パンケーキを毒見するのレビュー・感想・評価
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こんな諦めのよすぎる国民に誰がしたのだろう?
正確には覚えてないのですが、20年くらい前に読んだ村上龍さんの小説『希望の国のエクソダス』の中にこんな言葉がありました。
この国には何でもある。だが、希望だけがない。
読んだ当時、今の日本の閉塞感の要因のひとつには、そういうことがあるのかと妙に納得した記憶があります。
ということは、今の若者は既に希望が見出せない状況が常態化している中で育ってきたということでもあるのですね。
希望が持てなければ、わざわざリスクを取って海外留学なんかしないし、始めから諦めている人が何かとの闘いや葛藤を経ることもないし、何に対して怒るのかも分からない。
経済格差が学歴格差やその後の人生のありかたにまでこれほど直接影響するという状況についても、仕方ないと思ってる若者が私の周りにも結構います。
映画の中の若者も自己責任という言葉を使っていましたが、大人が思う以上に〝屈託なく諦めている〟ように感じます。
大きな社会的混乱を招くことなく、経済資源や文化資産を少しずつ取り崩しながら、静かに国が老衰していく。
うっかりしてると、それも仕方がないことかもしれない、などと日本人全体が諦めてしまいそうで、ぞっとします。
戦時中の大本営発表をとりあげててよかった
予告編が気持ち悪かったし首相の顔を見たくなかったので、この映画見ないつもりだった。が、想像以上に広範囲のことを押さえていた。大本営発表を例に出しつつメディア批判、世界でG7で最下位まっしぐらの日本、選挙権、今の大学生のことなどが分かり面白かった。
投票のことだが、イタリアは投票場所だか選挙区ごとだかで、刻々と投票率を示すらしい。それを見て、自分達の居住地の投票率が低いのは悔しい、みっともない、隣に負けてられない!(実際の彼らの気持ちはわからないが)といった動機が投票率の高さに貢献しているらしい。日本もそういうの導入すればいいのに。民衆を羊、子羊に喩えるのは欧米的普遍ですね。イタリアのソレンティーノ監督の映画LOROでも、冒頭、豪邸(ベルルスコーニの別荘)の部屋の中に迷い込んだ子羊があまりに強烈なエアコンで凍えてカチーンと倒れて死んでしまった。
この映画の中で投票義務が話題になっていた。投票は権利だから義務には違和感がある。でも毎回の選挙で相変わらずの投票率の低さにはクラクラする。名前だけを大音響で連呼するような選挙活動は無意味で騒音でしかないので辞めて欲しい。どうせなら、投票率が低いのは民度が低いとか愚かってことかな?みたいな感じにして、投票する人や投票行動がメインになるようにしたら面白いのに。
その意味で、映画の最後の各国との比較箇所で、人口当たり議員数でも議員の平均年齢でも、学費を家庭が負担しなくて済む国一覧とか自殺率が高い年齢層比較でもなんでもいいので、他の国の工夫や実態を具体的に知りたかったし見たかった。グラフだけでなくてね。
落ちるとこまで落ちたら上がるしかないという「希望」だけでも持たないとこの国で生きていけない。政治でも学問でもメディアでも、若い人(10代~40代)がまずは数の上でメインになりますように。流れ星にお願いするような心持ち。
特高顔だ!
作家の辺見庸が言ったらしいけど、菅さんのポスターの顔は特高顔。
本当!まさに特高顔だと思ったけど、若い頃はこんな感じじゃなかったのね。
顔には出てくるからねー。その人の歴史や頭の中が。いい訳しても駄目よ。
オリンピックの開会式の関係者が土壇場で次々辞めることになったけど、得意の内閣情報調査庁で身辺調査しといたら直ぐ分かる話なのにね。
自分のとこの悪口以外は興味ないのかね。
何しろ他人の金なのに税金を使い放題ってひどくない?
マスコミがだんだん「大本営発表」っぽくなってるのって感じてたけど、文春砲や赤旗砲みたいにガツンとした報道もある。
「特高」に負けずに頑張って欲しい!
でも「菅さん」って小物感強くて(>_<)
前のボスAさんが手錠腰縄姿でマスコミの写真に登場する日が待ち遠しいんだけど。
前ボスの映画も観てみたいなぁ。
サイレントマジョリティの投票率が上がるといいな
菅さんを通して国民目線にない、現政府の情けなさが浮き彫りにされます。
取っつきにくい国会も「ご飯論法」の上西先生の解説があればエンタメ並みに楽しめそうですので、池上さんや田崎さんばかりでなく上西先生にも、もっとメディアに出て頂きたいところです。
さて、投票率が低い日本ですが、サイレントマジョリティが選挙に行かない理由の一つに「どこの政党でも結局変わらないだろう」があります。
これは、野党は反対ばかりで対案が無いという間違ったイメージが大衆に浸透していて、未来への希望が沸きづらいのと、最後に学生さんも語っていた「菅さんのパンケーキ好き」や「自民党以外は良く知らない」等、案外単純な理由なのではと私の周りの知人達を思い出しながら観ていました。
例えば共産党なら「学費の負担を減らす」等、国民目線に立った素晴らしい政策をより解りやすく大々的に宣伝する等、戦略的に否定よりも希望ある言葉で伝える事に力を注げば無関心層にも響くのではと思いました。
最後、マスコミは選挙前に「政局」よりも「政策」の中身を報道して欲しいです!
スガのレベルが有権者のレベル
本作品はアベ~スガ政権がどれほど悪質な上に中身のないスッカスカ政権だったかを描く。映画館では笑っている人もいたが、現実は笑えない。
菅義偉が頭が悪いのはことあるごとに明らかになってきたが、後ろで支える官僚もそれほど頭がよくない。共産党の小池晃さんに学術会議の任命拒否を国会で追求されたとき、あまりにも同じ答弁を繰り返すので議長が一息入れたが、その間に一生懸命官僚が作文した答弁をスガが読むのを聞くと、これが見事に前の答弁とほぼ同じで、流石に殆どの議員が呆れ果てていた。頭のいい高校生ならずっとマシな文章を書くだろう。政治家の劣化は官僚の劣化からくる。そもそもアベとスガはイエスマンしか周りに置かない。イエスマンの例にもれず、頭の悪い人間しか周りにいないということだ。10年後100年後のことなど考えられないのだろう。木を見て森を見ず。大局観のない政治家と官僚ばかりではこの国に未来はない。
ナレーションを担当した俳優の古舘寛治さんは、ツイッターで「古舘寛治は言う、投票率80%こそが日本人の革命だ!投票倍増委員会会員。会員を増やしたい。選挙までは!」という長いハンドルネームを使って、#投票倍増委員会というものを立ち上げている。#投票率倍増委員会ではなく#投票倍増委員会としたのは、有権者の選挙に対する姿勢を問題にしているからだと思う。選挙があれば候補者を自分で見定めて誰に投票するかを決め、投票日に投票に行くか、事前投票をする。そういう当たり前の行動をしない人が多いのが現状だ。日本を変えるために、選挙権を放棄する人を減らす、できればゼロにするのが目的である。
古舘寛治さんの主張には全面的に賛成だ。しかし、投票率が80%になったら自公の悪徳政治がなくなるのかというと、やや疑わしい。選挙に行かない人々は現状維持でいいと思っているから行かないわけで、行ったら行ったで、結局自民党に投票するのではなかろうか。現に若者の多くは自民党支持だ。
投票率が100%になったら自民党が大勝して、国を挙げての翼賛政治になる可能性もゼロではない。古舘さんは投票率が80%になったら政権交代が起きると信じているのだろうが、それは有権者に期待し過ぎだと思う。コロナ失策が明らかになった今でも、スガ内閣の支持率は30%を超えている。日本の有権者もスガと同じレベルであり、10年後100年後のことなど考えずに投票するのだ。やっぱりこの国に未来はない。
隠したいものがあるとき人は怪しい言動をとる
菅首相の印象は議論ができない人。できないのか、わざと質問されたことに答えないのかはわからない。とにかく国会答弁や記者との質疑応答で会話がかみ合っていない。
だから、国会答弁で同じ答えをただ繰り返すシーンを見ても「だよねー」くらいに思っていた。でも、原稿書いてんのか!?とか、だと思いますって発言とかをうまく解説しててうまいなと思った。そうなんだよ。答えないってことは隠さなきゃいけないことがあるってことなんだ。
時の総理大臣を扱ったドキュメンタリー映画なんて日本では初めてなんじゃないか。撮影や取材を断られた人も多いんだろう。だからこそのアニメだったのかもしれないし、言いたいことをソフトに表現するための手法だったかもしれない。女性のナレーションも含めて菅首相を盛大にいじろうとしているのは伝わった。
でも、もう少し掘り下げてほしいと思ってしまった。いや、機密費の問題とかたしかに怪しい。でもこれ以上踏み込めない限界も感じてしまう。
ただ、問題の本質を暴くことがこの映画の役割ではない。これだけ問題のある政権の支持率がいまだにそれなりにある(下がってきているとはいえ)。次に総選挙をやっても自民党が勝ってしまいそうだ。そうならないための問題提起ということだ。
(特に若い人に向けて、)問題意識を持て、政治を諦めるな、選挙に行け!というメッセージを受け取った。でも、終わった後の場内に若い人なんてほんのわずかしかいなかった。そもそも若い人たちが観に来ないんかい!
【裏目裏目に出る人の根本的な問題】
このレビューを書いている日の8月3日、菅ちゃんは、日本医師会会長を官邸に呼んで、新型コロナ感染者中等症の患者は基本在宅、重症患者のみを入院で、在宅ケアの拡充を要請した。
これまで、あれほど多くの医療関係者が、中等症患者の急激な悪化は予想が困難で取り返しのつかないことになる可能性が高いと言っていたのにだ。
日本医師会会長は、在宅ケアの拡充には同意したが、入院の判断は各医師が行うと、半ば、突っぱねた感じらしい。
多くの医師、与野党の政治家も結構怒っているので、ネットニュースを見てください。
本当に、この政権は、ヤバい。
ただ、この作品は、映画としては...とか、菅義偉という人物に対する憤りとか、いろいろ感想はあると思うが、総理大臣になった経緯なんかを考えると、菅ちゃんにはちょっと気の毒なところもあるなと思う。
この作品の公開初日、検察審査会が、安倍晋三の不起訴は不当とする判断を下した。
そう。
発端は、この人なのだ。
映画でも説明があるように、岸パンセンの流れを汲む清和会(現・清和政策研究会)が、同じ自民党の保守本流の宏池会や経世会、財務省・外務省、朝日・毎日新聞からバカにされ、その恨みつらみで、ブレーンには、トップになれなかった官僚をつけて、政治をやっているのだから、ひずみがあちこちに起きてもおかしくはないのだ。
まあ、菅ちゃんも、宏池会を逃げ出すように出た人だから、その一派なのかもしれないが、安倍晋三の醜悪さから比べたら小悪にしか見えないのは僕だけだろうか。
骸骨フェイスの杉田しかり。
この人、官僚にしては法律に疎いとか思っている人が多いように感じるが、警察らしく自らの考えを振りかざす強権タイプだけということなのかもしれない。
こんなのを内調で働かせると、ろくなことはないということだろう。
こんなだから、コロナ禍を合理的に乗り切ることなんか無理なのだ。
政治よりも、恨みつらみを晴らす方が優先の人たちなのだから。
森喜朗ちゃんが暴露してしまった。
僕はね、オリンピックは2年延期が良いって言ったんだよ。バッハも、2年延期じゃなくて大丈夫なのかって聞いてたんだよ。
でも、安倍晋三は自分の任期中に東京オリンピックを開催できれば、また良い恰好できると考えて、1年延期にこだわったのだ。
こんなのは政治じゃない。
それに、やっぱり、菅ちゃんも安倍晋三もそうだが、わがま放題で育って、学業を疎かにしてきたことがありありで、自制もきかないし、これを尊敬する人なんていないと思いきや、安倍晋三のためだったら死んでも良いというバカの2番手官僚もいるっちゅうんだから始末に負えない。
菅ちゃんは、貧しい農家っぽく振る舞っていたが、実は豪農のわがまま長男だ。
あまりにも勉強が出来ないもんだから、後継は、出来の良い弟。
菅ちゃんの兄弟はみんな勉強が良くできるらしいのだ。
そんな、学業を疎かにするバカを、官僚がリスペクトするわけはない。
でも、ウヨ新聞の産経も菅ちゃんには手厳しいし、ネトウヨの援護射撃も少ないので、しょせん、同じ穴のムジナじゃないのとか少しだけ気の毒に思うのだ。
まあ、とにかく、想像はしていたが、やっぱり、この安倍晋三を中心にした連中の一貫性のなさにはあきれてしまう。
ちょうど去年の今頃、安倍内閣の支持率が下がった。
その時、どこかの大学だったか、研究機関が、コアな安倍晋三の支持者はどれくらいかという分析を公表していて、2-3%程度という話だった。
まあ、40人クラスに一人かと考えると、いるな一人くらい、わけのわからないやつがと思った。
ただ、その時は安倍晋三への批判が高まっていて、あえて支持を表明しなかった人がいるかもしれないから、もう数%は上積みされる可能性はあるとも言っていて、あー、40人クラスで2人もあり得るなとか考えた。3人いても変じゃない。
だが、その後、菅政権になって内閣支持が60%を超えた時、世の中の雰囲気というのは恐ろしいなと思った。
この作品を観て、憤りを感じている人も、実は、どうだったのか振り返る必要はあると思う。
菅ちゃんがどうのこうのというより、実は、これは国民の問題なのだ。
きっと、検察審査会の不起訴不当でも、安倍晋三の起訴に至るかは不透明だ。
起訴相当じゃないと、検察は起訴しない可能性が高いからだ。
やっぱり、国民の見識が問われているのだ。
取り敢えず、自民党の、魔の3回生議員の多くを落選させるくらいの勢いは必要だろう。
自民党の保守本流にしっかりして欲しい。
バカを野に放ってはダメなのだ。
※ ところで、ふるさと納税のせいで、地方それぞれが育成すべき産業など真剣に取り組まなくなるのではと心配になったりする。日本全国市町村、全て、小売業者というか、ふるさと納税のシステム自体が、アマゾンや楽天みたいになって、この国は大丈夫かと思う。
毒見しました
《失笑》
政治を扱った映画ではなく、ただのプロパガンダ映画
高度経済成長期かバブルの世代に生まれたかったなあ
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菅政権と菅さん自身をシニカルな笑いを含めて描いたドキュメンタリー。
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日本のドキュメンタリーって内容は素晴らしくても地味なのが多い中、今作ブラックコメディ調が強い。私はアメリカの政治ブラックコメディ大好きなので日本もこれからこういう作品が増えてくれると嬉しい。というか『ボラット』やマイケル・ムーアがあるアメリカですらあーなるんだから、日本はもっとやらないと。
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特にアメリカのアニメ『サウスパーク』を感じさせる、アニメパートが良い。ただ、こども庁とデジタル庁については簡易的に表現しすぎてもう少し何のために作ったのか自分で調べる必要もあると思う。
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私はまだ若者世代なので、最後の若者の選挙団体(?)iVoteの人達の意見とあらゆる部門の日本のランキングが今の日本の全てかと思った。
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自分たちが高齢者になった時には貰えるか分からない年金を払わされて、なのに定年は上がってヨボヨボになるまで働かされて、この映画見ながらいいよなこの人たちはあとは死ぬだけだからって思った。
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私は普通の人よりかは思想は強い方だし政治にも多少は興味あるけど、そういうことを周りや親に言うと変わり者か偉そうに思われるし、こんな日本でどう希望を持って生きていけと?高度経済成長期の日本を良くしていくぞっていう上を向いた時代か、バブルのブイブイ言わせてる世代に生まれたかったなあ。
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毒パンケーキの話
昨今この国の現状を知るに当たって
難しい話は疲れる、暗い話はうんざりする、くだらない茶番は見るに耐えずすぐ飽きる。そういう要素の中でこの作品はものすごく際どいバランスの上で成り立っているのではないかと思った。
登場する人物も話す内容も行き過ぎず足りな過ぎず、構成も飽きや疲れを抱きにくい非常に万人向けの内容で、あまりこういったことに免疫のない人でもストレスを感じずに要点を掴める良作ではないかと思う。
事態は思っていたよりもずっと致命的だし思っているよりずっと複雑で、正直もうどうにもならんのでは?というのが正直な感想だが、それでも今後どうにかなろうがならなかろうが、これらの現状にしっかりと向き合わなければならないと思う。そうしたことに触れる最初の一手として、この作品はかなり好適なのではないかと思った。
もし少しでも興味があるのなら是非是非とも見に行くことをお勧めする。制作者のいうように肩肘張らず気負わずに、色眼鏡は捨ててぜひゆるりと席にもたれて鑑賞するのが良いでしょう。鑑賞料を払うに値してあまりある価値がこの作品にはある。
最後にこの厳しい状況下にあってなおこの作品の制作に尽力し協力された方々に最大限の賛辞を送りたい。そしてまだこのような作品を世に出せることに、この国のわずかばかりの希望を感じた。沈黙は死だ。
揶揄されているのは「総理」ではなく「国民」
映画館に補助席が設置されるほど『おじさん』や『おばさん』で超満員の中、パンケーキを毒見してきました!
オリンピック期間中に公開日を合わせることを前提にした企画だったようなので、制作期間の短かさからか、少々物足りないと感じる面もありますが、現役総理をコミカルに揶揄した意欲的な作品です。
僕が感じた本作の特徴は、出演者が少ないこと。批判的な立場の出演者だけで固めずに、好意的な意見も出るような構成にしたかったようですが、政治家以外でも、例えば懇意にしている「パンケーキ屋さん」などからもことごとく出演NGの返事。
しかしこの出演NGであるという事実は、「空手の達人」であり、書籍「喧嘩の流儀」の主役、そしてパワーゲームで総理大臣にまで登りつめた「ガースー総理大臣」の独特な威圧感の表れなのだとも感じました。
都合の悪い事は権力でねじ伏せ、公文書を改ざんして「無かったこと」にしたり、権力の監視役であるマスコミには放送免許の剥奪をチラつかせ、閉鎖的で馴れ合いの記者クラブを骨抜きにすることで、「不都合な真実」には切り込ませない。
自由闊達な意見が出にくい雰囲気を醸成することことで、政治への関心を失わせ、「自分が投票しても意味が無い」と思わせる。
「パワフル」かつ「クレバー」な戦略は、さすがです。誰にもマネできません。
今では、投票率の低さが自民党の生き残り戦略の「中心」になっています。
本当は、自民党には優秀な議員が沢山いるのに、「美しい国ニッポン」の前総理以降の「美しく無い」政治手法のおかげで、今では、全ての自民党議員が同じように見えてしまっています。
でも、本作を観たらサイレントマジョリティ(従順な羊)は、黙っていられなくなってしまうと思う。本作には、そのための仕掛けが沢山ありました。
多くの人が本作を鑑賞したら、次期総選挙で自民党は大変なことになってしまいます。
早いところ映画館を封鎖したり、本作に関するSNS投稿などを削除するなど(公式twitterアカウントは何故か何度かBANされている)必死の対応をしなくちゃですネ。
僕も、制作者の意図の通り『若い方々に選挙に行って欲しい』と切に思いますが、映画館は線香くさい「おじさん」と「おばさん」で満員。
若者からブームに火がついて、中高年が関心を持ち始めたらブームは終わるというのが定石ですが、中高年が関心を持っても若者にはその関心は移らない。説教くさくて「うっせぇわ」と、辟易とすると思う。
余談ですが、少し驚いたのは「ガースー総理」への世代別支持率。「パンケーキ」効果により20〜30代が一番支持率が高いそうです。パンケーキ好きな親しみやすいおじさん。
もちろん、自分の考えで「誰に」に投票しようと自由です。ただ投票しなければ、結果として黙認していることになってしまう。
大学生がこの映画を観たのちに、選挙には必ず行くと答えるケースが多かったそうですが、どういう想いなのかな?
本作、現役の総理大臣を揶揄した映画ではなく、選挙に行かない国民を揶揄した作品です。
テレビCMは無いし、twitterも停止になったりなので、本作が上映されているのは、映画ファンしか知らないのでは⁉️
上映禁止になる前に、早いところ鑑賞しましょ👍
政治家になる!
五輪に沸くこの時期に公開すべく企画された作品に歩調を合わせるかのように迷走する現実を背景にあくまでも食欲をそそるパンケーキと稲庭うどんが印象的な“政治バラエティ映画”
“パンケーキおじさん“こと第99代内閣総理大臣菅義偉の素顔に迫るという体ですが、本作の最大の課題はご本人が取材に応じるわけがないこと。もちろん総理に近い議員はおろかマスコミ、評論家、ホテルやカフェまでが取材拒否。ということで、取材先の様々な言い訳の羅列から映画はスタート。石破茂、江田憲司、村上誠一郎といった現役議員、朝日新聞の元記者鮫島浩、『菅義偉の正体』を著したジャーナリスト森功といった総理をよく知る人達から聞く赤裸々な人物像。ご飯論法で知られる上西充子教授による学術会議の任命拒否に関する質疑応答等国会の名場面珍場面の爆笑解説。しんぶん赤旗がスクープした官房長官時代に消えた官房機密費・・・次から次に繰り出されるネタの一つ一つがコントのように見える辺り、監督自らが称している通り“政治バラエティ映画”。
堅苦しい話を解りやすく噛み砕いて要所要所で放り込まれるシニカルなアニメはマイケル・ムーアやアダム・マッケイの常套手段で、米国では毎週末にやっている風刺が封印されているこの国でこれがやりたかったというルサンチマンの発散が爽快。菅政権の本質を様々な角度から考察する一方で、政権が何度入れ替わろうとも揺るがない政治不信と諦観がまた不透明で不誠実な政治を強固なものにしているという断ち難い悪循環も赤裸々に語る。ブラックユーモアをたっぷりと振り掛けているのにスクリーンに大きく映し出されるパンケーキと稲庭うどんはしっかりと観客の食欲をそそる。この時期に公開すべく企画された本作の封切日に合わせるかのように現実が迷走し、本作がこじ開けた風穴をさらに大きく穿っていく様を眺めているのは実に爽快。しかしながら本作が目指すところはその風穴が奏でる異音が若い世代に届くこと。残念ながら客席にいたのは殆どが頭髪が白いシニアばかり。本作の面白さをもっと若い世代に伝えるのもまた我々シニアの責務と感じました。
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