「Trinity」マーベルズ ブレミンさんの映画レビュー(感想・評価)
Trinity
MCUフェーズ4から入った人間ですが、フェーズ5の1本目のクアントマニアがもうそれはそれは酷くて、大好きなアントマンを新設定の始まりのために犠牲にされた事により、マーベルへの士気がガクッと下がりました。ガーディアンズ3でなんとか元に戻りましたが、今作はドラマから合流したメンバーがメイン格になっているのも中々ヘビーだなと思い、期待はそこまでせずに観に行きました。特典は長ーいポストカードでした。
思っていたよりかはマシ、ただ盛り上がるかと思ったらそこまで盛り上がらない、マーベルとしては地味な作品になってしまったなという印象です。
指パッチンの影響を受けた世界で、キャプテン・マーベル、ミズ・マーベル、モニカ・ランボーがチームを組んで謎の敵と戦うといった感じのあらすじです。マーベル史上最短の上映時間、ドラマ組が大集合という中々のお祭り具合でした。
憧れのキャプテン・マーベルに会えてキャッキャはしゃぎまくるミズ・マーベルは我々映画ヲタクたちの写し鏡のような存在で、自分ももし画面越しのスーパーヒーローに出会えたらあんなかんじになっちゃうだろうなとにこやかな顔で見ていました。
今までの作品では仕事人な雰囲気を漂わせていたキャプテン・マーベルですが、今作では割とジョークも言いますし、楽しそうに生活していてガラッと印象が変わりました。
モニカは苦労人な面が多く見られ、フューリーの指示も受けつつ、ミズ・マーベルを支えたりと全編渡って大変そうでした。
予期せぬチーム結成時の船での様子は、女子会のような雰囲気でなんだかヒーロー映画っぽくなくて新鮮だなぁと思いました。
パク・ソジュン演じるヤン王子、ミュージカルシーンも良かったですし、オンオフの切り替えがスパッと出来ていたのも良かったんですが、いかんせん登場シーンが少ないのでもったいなかったなーと思いました。コスチューム供給所として利用されていたのが惜しかったです。
アクションが全体的に大味でした。キャプテン・マーベルがそもそも光を放つタイプのヒーローなので、殴る蹴るのアクションは楽しめませんが、基本的にドカンドカンとぶっ飛ばしていく感じでした。もちろん楽しいので良いんですが、前作やIWやEGとそこまで大きな変化が無かったのは残念でした。
ミズ・マーベルは物質を具現化する唯一無二の能力を全開に戦ってくれるので、絵面的にもド派手で良かったです。生身のアクションもグルグル回転しながらこなしてくれていたので、今後の作品でもどんなアクションをするのか楽しみになりました。
前述2人に対してモニカはド派手なアクションは無いので、戦闘シーンでは印象が薄かったです。すり抜け自体は面白いんですが、バチバチぶつかり合ってる中ではどうにも地味に見えてしまいました。
能力を使うごとに配置が入れ替わるという不思議な状態で進めるアクションも、デメリットになるならバトルの際もややこしくなっちゃうだろうなと思いましたが、連携がしっかりできているので元々強いキャプテン・マーベルがさらに強くなってしまったので、もう手がつけられないなぁと苦笑いしながら見ていました。
ヴィランがそこまでなのも残念なポイントです。バングルを奪って太陽を取り戻すぞー!って感じなのでめちゃくちゃ壮大だなと思っていましたが、特別な能力があるわけでもないですし、ハンマー的な武器も特別活きていなかったですし、バングル2つ身に付けてジャンプ点に近づいたら木っ端微塵になったとかいう、えぇ…ってなりました。今までのマーベル作品の中でも屈指の激薄ヴィランでした。
グースがこれはまぁ可愛い事可愛い事、シンプルにキュートなのがいいんですが、正体がフラーケンで口をガパッと開けて飲み込むスタイルがえげつなかったです。
肩乗りグースも愛らしいですし、てくてく歩くのも最高に可愛い、それなのに容赦なく人を飲み込むギャップ、最終的にはこれでもかってくらいのネコフラーケンが脳みそっぽい中から生まれて、足りない脱出ポット代わりに飲み込んでワープするという力技もやってくれるので、今作のMVPは間違いなくグースたちです。まさにニャーベルズ。
エンドロール後の一つ目のおまけではミズ・マーベルがケイト・ビショップをスカウトしに行くというワクワクさせられるものがありました。
そこからキャシーもスカウトして、新たなチームを作ろうという二世代目の結束が見られてとても良かったです。物質化、弓、特殊スーツ、それぞれがぶつからない個性持ちなので、ドラマではなく是非映画でやって欲しい物です。
おまけに次ぐおまけでは違う時空に飛ばされたモニカが目を覚ますと母であるはずなのに母でない人物と老いたハルクがおり、X-MENの世界へ遂に合流したのかと思いました。現段階では匂わせ程度なのでここからどう展開していくかは分かりませんが、ひとつ停滞していたマーベルが進んだかなと思いました。ただこれをやるんだったらクアントマニアとはなんだったのか、これが強烈に引っ掛かりました。
マーベル復活の狼煙になるか、本国の興行収入次第なところもありますが、マーベル好きはもうとりあえず観に行くぜー!みたいなところがあるので、それ以外の層にどれだけ刺さるか、注目していきたいです。
鑑賞日 11/10
鑑賞時間 9:00〜11:00
座席 Q-34