配信開始日 2024年6月14日

「まさかの子育て奮闘記だった」Ultraman: Rising 杉本穂高さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0まさかの子育て奮闘記だった

2024年6月30日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

ILMがウルトラマンを作ったというのも驚きだが、内容も意表をついてきた。まさかのウルトラマン子育て奮闘記だった。
日本人メジャーリーガーのサトウ・ケンが日本に帰国。しかし、その正体はウルトラマンで父のウルトラマン業引退で引き継ぐことになったのだが、ある日、怪獣と相対した時、卵を拾ってしまい、孵化すると怪獣の赤ちゃんが生まれてしまう。ケンは、確執ある父の助けを嫌々借りながら、赤ちゃんの面倒を見ることになる。
赤ちゃん怪獣を育てることで自分も疑似的な父親になることで、父親の気持ちを理解するようになるという物語。怪獣とて一方的に駆除対象ではないという展開の中、怪獣に家族を殺された人間たちもいて、怪獣を巡って複層的に想いが交錯する中、ウルトラマンの子育てと戦いが描かれる。
時にコミック調な表現を取り入れたアニメーション表現がカッコいいし、終始アメリカンな性格の主人公は新鮮。日本の巨大ヒーローを上手くアダプテーションしてみせ、このIPの可能性を大きく広げたと思う。赤ちゃん怪獣のデザインはめっぽう可愛いので、早くグッズ展開すべき。

杉本穂高