「揶揄されているのは「総理」ではなく「国民」」パンケーキを毒見する まささんの映画レビュー(感想・評価)
揶揄されているのは「総理」ではなく「国民」
映画館に補助席が設置されるほど『おじさん』や『おばさん』で超満員の中、パンケーキを毒見してきました!
オリンピック期間中に公開日を合わせることを前提にした企画だったようなので、制作期間の短かさからか、少々物足りないと感じる面もありますが、現役総理をコミカルに揶揄した意欲的な作品です。
僕が感じた本作の特徴は、出演者が少ないこと。批判的な立場の出演者だけで固めずに、好意的な意見も出るような構成にしたかったようですが、政治家以外でも、例えば懇意にしている「パンケーキ屋さん」などからもことごとく出演NGの返事。
しかしこの出演NGであるという事実は、「空手の達人」であり、書籍「喧嘩の流儀」の主役、そしてパワーゲームで総理大臣にまで登りつめた「ガースー総理大臣」の独特な威圧感の表れなのだとも感じました。
都合の悪い事は権力でねじ伏せ、公文書を改ざんして「無かったこと」にしたり、権力の監視役であるマスコミには放送免許の剥奪をチラつかせ、閉鎖的で馴れ合いの記者クラブを骨抜きにすることで、「不都合な真実」には切り込ませない。
自由闊達な意見が出にくい雰囲気を醸成することことで、政治への関心を失わせ、「自分が投票しても意味が無い」と思わせる。
「パワフル」かつ「クレバー」な戦略は、さすがです。誰にもマネできません。
今では、投票率の低さが自民党の生き残り戦略の「中心」になっています。
本当は、自民党には優秀な議員が沢山いるのに、「美しい国ニッポン」の前総理以降の「美しく無い」政治手法のおかげで、今では、全ての自民党議員が同じように見えてしまっています。
でも、本作を観たらサイレントマジョリティ(従順な羊)は、黙っていられなくなってしまうと思う。本作には、そのための仕掛けが沢山ありました。
多くの人が本作を鑑賞したら、次期総選挙で自民党は大変なことになってしまいます。
早いところ映画館を封鎖したり、本作に関するSNS投稿などを削除するなど(公式twitterアカウントは何故か何度かBANされている)必死の対応をしなくちゃですネ。
僕も、制作者の意図の通り『若い方々に選挙に行って欲しい』と切に思いますが、映画館は線香くさい「おじさん」と「おばさん」で満員。
若者からブームに火がついて、中高年が関心を持ち始めたらブームは終わるというのが定石ですが、中高年が関心を持っても若者にはその関心は移らない。説教くさくて「うっせぇわ」と、辟易とすると思う。
余談ですが、少し驚いたのは「ガースー総理」への世代別支持率。「パンケーキ」効果により20〜30代が一番支持率が高いそうです。パンケーキ好きな親しみやすいおじさん。
もちろん、自分の考えで「誰に」に投票しようと自由です。ただ投票しなければ、結果として黙認していることになってしまう。
大学生がこの映画を観たのちに、選挙には必ず行くと答えるケースが多かったそうですが、どういう想いなのかな?
本作、現役の総理大臣を揶揄した映画ではなく、選挙に行かない国民を揶揄した作品です。
テレビCMは無いし、twitterも停止になったりなので、本作が上映されているのは、映画ファンしか知らないのでは⁉️
上映禁止になる前に、早いところ鑑賞しましょ👍