モンタナの目撃者のレビュー・感想・評価
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厳しい自然と傷痕とサスペンスの三位一体
これまで「ボーダーライン」や「ウインド・リバー」をはじめとする硬派な手触りの映画で脚本や監督を務めてきたテイラー・シェリダン。今回は原作モノの脚本のリライトに徹するはずだったものの、気がつくとこの内容にのめり込み、自ら率先して監督を引き受けることに。となると、さすがに気迫が違う。目の前には圧倒的な大自然が広がり、人間の法が全く通用しないこの地で、殺し屋たちが執拗に追いかけるサバイバル劇が展開。かと思えば、反対側からは大規模な森林火災が襲いかかってくるという二段構え。いつも心に深く刻まれた傷痕が重要なファクターとなるシェリダン作品だが、アンジー演じる主人公もまた、似たようなトラウマを抱えながら、今では目の前の少年を救うことで過去を乗り越えようと奮闘する。厳しい自然環境と、傷を負った心と体と、目の前の絶体絶命。これらの三位一体は本作でも効果的に機能し、上質のサスペンスを醸成し届けてくれている。
トラウマ抱えた主人公が少年を救う話。トラウマとかがあんまり話で生き...
よかった。 アクションとサバイバルがほぼほぼで、でもその中にちゃん...
大自然
今も変わらず
本筋より脇役のキャラクター設定が非常に生きている作品
何やら大がかりな犯罪組織らしきものに狙われる子供をアンジェリーナ・ジョリー扮するヒロインの森林消防隊員や、周囲の人々が山火事の中を助けるというお話。
ストーリーには特筆すべきものはない。ヒロインの役柄も、過去の山火事で子供たちを見殺しにしてしまった心的外傷を妙に強調するものの、あまり意味があるとは思えない。
しかし、この作品は脇役のキャラクターがとてもいいのである。
とくに生きているのが殺し屋コンビで、ごく普通の実直な会社員のような外見なのに、実はタフで冷酷で頭がよくて決して諦めない真面目な殺し屋ぶりが何とも面白い。
次いで、保安官のその奥さん。保安官は面倒見のいい兄貴タイプで、ヒロインとのやり取りが楽しいし、奥さんは殺し屋相手に逆に手ひどい火傷を負わせたり、馬で追跡して鹿狩り用の銃で一人を仕留めるというのだから、痛快である。
そのほか、保安官の上役らしき人物の朝食、ステーキを細かくナイフで切って食べる仕草も魅力的だ。
本作のセールスポイントは大がかりな山火事シーンで、実際にかなり広い面積に植林して、撮影用の森を作って撮影したそうだ。なかなか大変だったと思うが、さてそこまで苦労した効果はどれほどあったのか、ちょっとクビを捻ってしまう。
自然とサスペンスかな?
山火事の迫力は満点!!
タイトルからサスペンスものかと思ったけど、殺し屋に追いまくられ、死者多数。山火事の怖さだけは伝わってきました。そして、女性もファイティング!!強くなってきたのです。目隠しとして山火事起こした殺し屋は、山火事に泣く。
シンプルでわかりやすい、それだけ
凡庸さがいいのかも、、、??
大雑把にまとめれば、森林火災で自分の判断ミス(だと思ってる)で仲間、被災者を助けられなかったと苦悩しているアンジェリーナ・ジョリーが、とある理由で森を彷徨っていた少年、悪党に付け狙われているんだけど、を助けるという話でした。
で、それ以上でもそれ以下でもないんだよなあ、、、実際。
・アンジェリーナ・ジョリーのアクションが少なめ。もっと暴れて欲しいんだけど物語の構成上、無理かなあ。怪我の治療は男前だった。
・一方、友達なのかな?の妊婦さん、大活躍www
・なんで命を狙われているのか、誰がどんな不正をしているのか不明。物語の主題はそこじゃないので大した問題じゃないかもしれないけれどモヤモヤする/した。
・なんかどデカい不正をやっている組織?みたいだけど、動き方、動かし方がセコいw
森林火災モノならオンリー・ザ・ブレイブがありましたね。
妊婦さんが
木が燃える記憶
目の前で木が燃えるのを見たことがある。まだ小学生の頃だった。冬場で乾燥した空気の中、臨家から発火した火が近くの樹木に燃え移った。最初は静かにくすぶっているだけだが、そのうち、木の油がにじみ出てきたのかぱちぱちという音を立てて、突然、夜空に火焔が吹きあがった。
恐怖、不安もあったが、正直言えば、きれいだと思ったのを覚えている。自分の家には飛び火せず、比較的早めに鎮火した。その後、子供の耳にも、隣の家の人が自分で火をつけたのではないかという噂が出回った。真実かどうかは知らないが、その人たちは町を去った。
大スキャンダルを暴露しようとした父親が暗殺者に殺害され、寸前のところで難を逃れた少年を、前の山火事で風の行方を読み違えて、救えたはずの少年の命を見殺しにしたトラウマに悩む女性森林消防隊メンバーが追ってから逃げるという話である。
当然、どこかで聞いたような物語である。
映画には二種類あるのだろう。
一つ目は、なじみ深い物語の繭の中に見る物を包み込んでくれる映画。
二つ目は、衝撃的なショットで映画とは何か存在とは何かを揺るがしてくれる映画。
当然この映画は1つ目である。ただ繭の中に包み込んで欲しいとはいえ、包み込まれ過ぎては息苦しくてつまらなくなる。鑑賞者の欲求とは自分勝手なものである。
僕は、繭に包まれたい映画鑑賞者だ。蓮實重彦の本は読むけれど、蓮實重彦の推奨する映画を楽しめたことがない。
でも、やはり繭にも裂け目が必要だ。
この映画の裂け目は、燃え盛る山火事のシーンだった。ショット的に優れていたかどうかを判断できる能力もないし、その気もない。
ただ山火事の場面の中で、僕は、子供の頃に聴いた木の燃える音を明確に再体験した。
その意味では、僕の繭は少しだけ破れ過去へと遡及したようだ。
その意味では見る価値はある映画だった。
森林火災はまるで津波のような恐怖
荒れ狂う森林火災が熱をもってこちら側に溢れる出ている映像演出が凄い。日本だったら津波のような感覚の恐怖を覚えました。
アンジーが演じる森林火災消防隊員のハンナは仲間や子供を救えなかったトラウマを抱えており間接的にも苦しさが伝わるものだった。
やはり一歩前に進む為には助けられなかった人の分だけ人を助けることで克服する。
今回は命を狙われている男の子でしたが、大人は無条件に幼子を守る人間味がありドラマもありました。
更にジャックと身重のアリソンの平和の一時がフラグのようでお決まり展開かと思いきやアリソンの強さに驚き、白馬に股がって旦那さんを助けに行くとか格好良すぎでしょ。
大元の犯人の行方などはあやふやとなりましたが登場人物が少ない分とても見易やすい作品でした。
よくあるパターンではないパターン
緊迫の追跡劇の中での燃え狂う炎の迫力。CGではなく実際に森に火をつけて撮影したとしか思えない迫真のものでした。
本作を手掛けた監督は、「ウインド・リバー」など、辺境の地を舞台にした硬派な犯罪劇で名をはせたティラー・シェリダン。スター女優アンジーと組み、スケールのでかい娯楽活劇に挑んだ今回は、やや大味な仕上がりなのかもしれません。それでも主人公の再起のドラマと雄大なロケーション、アクションを融合した手腕はさすがだと思いました。
森林消防隊員として、1年前に大規模な山火事の沈下作業にリーダーとして参加したハンナ(アンジェリーナ・ジョリー)は、風向きの判断を誤り、仲間を火に囲まれることにしたばかりか、3人の少年を見殺しにしてしまったことを、今もずっと罪悪感を抱き続けていたました。森の監視塔に籠もって、監視活動を続けているうちに、暗殺者に目の前で父親を殺されて森の中を逃げてきた少年コナー(フィン・リトル)と出会います。コナーの父親は会計士で、とある企業の不正経理の証拠を握っていて、自分にも危機が迫っているとしって、その証拠をわが子に託したのでした。
ハンナはかつて少年たちを見殺しにした贖罪感から、コナーを守ることを強く決意します。けれども、2人のプロの暗殺者は執拗にハンナたちを追い詰めます。逃げようにも、彼らが引き起こした大規模な山火事が立ちはだかり、行く手を塞ぐのでした。
スパイや殺し屋役で数々のアクションを披露してきたアンジーが11年ぶりに挑んだ敵は、背後から迫りくる暗殺者と目の前に立ちはだかる炎。極限状態の中、20メートルほどの監視塔から飛び降りたり雷に打たれても立ち上がったり、何が起きても諦めないハンナの強さに説得力を持たせられるのはアンジーだけでしょうね。アンジーのアクションは円熟を極めたといっても過言ではないでしょう。
ハンナのかっこよさは言うまでもありませんが、事件に巻き込まれる保安官夫妻の人間模様なども描き込まれ、暗殺者の際立つ冷酷と対をなしてドラマに引き込む要素になっています。
さらに父から託された秘密を守ろうと、ハンナにもかたくなな態度のコナーと心を通わせていく過程には心が温まりました。ともに心に傷を持つ2人だけに、極限状態での戦いのなかでつながっていくわけですね。
緊迫の追跡劇の中での燃え狂う炎の迫力。その人間の意志が及ばない巨大な炎の迫力の映像は、CGではなく実際に森に火をつけて撮影したとしか思えない迫真のものでした。これに日々取り組んでいる森林消防隊員は大変な仕事だなと感じました。
大自然のニューメキシコ州ロケ。飛行機から火の海めがけてのパラシュート降下シーンも圧巻です。なので大きなスクリーンで見ることをお勧めします。(公開日:2021年9月3日/上映時間:100分)
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