劇場公開日 2023年11月10日

「MCUの将来が少し不安になる」マーベルズ tomatoさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0MCUの将来が少し不安になる

2023年11月10日
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面白いと思ったのは、「キャッツ」の主題歌(メモリー)をBGMにして、猫のフラーケンたちが宇宙ステーションの乗組員を次々に飲み込んでいくシーンぐらいか・・・
3つの惑星から大気と海と太陽を奪おうとする王女を巡るメインの物語は平板で、何のひねりもない展開に物足りなさを感じてしまった。
本作の目玉とも言える2人の新たなスーパーヒーロー(ヒロイン?)も、配信ドラマを観ていないせいか、あまり魅力を感じないし、3人が交互に入れ替わるバトルシーンも、工夫次第でもっと面白くなったのではないかと、少し残念に思ってしまった。
物語の鍵を握ると思われたバングルにしても、2つ揃ったところでああいうことになって、いったい何だったのかという疑問が残る。
敵・味方の主要な4人のキャラクターがすべて女性で、監督も女性ということだが、特に「女性の視点」から「女性の物語」を描いているようにも思えない。
あえて強引に解釈すれば、勝手に他の惑星に介入して、その挙げ句に内戦を引き起こし、結果的にその惑星を荒廃させてしまったキャプテン・マーベルの姿に、アメリカという国を重ね合わせることができなくもないが、その割には、彼女は太陽を復活させただけで、そうした「余計なお世話」を改めようと反省しているようには見えない。
「X-MEN」や「ホークアイ」との合流は良いのだが、今後、余程の新機軸を打ち出さない限り、MCUの再活性化は難しいのではないだろうか?そんなことを危惧させる1作だったように思う。

tomato