劇場公開日 2022年2月18日

  • 予告編を見る

「マリの歪んだ精神構造」ホテルアイリス あやこさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5マリの歪んだ精神構造

2022年5月30日
iPhoneアプリから投稿

悲しい

難しい

映画の後に、原作読了。
小説はやはり文字数の多さのお陰で、登場人物の心情が理解しやすかった。勿論小川洋子さんの作品なので、コチラが想像力を働かせつつ、推測していくのだが。翻って映画だと、マリの複雑な精神構造や欠落感が、もう一つ伝わって来なかった。
しかし、スクリーンの絵はとても綺麗で、海辺も島もアイリスも、原作の空気感を再現できていたとは思う。

昔から永瀬正敏のファンだが、この配役は違うかなぁ。あと一回り年配の俳優さんでも良かった。寛一郎、陸夏、他の俳優さんたちも好演。寛一郎は顔立ちも、ドンピシャ。常に怯えている心情表現も秀逸でした。
マリの自虐的な精神性は、どこからきたのか?救いはないのか?スッキリ後味の良い作品ではないが、非日常的な人間模様が興味深かった。

あやこ