「喪失と再生」ブラックパンサー ワカンダ・フォーエバー Y Kさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0喪失と再生

2022年11月18日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

MCU作品は配信作品も含めて全て見ています。
感想
チャドウィック・ボーズマンに捧げる映画として満足出来る部分とMCU要素てんこ盛りの詰め込みすぎ感が共存していて、楽しめたという感情と違和感の両方を感じた。

・物語構成
国王を失い、防衛力が激減したワカンダに、海中帝国タロカンが迫り来る!という感じのあらすじ。
全体を通して、フェイズ4のメインテーマでもある喪失と再生が全面的に描かれていました。国王を失ったワカンダ国民達それぞれの苦悩と成長が全編通して、各メインキャラクターにそれぞれ見せ場をつくる事で見事に描かれていました。特にティチャラの妹であるシュリには、今作で無数の悲劇が起こり切なさに共感しました。
そして、待望のブラックパンサーの復活ですが、納得の復活の仕方で、カッコよかったです。
予想よりも、敵のネイモアの人物背景を丁寧に描いていたので、ワカンダとタロカンの決闘シーンは複雑な心情になりました。
・暗い現実とハイテンションアメコミアクションのアンバランス感
ブラックパンサーの続編としては楽しく見る事が出来たのですが、現実でも亡くなったチャドウィック・ボーズマンさんに捧げる讃歌映画としては、全体通して明るい印象を感じ違和感を覚えました。勿論、国王の死を悼む場面は多々描かれるのでその度に涙腺が刺激されました。
・アクション
アクションシーンはスタイリッシュでどれもかっこよかったです。特に序盤のカーチェイスシーンがカッコよかったです。
・新キャラについて
新キャラクターのネイモア(ククルカン)、アイアンハート(リリー・ウィリアムズ)どちらもこれまでには無かったような個性的なキャラクターで、どちらのキャラクターにも愛着が持てました。特に、メインヴィランであるネイモアは、人間味溢れる民思いの兼神で、率直にかっこよかったです。
・今後の展開
今作で、新キャラクターのネイモア、海底帝国タロカン、アイアンハートの紹介、ワカンダ国の今後の動向の示唆、新ブラックパンサーの誕生、久しぶりのあの人の登場など今後の伏線と思われる要素が大量出てきたので、今後も幅広い世界観の構築が期待できるので、その点でとても楽しみです。

総評
ブラックパンサーの続編としては満足出来たが、チャドウィック・ボーズマンさんに捧げる追悼映画としては惜しい作品。
今後の展開への伏線が多く仕込まれていたので、フェイズ5が楽しみになった。

Y K