「『ダンジョンズ&ドラゴンズ』との悪い類似点」ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー VOLUME 3 Jongoさんの映画レビュー(感想・評価)
『ダンジョンズ&ドラゴンズ』との悪い類似点
僕はvol.1もvol.2も大好きで、どちらもMCUの中でもベスト10に入るほど好きである。
だが、今回のvol.3は乗り切れない部分が多かった。
少し前『ダンジョンズ&ドラゴンズ』を鑑賞したとき「娘が捕まって半分洗脳されかかっているという切迫した状況なのに、お前らなに呑気にくっちゃべってるわけ?」という問題について指摘した。
vol.1とvol.2はここが絶妙で、序盤こそ軽口や無駄話やおふざけが多いけれども、それは本当に切迫した状況ではないからだ。vol.1ではオーブの正体、vol.2ではエゴの正体が分かり「これはシャレにならないぞ」という状況になる中盤からは前述したおふざけは極力少なくなっている。ここが『ダンジョンズ&ドラゴンズ』と『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』の似て非なる部分であり、2作品が同列で語られることにものすごい抵抗を感じた。
だが、今回のvol.3は「ロケットが瀕死の重傷ですぐにでも必要なものを揃えないと命が危ない」という切迫した状況に序盤からなる。そんな状況でもクイルはナンパするし、ドラックスは持ち場を離れる。お前ら、仲間の命がかかっていてもその態度なわけ?まともなのはネビュラだけ。
あと、あまりにもさらっと惑星一つ見殺しにしたのはびっくりした。別に救えなくてもしょうがない時もあるけど、「いやー、今回もほんとめでたしめでたし」みたいな感じで終わられると、いやちょっと待ってくれという感じ。ザンダー星は住人が意思疎通出来て見た目も人間ぽいから必死になったけど、カウンター・アースは動物実験で生まれた人外しかいないから「まあ、どんまい」ってか?ひどくないか?
ただね、ここまで言ったけれども、ロケットを蘇生してからの第3幕は泣いた。
やや性急さも感じたが、各キャラの成長とそれぞれの方向性を描きつつ、かっこいいアクションも描きつつ、「よっ!ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー!」的な決め画も見せつつで最高だった。
特に、あいつの名乗り。『スカイウォーカーの夜明け』のラストで「お前結局自分の出自と全然向き合えてないじゃないか」と思ったけれども、今回の名乗りは完璧。vol.2で「この星がなくなれば、お前もただの人間になるんだぞ!」とエゴに言われて「それの何が悪い?」とクイルがスパンと言い返した気持ちよさに近いものがあった。
ということで、良いところもそうじゃないところもあったけど、総合したら良いところが勝っていたかなという作品でした。