劇場公開日 2021年12月3日

「タイトルが地味だがこのタイトルに意味がある」189 ガゾーサさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0タイトルが地味だがこのタイトルに意味がある

2021年12月4日
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この映画は大切な事をいくつも教えてくれますが、まずはこのタイトルの真の読み方がイチハチキューではなく「イチハヤク」という児童虐待の相談電話番号であることです。この番号を周知するためにできる最大の効果をこの映画は担っていると思います。
劇中、児童相談所の判断ミスのせいで取り返しのつかないことが起き、マスコミに叩かれ、抗議の電話が殺到するのですが、ここで学ばなければならないことは正義の為だと思っている行動が、本来人の命を救うための電話を邪魔していて、自分が虐待の片棒をかついでいるという状況になっていた事です。これは他の機関、団体にも起こりうることで、警察の不祥事や病院の医療ミスなどが起きてもし抗議電話なり苦情の意見を言ってスッキリしたいだけなら、その行動こそ悪であると自覚すべきだと思いました。
映画なので、これぞ「ザ・虐待」というケースが出てきて、ちょっとリアルさに欠けているきらいもありましたが、観客に「もうちょっと耐えられそうだな」と思う余地を一切持たせないには仕方ないかなと思いました。本当に子供がかわいそうで「虐待は悪だ」ということと、100%虐待だと思ってもすぐに救えない現状も分かって、なるべく大勢の人に見てほしい作品だと思いました。

ガゾーサ