「取材3年、制作7年間の持つ迫力」かば sow_miyaさんの映画レビュー(感想・評価)
取材3年、制作7年間の持つ迫力
とにかく、浮いたセリフが一つもない。出てくるエピソードは、すべて、川本監督が取材の中で聞き取った事実ということがその理由だろう。
借り物の設定で、安易な感動を与えようなどといった姿勢は微塵もなく、その場所で全力で生きている人たちに正面から向き合って作られた映画だということが伝わってくる。
登場する先生たち、教え子たち、すべてが光っていた。いわゆる、名の通った俳優は出てこないが、全員素晴らしい。
映像的にもとても練り上げられていて、そういった足腰の部分がしっかりしているからこそ、観客にテーマが届いてくる。
とても力のある監督だと思った。
配信やDVD化をせず、きちんと届けられる場へ丁寧に届けるという川本監督の誠実さにも打たれた。
近くで上映の機会があったら、ぜひ鑑賞を勧めたい作品。
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