「戦闘がないのは時間的にしかたない」劇場版「オーバーロード」聖王国編 木花咲耶さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5戦闘がないのは時間的にしかたない

2024年9月24日
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鑑賞方法:映画館

良いところ
視点となる人物がわかりやすく、誰の物語かが明確なので共感しやすい。
その人物が知っておくべき情報が視聴者の知るべき情報なので、描写の不足を感じない

?なところ
戦闘は入れこめなかったか。
せっかくのキャラクターも深堀りがないせいか、悲壮感が今一つ。とくに聖王女。

ぶあつい小説原作二巻分を140分、TVアニメ換算で6話程度に圧縮してるのでイベントのテンポはいいが、一つ一つが薄くならざるを得ない。葛藤や逡巡がほぼ皆無なアインズはともかく思慮深いであろうヴァラハ嬢が覚悟決まりすぎてていっそ笑えてくる。まあ実際の暴虐シーンとかは見てない訳だし、挙動としては不自然さはなかったので、共感できるいいキャラだったと思う。その点でいうと聖騎士団長の方はひどい有様。憎まれ役としての面目躍如。

それはそれとして生天目仁美さんの演技を久しぶりに聞いた気がする。

TVシリーズだと1クールには短く、盛り込むには長いという尺をなんとか劇場版に仕立て上げたという意味ではよくまとまっているとは思うが、これだけの悲劇やら暴虐のシーンよりあとに食料盗むあほ貴族とか、勝手に勘違いする皇帝とかの滑稽さが際立つので、公開時期としてはもったいないとしか。TVシリーズ見直す契機にはなるかもしれん。

木花咲耶