒場で戯れるなら、一人で家で映画を見て、次に行きたい所を探す。つまり、旅をしたくば、成田空港と羽田空港の間に住んで、面白い映画がやっていない時に出掛けるが一番だと思う。私は葛飾区区民。どちらも一時間でアプローチ出来る。葛飾区は『PLAN75』が無くば世界一住みやすい場所だと断言できる。
さて、
台南の担仔麺は美味しい。でも、東京でも同等の担仔麺を探す事が出来るし、東京にはナポリピッツァもある。ナショナリズムで申す訳では無いが、食の世界一は東京か大阪だろう。
私個人が海外経験が少ない事もあるが。
『びんらん』と『担仔麺』と『カラスミ』と『北京ダック』と『烏龍茶』は日本でも適価で味わえないだろうが。
追記
とは申しましても、
一人で行けないので、カワイイ身内の者に、連れて行って貰ってます。
エスプレッソ飲む漁師の太い指とか、何でもないものが心に残る
松浦弥太郎さんのエッセイを映像で読んでいるような感覚になる。臨場感がありながらリアリティより情緒が勝ってる、他にあんまり見た覚えがない映像で、面白かった。小林賢太郎さんの、上手いんだろうけど、上手い感じに聞こえない語りも気持ちいい。
本当に自分が旅したときみたいに、街の人が言ったこと、取ったそぶりが不思議と記憶に残っていく。「わたしたちは生では食べないわ」と笑われたり、もう話すことはないというように窓に視線を戻されたり、自分がしたかのように。
説明が細かいところとないところがあって、そのランダム感も好ましく感じる。わざとなところも多々あるんだろう。例えばレインボーフラッグを映して、店内の描写があって、年配男性と若い男性の2人客に「2人はパートナー?」と聞いたという語りが入っていて、そういう界隈かそういう店かなんだろうなあと分かって、もうしばらくその店を見る。
舞台挨拶があって、松浦さんは何回も「ありがとうございました」と言って深々と頭を下げておられた。足をくじいたそうで心配だ。プロデューサーの名前はもう忘れないであげてほしい。編集などで何度もこの映画を見ていてラストシーンで感極まるとおっしゃっていて、私でもちょっとそんな感じはあった。
隣の人は舞台挨拶中も上映中も寝ていて、寝息と小さないびきが聞こえており、起きたと思ったらマスクの中にハンカチを入れていた。よだれかな。金曜の夜なので、今日この映画まで働いて、やっとパルコの8階に来たんだったら、そこで思わず休息を取ってもそれはしょうがないのかも。人生や日々が旅だというなら、そういう旅もまたありなのだ。という程度には優しい気持ちになった。嫌味っぽく書き記す程度に優しくないけど。だって、いびきはさ。
朝ごはんがどの町のも美味しそうだった。バーの赤っぽいピンクのお酒も美味しそうで帰りにピーチネクターを買って一気飲みした。缶がそんな色だったので。
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