「"死は終わりではない"」ブラックパンサー ワカンダ・フォーエバー ますぞーさんの映画レビュー(感想・評価)
"死は終わりではない"
チャドウィック・ボーズマン
1976年生まれ
サウスカロライナ出身アンダーソン出身
ハワード大学と並行して
デンゼル・ワシントンの支援で
オックスフォードの演劇学校へも留学
2003年から俳優業を本格化し
2013年黒人初のMLBプレイヤー
ジャッキー・ロビンソンの主演で
ブレイクし
2018年の「ブラック・パンサー」
はアカデミー賞3部門を受賞
これからが期待された矢先
すでに身体は病魔に侵されており
2020年ロサンゼルスで家族に
囲まれながら43歳で生涯を閉じた
ブラックパンサーは生前に
続編が決まっていたもののチャドの
病状もあり製作はいったん中止された
もののチャドの死を受け入れる形で
キャスト変更なしで製作を続行
という大英断
でどうだったか
現実の主演俳優の死を
原作ありの作品のストーリーへ
変化を与えるという試みは
まず聞いたことがなく
そこに興味を持ち鑑賞しましたが
非常にうまく取り入れられており
「うまいな」と感じてしまう
ものでした
そこに多少の粗さも内包出来て
いて問題なかったと思います
隕石から取り出された鉱石
「ヴィブラニウム」の不思議な力を得た
アフリカの奥地にある
超テクノロジー国家ワカンダの
守護神「ブラックパンサー」
として5つの部族をまとめた
ティ・チャラが病気で危篤状態
妹のシュリはキルモンガーに燃やされて
しまったハーブの再生成を試みますが
間に合わず
ティ・チャラは亡くなってしまいます
シュリは救えなかったことを悔やみ
1年も引きずりますが母ラモンダは
ヴィブラニウム技術を狙う世界各国を
けん制しつつシュリの立ち直りを
促します
しかしシュリは救えなかった要素
ハーブを燃やしたキルモンガーら
含めすべてが憎い心境を吐露
するとそこへ海中の帝国
「タロカン」の王
「ククルカン」とも呼ばれる
ネイモアが現れ
ヴィブラニウムの探知機で
国が脅かされている責任を取れ
開発者を差し出せ
そして我々の存在を明かすなと
色々要求
探知機も置いていったことで
シュリはそれを分析し
アメリカの大学でそれを作った
リリの元をオコエと共に訪ねます
リリはまさしく天才で
探知機は詳しいことを知らず
教授の手伝いをしただけとの
事だったがリリはワカンダで
彼女の保護を決意します
しかしFBIやタロカン勢の
追撃を受けオコエも奮戦するも
リリとシュリをタロカン勢に
さらわれてしまいます
そしてシュリを守れなかった
オコエに
またしても家族を奪われた
ラモンダは激怒しオコエを
解任してしまいます
結局シュリとは生かされたまま
ネイモアに面会
ネイモアの民族が生まれた
きっかけが大陸からもたらされた
疫病であり海中でしか
生きられなくなった事
などを教えられ
シュリが希望してタロカンの
全貌を案内してもらうと
水中ながら民が幸せに暮らす
様にシュリは感動します
それは憎しみしかなかった
心を和らげるものであり
シュリは改めてリリの身柄を
ワカンダで預かることを
ネイモアに進言
しかしネイモアは
ヴィブラニウムの秘密を
明かされ民を守れなくなる
事を理由に生かしておけない
方針を変えず
そんなことをしてる間に
ワカンダを離れていた
ティ・チャラの元恋人の
ナキアがラモンダの命を受け
シュリとリリを救出
その際タロカンの女性兵士を
死なせたことでネイモアは
ワカンダ攻撃を決意します
ワカンダに戻ったシュリや
ラモンダは警戒を呼びかけますが
ネイモアの奇襲が早く街は
攻撃を受けラモンダもリリと
いる時に巻き込まれますが
ラモンダはリリを助け絶命
シュリはとうとう一人になって
しまいます
悲しみと共に復讐の憎悪が
さらに膨らむシュリに
エムバクはラモンダが
平和を望んでいたことを忠告
しますがそれはラモンダの意思
であって私のものではないと
拒みます
志半ばに亡くなった者の
意志を引き継ぐか
それに縛られるのか
答えは出ないところです
そしてシュリはネイモアを
なんとしても倒すべく
送られたブレスレットに
巻かれたヴィブラニウムを
含んだ草をAIに分析させると
例のハーブの組成が判明
シュリはそれを覚悟を決めて
飲みこむと
そこには精神世界が広がり
王の玉座がありました
シュリはチャラだと確信して
近づくとそこにいたのは
キルモンガーでした
ここうまいんですよね
チャドの出演は無理ですが
キルモンガーを出すことで
シュリの中にある憎悪と
復讐の気持ちが勝った感情を
的確に表現できていました
「うまい」とつぶやいてしまう
ところでした
キルモンガーは白人社会に
蹂躙されてきた一族の復讐を
掲げていましたから
シュリも復讐の鬼として
ハーブを飲んだのならと
誘引します
しかしシュリはそこで目覚め
また失敗したと嘆きましたが
実際は超人的なパワーを
身に着けており
自らがブラックパンサーと
なる事を決意します
またシュリは奇襲の中で
ネイモアが皮膚呼吸はできるものの
地上にそう長くいられない
体質を見抜き対策も講じます
リリもアーマースーツを開発
オコエやアネカにもタロカンの
勢力に対抗できるスーツを準備します
そして海中に誘いかけ
ネイモアにやり返すワカンダ勢
奮戦する中でネイモアとシュリは
一騎打ち状態になります
ネイモアを水補給が出来ない環境に
うまく誘い込みついには瀕死に
追い込みとどめを刺すところまで
いきますがそこでシュリに浮かんだのは
ネイモアの生い立ちやタロカンの民たち
ここで初めて憎悪や復讐を越えた
ワカンダの守護神・ブラックパンサー・
シュリとしての決断がはっきりします
結局ネイモアを生かし降伏させ
タロカンの秘密もワカンダが守る
ことで戦いは終わりました
上手い戦いだったのかどうか
わからないワカンダ勢でしたが
ひとまず一件落着
その後シュリはリリをアメリカへ帰し
ナキアのいるハイチでラモンダに
言われた喪装束を燃やして
死の悲しみを乗り越えるうち・・
ナキアが「子供」の存在を教えます
チャラとナキアの子です
いやあ
死後にここまでの作品を
作ってもらえる事は本当に俳優にとって
幸せなことだと思います
ワイスピのように作中では生存している
という扱いもいいと思いますが
こうして死をそのまま受け入れた
作品ってのも観たことありません
確かに
MCUのシリーズを
ここまでアレンジしていいのかと
いう声もあるかもしれませんが
まぁいいんじゃないでしょうか
と言うくらい何でもありな
イメージしかないので
気にならなかったです
チャドの追悼に方向性が
ハッキリしたんでしょうし
それ以外でも最先端テクノロジーの
あふれるアフリカ国家というビジュアルは
大変面白いですしどこか高畑勲ちっくな
生活感の描写も印象的でした
MCU作品も制作頻度が高くなって
色々幅が出てきましたね