「マーベルが心配」マーベルズ 正直者さんの映画レビュー(感想・評価)
マーベルが心配
びっくりする程のゴミ。
マーベルにもDCにも存在する、次の作品を展開するために作られた中身がカスの作品。
マーベルが今色々大変なのがよくわかる。脚本 監督 上層部 権力争い、ディズニーに買収されてからの構造の変化、コロコロ脚本を変えたことのつけが回ってきたこと。
大きくなったことで色々問題が起きてる。
作品がどうなってるか、2023年を振り返れば分かる
アントマン3 ゴミ
(カーンの扱いも物語も低レベル)
GotG3 良し 悪くはないレベル
シークレット・インベージョン ゴミ
(良い所探すのが難しい)
ロキ2 良し 普通に良い
そしてマーベルズ 中途半端
序盤から意味不明、2人のキャラがワープゲート?のエネルギーに触れたせいで、量子なんとかで3人が「同時に能力行使すると入れ替わってしまう状態」(仮説)になった。
でも最初の入れ替えでは、1人のキャラは能力を使ってないのに入れ替わってる、中途半端で意味不明。
やりたいことはわかる、3人のメインキャラがいるから、同時展開していかないと尺が足りない。2路線を同時に展開していく作品はよくある、上手く使えば効果は良い。
作品は配分にも、テンポにも気を遣わないといけない。
それを3路線でやるとどうなるか、想像してみるんだ。3人のキャラの戦闘を描く為に、ちょくちょく画面が入れ替わって、理解が追いついてない人はただ置いて行かれる。
まぁ、試みとして許容しよう。肝心なのは戦闘の中身。まぁ、よくある「戦ってる感」を出す為に合理性を殴り捨てたもの。
例を挙げると
巨大宇宙船をワンパンで破壊できるキャラが雑魚にパンチをしたりキックをして戦闘をする、無力の一般人が逃げる選択をせずに敵に立ちたかって肉の盾になろうとする、どう考えてもキャプテンマーベル1人で倒せる敵を3人で戦って苦戦をする。
まぁ、酷い。戦闘シーンを描く為に合理性を犬に食わせた感が強すぎる。
戦闘から目を背けて、3人のキャラを見てみたらどうだ?これも酷い、3人のキャラを描いて配分もテンポも綺麗にするの普通に考えて難しいと分かるよね、それを無理にやった結果、
「2人のキャラが戦ってるシーンだけど、もう1人も描かないと可哀想だから一応映しておこう」
「キャプテンマーベルが強いから戦闘多めになるのは自然だけど、ミズマーベルはこれから売り出すキャラだからもう少しシーンを入れろ」
やらないといけないこと多すぎて、中途半端感が強すぎる。
ミズマーベル売りたいのはわかる、パキスタン系の少女、多様性の時代に少数派のキャラを出して、高くないギャラで儲けよう。わかりやすい精神だけど、作品が駄目になったら意味ないだろ。
次に物語の中身だ、ヒーロー作品によくある敵を倒して世界を救うものだ。敵はダーベン、クリー人の最高司令官。普通は敵を倒して世界を救う爽快物と考えるだろ、でも背景をよく考えればそうじゃないと分かる。
そもそも、キャプテンマーベルはクリー星を裏切って地球につき、クリー帝国の最高AI スプリーム・インテリジェンスを破壊して、内戦を引き起こし、クリー人の惑星が空気や水、太陽の全てを失くした元凶で裏切り者である。
地球にとってはヒーローでも、クリー人にとっては裏切り者で殺戮者で、自分たちの種族を根絶やしにしようとした悪魔である。
ここまで聞けば、物語において、キャプテンマーベルをどう描こうとしたか、答えがわかるだろ。ヒーローでありながら多くの者を殺した彼女の葛藤とそこから自己を救うお話。
ヒーローにおいて重要な話だが、もう2人のキャラも描かないといけないから、ちゃんと描いてるとか期待できるわけがない。
物語の主軸が何かわからなくなる、3人もいるとそうなってしまう。
まぁ、物語の軸っぽい話はしたから、次は物語の展開とかをつっこんでいこう。
冒頭の微妙な戦闘を終えて、3人はクリー人とスクラル人の談判してるところに行ってしまう。
クリー人にとって殺戮者であるキャプテンマーベルが現れたら、どうなるか想像するのは難しくないだろ。クリー人とスクラル人の平和のための談判は破棄、スクラル人はクリー人の敵と判断され、クリー人に資源を奪われ、大半の者がその場で死んだ。キャプテンマーベル達は一部の者(10分の1もない)を救ってその場から去った。
うん、酷い。
クリー人とスクラル人の談判がうまく行くかはわからない、キャプテンマーベルが来なくても、スクラル人は殺されたかもしれない。でも、談判をぶち壊したキャプテンマーベル達は済ました顔で救えるものだけ救うと言って、残りの者を見捨てて逃げた。
どれくらい救えるかがヒーローの悩みだけど。
これでヒーローかよw
その後のシーンもツッコミ満載、救った宇宙船一つ分のスクラル人を虹の橋のビフレストで別の場所に送ったキャプテンマーベル。
よく考えたら、宇宙船で逃げるより、直接ビフレストで助ければ全員救えただろ。まぁ、どうせあの場では使えなかったとか、連絡取れなかったとか、言い訳できるから突っ込んでいけないけど、ヒーロー何十人かだけ救って数百人を見捨てるシーンより、命を犠牲にしても無辜な民を救うヒーローの方が求められるだろ。
そういうふうに描くなら、救えなかった命を目の前にしたヒーローにもっと時間を使って描けよ、少女のミズマーベルがいるせいで、明るい雰囲気も出さないといけないせいで、ヒーローの葛藤と悩みをちゃんと描けてない。
次のシーンも酷い、惑星が滅びかけてるクリー人たちは次の水の星に行って水の資源を得るために談判を行う。クリー人を敵とするキャプテンマーベル達はどうするか。まぁ、当然その談判をぶち壊す、その星の王子を説得し、談判を拒否させた。まぁ、元々クリーとは仲悪いから、結果は変わらないかもしれないけど、クリー人は敵に回って、資源を奪う口実が出来る。
さぁ、戦闘はどうなるか。
キャプテンマーベル達の敗北です。敗北したらどうなる?キャプテンマーベル達は死んだらいけないので逃げる、その星の者は残って資源を奪われたまま。
ヒーローって人々を助けるんだよねw
まぁ、酷い。その後は?物語を終わりに向かってるので、ヒーロー映画らしく、敵を倒して、世界を救う。キャプテンマーベルの救いとして、自分のせいで滅びかけてるクリー人の惑星の恒星を自分のパワーでなんとか救うことが出来た。
1人はこの宇宙から無くなってしまったけど。
まぁ、ハッピーエンド。帝国を統治するAIを壊されて、内戦が始まって、水も恒星も資源を失って、他の星に行って資源を取らないといけないクリー人達が、その元凶の裏切り者のキャプテンマーベルに救われる。皮肉な話だ。
ツッコミ所満載すぎる作品だけど、沢山の者がヒーローのせいで死んでも、ヒーローが敵を倒して世界を救うような話であれば満足する人にとってはいいんじゃない?
ヒーローの二面性を描く作品と考えれば納得する。まぁ、ヒーロー映画見た気分にはなれなかった、スクラル星人はさらに絶滅寸前に追い込まれ、水の惑星の人は水を奪われ多分絶滅寸前。
キャプテンマーベルのせいで滅びかけてるクリー星人は救われたかもしれないけど、その過程で多くの者が死んでる、数万数億単位の生命が。数字だけで見ると、そこらへんの悪役の倍は殺してる。
これを良い作品にしたかったら、もっとキャプテンマーベルに力を入れて描け、ミズマーベルのシーンを増やしてどうする。
数万数億の人を殺してしまったと悩むキャプテンマーベルの苦悩を感じた観客はどれくらいいる?
爽快ヒーロー映画にしたいのか、キャプテンマーベルを掘り下げたいのか、ミズマーベルを売り出したいのか、どれか一つ選んでやれ。
力がないせいで中途半端な作品になってる。
まぁ、好評してる人はどれか一つに目を向けてるから気にならなかったと思うけど、気になってしまうと、バランスの悪い中途半端な作品に
感じる。
CGは悪くないし、チケット代100円ならポップコーン片手に見てもいい感じの作品。
いつも通り物語がゴミでも、最後あたりで他作品の伏線を張って、みんなが見たいキャラの顔をちょっと映す。それだけで一部のファンの方は黙らせられるから。
はぁ、どうせ作るなら、良い感じの作品にして欲しかった。
一言でまとめると 典型的な次の展開をするために、色々詰め込みすぎた作品。
こういう雑炊みたい作品でも楽しめる人もいるから、まぁ、見ても良いんじゃない。お金と時間が気にならないなら。
自分がモヤモヤしていた内容を詳細に書いていただいてスッキリしました
マーベルって力がある故の葛藤が魅力なのに、今回それをサラッと流し過ぎてるんですよね
ボランティアじゃないから儲けなきゃいけないのも分かるんですが、魅力が損なわれては意味がないですよね。
エンドゲーム以降は惰性で見てきましたけど、今回でそろそろ見切りを付けなくちゃいけないかなと思い始めてきました