「シュリの葛藤」ブラックパンサー ワカンダ・フォーエバー みっくさんの映画レビュー(感想・評価)
シュリの葛藤
チャドウィックボーズマンの死去を知った時、それを受けて修正された脚本を読んだ時の、シュリ役レティーシャ・ライトはどう思っただろうか?
「大変なことになった」
「私に演じられるのか?」
といったところだろうか。
前作での彼女の役割は、007の「Q(ハイテク担当)」に、ボケ役を合体させたもの。まあ、批判を恐れず言えば「軽い」役柄だった。
でも本作では、言わば
Qに対し「007が死んだから、お前が007をやってくれ」と言っているに等しい。
前作まででティ・チャラが抱えた主な葛藤は「復讐」(シビル・ウォー)と、「鎖国か開国か」(前作)だろう。
本作ではその両方をシュリが担うことになった。
いや、それを担うことに躊躇があったので、喪服を焼くことをためらい、研究に逃げた。
そりゃそうだ。重責だもん。
で、「メンター」となるべき母親は国とヴィブラニウムを守ろうと熱くなっている。
そして「復讐」の常として、彼女自身「ダークサイド」という深淵に墜ちるところまで行く。
(これは、ティ・チャラも無かった)
本作は、温暖化や人種問題も描いているが、主題はシュリの葛藤であり、成長である。
そんな難しい役柄を見事に演じたレティーシアライトの飛躍を期待したい。
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