「素粒子世界はSWのウィルズなのか?」アントマン&ワスプ クアントマニア REXさんの映画レビュー(感想・評価)
素粒子世界はSWのウィルズなのか?
うーん、素粒子世界に多次元宇宙が広がるというのがどうも…。
素粒子は分解できないほど小さい存在だから、高次元の生き物は存在できないのでは?それともあれは時空もゆがんだ世界だから大きさの尺度も違うのだろうか。
さておき、この世界、ジョージ・ルーカスが語っていたSTAR WARS新三部作の構想に似ているのではないか。彼がインタビューで、自分ならフォースの根幹をなすウィルズというミクロの世界に生きる生命体を描くと語っていたのだ。その後も色々な構想を語っていたので本気度はどの程度かよくわからないし、その構想が一人歩きしたのかどうか知らないが、素粒子世界の生き物たちのデザインが、凄くSTAR WARSっぽい。
とはいえ、STAR WARSの世界の方がまだまともかもしれないけど…。
今回のストーリーは、コミックにちゃんと登場するのかもしれませんが。その辺はコミックを知らないので何ともいえません。
ただ、アントマンの闘う舞台は、もうちょっと現実的な世界であって欲しかった。
たとえば人間に謎の病が流行って人体に潜入して、白血球や免疫細胞から逃れつつ、ウイルスや菌を駆逐しながら謎を明らかにしていく過程で、細胞を凶悪化するスパイクタンパクみたいなものを運ぶナノマシンに襲われて、そのナノマシンを製造する陰謀組織と闘うとか…。
「ミクロの決死圏」のような想像しかできず申し訳ないが、カーンの存在はちよっと荒唐無稽すぎて。ミクロの内外で闘う姿が見たかった。
カーンもそんなに強大な力を有していて素粒子世界に高度な文明を築けるなら、自分でマシンを直して元の世界に戻れそうだし。
最後のカーン大集合もちょっとどん引き。マルチバースはもう、なんでもありでお腹いっぱい。カーン、神じゃん。あ、ソーも神か…。ガーディアンズにも神でたな。
ただ、マルチバースの副産物(エブエブでも描かれた、あらゆる可能性が分岐していく世界)として、「可能性」が無限に広がっていくマントマンの描写はおもしろかった。行動は分岐しても目的は一つだとして、分身が本体を押し上げていく様子は、運動会の棒倒しのよう。
ロキ様はどう絡むのか?
ロキのドラマ版も観た方がいいのか?…と結局気になるのだが、映画館ではもう今後のフェーズは観なくてもいいかな。