「原作ファンとしては悲しい」ムーンライト・シャドウ ふたり映画さんの映画レビュー(感想・評価)
原作ファンとしては悲しい
クリックして本文を読む
頭の中がずっと疑問符(?)ばかりだった。こんな登場人物だっけ?こんな設定だっけ?こんな台詞だったっけ?と。吉本ばなな先生の原作ファンだったので期待していたんですが、解釈違いなのか、監督さんの趣味なのか、全く別の作品を見ているようでした。自分の頭の中で幻想的にイメージし過ぎていたのかなぁ、あまりにも違いすぎて……原作未読の方がいいのかもしれません。
さつきと柊の会話って原作では結構快活なところもあって、絶望を背負いながら痛々しく傷をなめ合ったり今にも崩れ落ちそうにみえたり、危なっかしくも辛うじて立っている二人がいてそのバランスを見事に綴られていたんです。映像で見せるのはやはり無理があったのかな。喜びから苦悩へと変わる表情の落差、美しい月光と朝焼け、神秘的な設定、見せたいのは分かるけど物語の本質はそこじゃないという。ラストの川を隔てた対岸にいる等が笑って手を振るシーンが好きだったのに、無くて残念です。
コメントする