「オールリセットしたら、『ソウ』のような、そうでないような…。」スパイラル ソウ オールリセット 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
オールリセットしたら、『ソウ』のような、そうでないような…。
『ソウ』シリーズ最新作!
…そうなんですか。
『1』は秀逸なシチュエーション・スリラーとして面白かったけど、以後どんどん量産されていく内に、悪趣味の殺人ショー&話も全く面白くなく、アウト・オブ・眼中に。
それでも一応シリーズは見続け、やっと終わったと思ったら、また!? 今更!?
だけど今回、これまでのシリーズを見てなくとも見れる“リセット”で、メインストーリーも刑事捜査サスペンス風、シリーズの大ファンだというクリス・ロックが主演兼プロデュース…これらがどんなものかってだけで一応鑑賞。
これまでのジグソウが罪人を残虐な方法で殺していく群像劇スタイルではなく、ロック演じる刑事を主人公に立てた捜査サスペンス仕立てなのは見易かった。猟奇サイコ・スリラーとしても見れる。シリーズ後半なんて、とてもとても見れる内容じゃなかったからなぁ…。
“リブート”ではなく、れっきとした“新作”。さすがにジグソウ本人は出てこないが、名前や顔写真で登場。しっかり“その後”となっている。
シリーズお約束の残虐な殺しは勿論。
舌を挟まれぶら下がり状態からの電車轢かれ、指ひきちがれからの電気ショック、全身の皮剥ぎ、高温&ドロドロに溶けた蝋を顔面に…。
よくぞまああれやこれや手の込んだ殺し方を思い付くもんだ。くれぐれも殺しのアイデアは会議室で! 外で話してたら通報されちゃうよ。
名刑事だった父を持つジークだったが、かつて署内の不正を暴いた事から仲間たちから“裏切り者”扱いに。すぐ熱くなる性格も災いして一匹狼。
主人公像は刑事サスペンス/アクションの定番。
新人刑事とコンビを組まされ、続く警官殺しの捜査に当たる。その残虐な手口が、かつてのジグソウと酷似していて…。
ジグソウは出ないので、別の猟奇殺人犯。ターゲットはジークと近い同僚で、一人また一人…。我々をよく知り、動きも感知しているようである事から“内部犯”の疑い。一体、誰が…?
一人一人殺されていき、誰?…となった所で、急に察しが付いた。よくあるどんでん返し。
犯人の動機は、ジークが干されるきっかけとなった不正事件の関係者。
その復讐劇と、ジークの葛藤。自分の正義は正しかったのか、間違っていたのか…?
突然行方不明となった父も絡む。
完全飽きたかつてのシリーズよりかはドラマ性もスリルあり、新鮮味もあったが、あくまでそれはシリーズの中でだけ。一本の作品としてはさほど新鮮さは無く…。だって、よくある話だし。
シリーズでは『1』の次に面白かったと思う。
でも、果たして本作は『ソウ』なのか…?
『ソウ』を継承しつつ、『ソウ』じゃないような…。
リンクはあっても、全く別の話と犯人。
ジグソウの後継者と言えば聞こえはいいものの、“バッタもん”でもある。
まるで、作品自体が皮肉にもソウ(そう)であったような…。
一番面白かったのは、冒頭のジークの『フォレスト・ガンプ』ディスりだったかも。
これにはウケた。
さすが名コメディアン!
最後の最後になって気付いた。
シリーズ全部見たと言っときながら、前作『ジグソウ ソウ・レガシー』を見ていなかった。
まあ、どーでもいいけど。
俺は「ソウ ザ・ファイナル」だけ映画館で観なかった・・・
なにしろ『アバター』を観てから3Dが嫌いになりました。
最近、3D映画の公開がほとんどなくなって、ホッとしてますw